3.核廃絶へのいろいろな動き

2011年5月 ニューヨークの高校生に証言

おりづるプロジェクトが始まる前から、ピースボートに広島、長崎の被爆者がゲストとして乗船して、証言してくださる機会のある時は、一緒に乗船して原爆の被害や現存する核兵器の数や状況を知るためのワークショップを開いてくださっているニューヨーク在住の国連軍縮教育アドバイザーでもある
キャスリン・サリバンさん。
$    ピースボートのおりづるプロジェクト
キャスリン・サリバンさん(左)と報告してくださった田中稔子さん

彼女がニューヨークで精力的に進めているのが、地元の高校生に被爆者の生の声を届けること。
二度と原爆が使用されない、核のない世界を築いていかれるようにとの願いで「ヒバクシャ・ストーリーズ」が2009年から始まりました。
これは、ピースボートの呼びかけと現地のユース・アーツ・ニューヨーク(Youth Arts New York)の協力で始まり、今までに50校以上で6000人以上の高校生に証言を届けてきました。
http://www.hibakushastories.org

今までに、おりづるプロジェクトの被爆者の方々が参加してきています。
今回は、今年の5月に行われたプログラムに参加した田中稔子さんから報告と写真を頂きましたので、紹介します。

——-以下、田中稔子さんからの報告——-
「ニューヨークのヒバクシャストーリーズ 2011年5月プログラム」
国連の核軍縮教育専門アドバイザー、キャスリン・サリバンさんが立ち上げたプロジェクトですが、教育者で、芸術やネット関係に詳しい、ロバート・クルーンキストさんと言う良き協力者を得て、ヒロシマ・ナガサキのヒバクシャによる「生の証言」を「出前授業」と言う形で、ニューヨークの数多い高校を舞台に、年2回のペースで回っています。
    ピースボートのおりづるプロジェクト
    ピースボートのおりづるプロジェクト
建築工学専門学校で作品紹介

「ピースボートが人生を変えた」と言う人は多いのですが、私も第1回おりづる航海に参加し、キャスリンさんの聴覚と視覚で、核兵器の脅威を解り易く伝える講義にすっかり感銘を受け、その後のお手伝いが始まりました。
我が子に「被爆体験」を話した事さえ無かった私が、ニューヨークに行き、「核兵器の無い世界」を説いて連日回っているのです。
最初のニューヨーク行きは、2009年5月。同じ「第一回おりづる」仲間の磯博夫さん、山本剛久さんと一緒でした。高校での証言活動の傍ら、折りから会期中であった、国連、NPT準備会議の勉強会で証言の場を与えられたり、ピースボートの川崎哲さんの、世界を視野に入れた、目覚しい活動も目の当たりにしました。
翌2010年5月はNPTの本会議に合わせて。そして同じ年の12月にも、節子・サーローさんと共に、三たびNYでの証言活動。
更に今年2011年5月、ロスのササモリ・シゲコさんと二人で、4度目のニューヨーク証言行脚を致しました。
ロバートの話では、既に5000人の高校生達が証言を聞いた事になるそうで、地元のオノ・ヨーコさんも多額の寄付で応援。
「証言を聞くだけでなく、アートで平和へのメッセージを伝えよう」との声が上り、今回は高校生、プロ・アーチストのアリソン・スカイそしてヒバクシャの私が加わり、コラボレーションワークをする為の会議が持たれました。企画は着実に実を結んでいるようです。
$    ピースボートのおりづるプロジェクト
高校生演劇教育の教室で

ピースボートの皆様の、暖かい協力あってのキャスリンのプロジェクト。これからも御協力を!
    ピースボートのおりづるプロジェクト
進学志望の生徒達のクラスで

    ピースボートのおりづるプロジェクト
国連職員の研修会で証言

    ピースボートのおりづるプロジェクト
キャスリン邸の玄関前で、シゲコ・ササモリさんと

田中稔子

————–

なお、このヒバクシャ・ストーリーズの12月プログラムにも、おりづるプロジェクト参加の被爆者が参加を予定しています。
その報告もお楽しみに。

(渡辺里香)

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