1.ヒバクシャ証言の航海

タヒチでの若者交流3日間

本船は2011年2月5日(土)にタヒチ・パペーテに入港し、1日のプログラムを終え、ペルーに向けて出港しました。高校生平和大使とオーストラリアのゲストはそこで下船し、2月7日(月)までの3日間タヒチに滞在し、モルロア・エ・タトゥ(モルロアと私たち、MET)のメンバーや現地の若者らと交流しました。その様子を、高校生平和大使による報告(第3弾)としてお届けします。
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船内でタヒチ、オーストラリアの若者と提言を作成し、また一般の方々とも一緒に平和について考え充実した2週間はあっという間に過ぎ、私たち高校生平和大使の最後の仕事は、2月5日から7日のタヒチ訪問でした。
広大な太平洋に浮かぶ島、タヒチに着いたとたんからココナッツの香り、歓迎の歌、その文化に魅了されながらも、さっそく1日目はモルロア・エ・タトゥの記念碑で儀式、そしてオスカー・テマル前大統領への表敬訪問という大イベントが待っていました。
記念碑には世界各国からの石が集めて置いてあり、この場所で世界が一つになっていると聞きました。またタヒチの5人が1カ月ぶりに帰ってきたこともあり、多くの取材が来ていました。

    ピースボートのおりづるプロジェクト-Oscar Temaru
オスカー・テマル前大統領(右)

    ピースボートのおりづるプロジェクト-Yamaguchi
表敬訪問でテマル前大統領に挨拶する高校生平和大使(中央は筆者)

前大統領の前では作った提言を発表できて光栄に思いました。このブログを見てくださっている方もぜひ提言を読んで、広げてください。できることはたくさんあります。私たち高校生は核兵器廃絶のための署名を集めて毎年国連に届けていますが、世代をこえてみんなで活動を広げていきましょう。
2日目はプロテスタント教会の礼拝に出席し、牧師さまが日本の高校生のことも紹介してくださいました。また教会の若者とも意味のある交流をすることができました。

    ピースボートのおりづるプロジェクト-Church
プロテスタント教会

    ピースボートのおりづるプロジェクト-Discussion
教区の若者リーダーらと

    ピースボートのおりづるプロジェクト-Yamaguchi_Church
筆者も発表した

最終日、私にとってはこの旅の期待をこえた、一番充実した日となりました。私たちとの交流を引き受けてくれた私立ポマレ4世中学校を訪問し、原爆の悲惨さや高校生の活動を伝えました。また、オーストラリアの現状や、タヒチと日本・オーストラリアの3カ国で共通の放射線による影響が出ていることを伝えると、ある質問があがりました。
「みんなはどうやってその情報を知ったの?」
ここで、私たちはタヒチの教育の現実を目の当たりにしました。彼らはタヒチに住んでいながら、核実験がフランス政府によって行われていた真実が、正しく教えられていないのです。このような環境を変えていかなければなりません。

    ピースボートのおりづるプロジェクト-Class1
ポマレ4世中学校の9年生、10年生(14~16歳)のクラスで話をした

    ピースボートのおりづるプロジェクト-Class2
みんな真剣に聞いてくれた

交流会のあとには、署名用紙を持って帰って集めてくれると言ってくれる人も多くいて、嬉しかったし、何より「自分も平和大使になりたい」と言ってくれた人がいて感動しました。また、私たちの話を聞くまで核問題に触れていなかった人は多く、このように意見が変わるのを目の前にして、伝えることの大切さを私は初めて実感しました。

    ピースボートのおりづるプロジェクト-School
学校を去る前に、みなで歌の交流

    ピースボートのおりづるプロジェクト-School2
生徒たちと

最後は、現地メディアの記者会見でしめました。タヒチ、オーストラリア、日本の3カ国で毎日情報をシェアしてきて有意義なものになった旅もこれで終わりではなく、3カ国それぞれが自分の国で伝えていきます。
このプロジェクトに関わったすべての人に感謝して、これからも若者にできる活動を発展、発信していきます。貴重な経験をさせていただいたので、具体的に何が今できるか、考え行動していきます。ありがとうございました。

(第13代高校生平和大使
山口真莉絵)

    ピースボートのおりづるプロジェクト-Press Conf
最終日(2011年2月7日午後)の記者会見。領土議会の中庭で

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