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「世界の平和を創る夕べ スティーブン・リーパー講演 & 被爆ピアノ演奏会 」報告

6月4日(土)、神奈川県の鎌倉生涯学習センターにて、「世界の平和を創る夕べ」と
題するイベントがあり、約300人が来場しました。

第一部は、広島平和文化センター理事長のスティーブン・リーパーさんが核廃絶における日本の役割について講演。第二部では、ピアニストで大学の非常勤講師でもある奥平純子さんが、広島で被爆したピアノを演奏しました。

リーパーさんによると、戦後の米ソ対立の中で核開発競争が激化し、同時にこれらの大国は核が「拡散」しないよう、他国をコントロールしてきました。しかし、ソ連は崩壊し、米「帝国」の力も弱まってきています。NPT(核拡散防止条約)は死に瀕していて、IAEAも実際にはどの国がどの程度、核開発を進めているのか把握できていない状況だそうです。

世界中で貧富の格差が広がっており、毎日1万6千人の子どもが餓死しているといいます。このような深刻な貧困がテロなどの暴力の元になり、それが蔓延している今「核抑止力」という考え方も、もはや通用しなくなってきているのです。

今、地球上では石油などの資源をめぐる紛争が絶えません。もし核戦争が起こり、幾つもの核兵器が使われると、巻き上げられた塵が地球を覆いつくし、「核の冬」が訪れます。つまり、1年中冬の時代が到来し、私達人類は農作物を作ることが出来なくなります。そしてこれは、人類の滅亡を意味するのです。

このような事態になるのを、いかに食い止めるかが私達の課題です。リーパーさんが以前、米国代表を務めたこともある平和市長会議は、この意味で大きな役割を果たしているといいます。そして今、このような自治体だけでなく、国単位でも核廃絶の動きが出てきているそうです。

地雷廃絶やクラスター爆弾禁止の国際条約は、元々市民団体と支援国が主体となって始めた運動が、大規模な世界的キャンペーンとなって実現したもの。リーパーさんは、核兵器についても同じことが可能だといいます。

そして福島の原発事故により、新たなヒバクシャが生み出されてしまっている今、日本が核兵器廃絶運動のリーダーシップをとってほしい、とリーパーさんは強調します。なぜなら、日本は世界で唯一の被爆国であり、しかも憲法9条と非核三原則を持っていて、まさにこの役割を果たすのに最適な国だから。

NGOなどよりもむしろ一般市民が訴えた方が、政府は言うことを聞くだろうとリーパーさんは言います。核・原子力産業が生む富よりも、原発で失うものの方がずっと大きいことは、今回の福島の事故を見れば明らかで、今こそ核産業を放棄すべきだということには、多くの人が気付き始めています。

もし、NWC(核兵器禁止条約)が出来れば世界のほとんどの国が署名すると言っているそうですが、一般には知らない人も多い。だからこそ、このような講演会やコンサートを開いて多くの人に知ってもらうことが大切なのです。また、イベントに参加するほか、個人で手紙を書いたり署名を集めたりすることで平和創りに貢献することも出来るでしょう。リーパーさんは「核問題の解決は日本にかかっているのです」と言って講演を終えました。

続いての第二部はピアニストの奥平さんによる被曝ピアノの演奏でした。このピアノは既に日本各地で600回以上、更にはニューヨークでも演奏されたことがあるそうです。千羽鶴が飾られているこのピアノを、今回は奥平さんが平和への願いを込めて、バッハやショパンなどアンコールも含め全7曲を弾いてくれました。

とても深い音色と心のこもった演奏で、思わず涙が出てきてしまうほどでした。このように美しい音楽を聴きながら平和について考える機会がもてるのは、大変嬉しいことです。演奏の終了後も大きな拍手がなかなかやみませんでした。

「世界の平和を創る夕べ」は、普段あまり平和について考えたことのなかった人にも、そして平和のために自分には何が出来るのかと模索していた人にとっても有意義な時間になったでしょう。このようなイベントがあれば、友人や知人にも知らせて、是非また参加したいと思います。

(シュミットひろこ)

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