1.ヒバクシャ証言の航海

原発の国民投票を前に、イタリア・バーリで記者会見を行いました

5月25日(水)、ピースボートはイタリア南部プーリア州のバーリに寄港しました。
イタリアでは原子力発電所の再開をめぐる国民投票が6月12日に行われる予定です。現政権は原発の再開に積極的ですが、福島の事態も受けて、国民の大多数は反対しています。国民投票で否決されるのを避ける狙いか、最近になって国民投票を中止する動きも出てきているそうです。

このように原子力問題に関心が高まるイタリアで、ピースボート被爆者一行は「緑の党」の主催による記者会見を行いました。藤森俊希さんと松浦秀人さんのお二人が、核兵器の被害の現実を語りました。松浦さんは、核兵器の被害者と原発事故の被害者は、「放射線の被害者である」という点で共通だと述べました。

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記者会見の様子。右からドメニコ・ロメロ・プーリア州「緑の党」代表、松浦秀人さん、通訳のシルビア・セザーナさん、藤森俊希さん。

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記者会見は「緑の党」の事務所で行われた。

記者会見には、パグウォッシュ会議会長のジャヤンタ・ダナパラさんも参加しました。スリランカ出身の外交官として長く軍縮担当の国連事務次長を務めたダナパラさんは、核不拡散条約(NPT)の下で原子力の平和利用の権利は認められているが、原子力には安全性の問題や、民生利用と軍事利用の境界の曖昧さという問題があることを指摘しました。ピースボートの川崎哲は、福島の事態によって原子力の安全性が神話であったことが明らかになったこと、また、ひとたび核の被害が起きればその影響は60年以上にもわたることを広島・長崎の被爆者の現実は示している、ということを述べました。

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左端はダナパラ・パグウォッシュ会議議長。右端は川崎哲・ピースボート共同代表。

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国営放送RAIの取材を受ける藤森さん。後ろのポスターには「日本の人々と連帯しよう。チェルノブイリから25周年に福島は起こった。原子力反対」と書いてある。

現地の方々によると、会見の結果は国営放送RAIの午後のニュースで2分半にわたって放映されたそうです。また、会見後にはプーリア州のテレビ「アンテナ・スド(南)」に藤森さん、松浦さん、川崎が生出演しました。ヒバクシャの証言を聞いた視聴者からは、ネットの書き込みで多くのコメントも寄せられ、国民投票を前に大変参考になったという声が聞かれました。(川崎哲)

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個別取材に応じる松浦さん

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地方テレビ局「アンテナ・スド」のスタジオにて、生出演のスタンバイをする藤森さん。

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