ニューヨークでは、核不拡散条約(NPT)再検討会議が開かれています。ヒバクシャ代表団は、当地に着いた翌日の5月18日、さっそく国連を見学しました。NPT再検討会議を傍聴するための特別入構証をつくってもらって、いざ国連本部へ!国連本部ビルの一階ロビーでは、NPT再検討会議開催中、原爆展が2005年に引き続き日本被団協の主催で行われています。さまざまな写真の説明パネルに加え、原爆の熱で熔けたガラスやサダコさんの折鶴などの展示物が所狭しとならべてあり、国連見学に来た世界中の人々が熱心に説明を読み、ガラスケースに見入っていました。写真展開催中には、毎日被爆者の方が臨席されていて、その場で見学者に証言をしたり、おりづるを渡したりされています。
NPT再検討会議は、今回国連本部ビル建て直しにつき隣の建物で行われています。この日は2つの会議を傍聴しました。まずは、NGO主催の分科会です。わたしたちが傍聴したのは、「国境なき仲裁者」ほかの団体が、対立解決の方策として対話の重要性をあげ、その秘訣を話し合う会合でした。「抑止力や軍縮など、核の問題は特に、既存の枠組みからはみ出して考えないといけないことが多い」という指摘には、一堂深く納得しました。
その後で、世界各国の加盟国の代表団や大使が出席しているNPTの本会議を傍聴しました。本会議場では、各テーブルに通訳レシーバーが搭載されており、今回は英語・スペイン語・フランス語で発言を理解することができます。壁を隔てて、傍聴不可の部屋では真剣な話し合いが行われている様子でした。
(小松真理子)
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