3.核廃絶へのいろいろな動き

グローバルゼロ ワールドサミットに元スタッフが参加

今年の6月、現在イギリスの大学に留学している元ピースボートスタッフ畠山澄子さんが、グローバルゼロ ワールドサミットに学生代表として参加しました。
このような核兵器を廃絶するためのプロセスを広く議論ずる場に、もっと日本の学生、NGO、市民の声を届けたいですね。そのパイオニアになってくれたのが、今回の畠山さん。
昨日の民主党代表選で敗れた元外相の前原誠治議員も参加していたようです。彼は、党代表として原発を推進する姿勢を見せていましたが、このサミットでは原発と核兵器の関連性についてどのように議論したのでしょうか。気になります。

畠山さんからの報告をご紹介します。
(渡辺里香)

グローバル・ゼロ(以下 GZ)とは核兵器の廃絶を目指す国際的な運動のこと。2030年までに核兵器を廃絶する工程表案「GZ 行動計画」をもとに世界各地で運動を拡大している。2008 年 12 月にパリで開催された創立会議には会議を提唱した英国の実業家、リチャード・ブランソン氏をはじめ、カーター、元米大統領、ゴルバチョフ元ソ連大統領ら政治や軍事、経済、外交、市民運動などで活躍してきた世界の有識者約 100 人が参加した。現在 GZ の活動の中心は賛同者を増やすことと政治的議論のプラットフォームの提供、そして学生を巻き込んでのキャンペーン運動の 3 つである。大衆運動と具体的な政治的枠組みの考案という核兵器削減へのアプローチでは切り離されがちな二つの要素をうまく組み合わせているのが GZ の特徴であろう。

今回私は 6 月 21 日から 23 日にかけてロンドンで開催された第 3 回 GZ ワールドサミットに学生代表の一人として参加する機会を得た。主にアメリカとヨーロッパ諸国から選ばれた学生参加者はサミットの前に 3 日間の事前研修を受け GZ のキャンペーンをどのように各自の大学で広めていけるかについて話し合った上でサミットに参加し、実際の政治家の議論に触れた。このサミットには日本からも前原誠治元外相や佐藤行雄日本国際問題研究所理事長をはじめ政治家・官僚、学者ら数名が参加していた。

サミットでは私が今後どのように GZ の運動に関わっていきたいかを世界各国の政治家や学者の方々の前でスピーチする機会をいただいた。原爆を経験した日本から核兵器保有国である英国に留学する一学生として、確固とした核兵器廃絶の意義への信念とともに、来年ケンブリッジで GZ のキャンペーンを展開していきたいと考えている旨を話した。

    ピースボートのおりづるプロジェクト
スピーチする畠山さん

米ソ冷戦が終わり、両陣営による世界核戦争の脅威はなくなった。 その代わり、イラン、北朝鮮の核開発にみられるように、核兵器が拡散。テロリストなどの手に渡って、地域的に使用される危機が現実のものとなっている。加えて今回の福島の事故からは科学技術の発展が進んでも核の危険から人類の身を守ることがいかに難しいかが浮き彫りになった。核兵器に依存する世界からの脱却が実現する日がくると信じたい。
    ピースボートのおりづるプロジェクト
サミットで出会った仲間たちと


グローバルゼロ:http://www.globalzero.org/london

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