3.核廃絶へのいろいろな動き

被爆者から学ぶ :ニューヨークでのインタビュー 

今年の4月に教育者、作家、キャスターでもあるヘザー・ヴォクッシュがおりづるプロジェクトの水先案内人として何度も乗船されている、軍縮教育専門家のキャスリン・サリバンに核問題をテーマにインタビューしました。
3月に東日本大震災が、そして福島第一原発の事故があった今こそ、65年前の広島、長崎に投下された原爆から学んだことを現在の状況に当てはめるべきだと述べています。
インタビューの内容としては、ニューヨークの公立学校で長年教鞭をとっていたロバート・クルーンキストと共にキャスリンが取り組んでいる「ヒバクシャ・ストーリーズ(http://www.hibakushastories.org/)。このプロジェクトでは、被爆者の証言を現地の高校生が聞く機会を作りそこからアート表現を通して原爆、核問題を問うていること。第一回おりづるプロジェクト(2008年9月ー2009年1月)でインタビューした被爆者の橋爪文子さんの話や詩を紹介。第四回おりづるプロジェクト(2011年1月ー4月)の太平洋プログラムとアウシュビッツ訪問の話、そして福島原発事故が発生したときの被爆者の反応などが盛り込まれています。
印象的だったのが、彼女が作成した映画の一つ「ラスト・アトミック・ボム(The Last Atomic Bomb)」を紹介する中で、『第二次世界大戦の末期に広島と長崎に投下された原子力爆弾の直後に、厳しいプレスコードや検閲が敷かれ、アメリカ政府によって設立されたABCC(Atomic Bomb Casualty Commission :原爆傷害調査委員会)は「日米の合同調査団」という名目だったが、実態はアメリカ軍や軍医、核開発関係者による「治療は一切行うことなく、新たな核戦争に利用するためのデータを得ようとする調査」であったことなどは、この映画を見る多くの人にとって新しい知識であろう』とのキャスリンのコメント。確かに、広島・長崎の後、現在の東日本大震災の被害地への支援やボランティアのように、国際的な団体や個人が入ってきて活動していてもおかしくないのだが、実際は現地の一般の人々が当時の街や人の写真を撮影することや、情報を書き残すことも禁じられていたのです。
そしてインタビューの最後には、核兵器であろうが原子力発電であろうが核サイクルからは「目に見えない凶器」である放射能が出ること、また核サイクルの全ての段階で処理方法が確立されていない核廃棄物が排出されること、の問題点が指摘されています。

→【ウェブ】http://vimeo.com/31032783(英語のみ)

English Summary:
In the last April, Heather Wokusch, an educator, writer and public speaker, hosted Kathleen
Sullivan who is a disarmament educator and long-term Peace Boat’s supporter to hear Kathleen’s commitment to nuclear issue. It is said that the lessons we learned from Hiroshima and Nagasaki should be applied to the current issue in Fukushima.

In the interview, Kathleen introduced her own NY-based project called Hibakusha* Stories (http://www.hibakushastories.org/) which provides opportunities to high school students to hear Hibakusha’s testimony and inspire them to express themselves through art. In addition, she talked much about Peace Boat (www.peaceboat.org), Orizuru Project and even Peace Boat Emergency Relief Operation. Kathleen focused on the importance of the Pacific Project on the 4th Orizuru Voyage (Jan.-Apr. 2011) from Yokohama to Tahiti to share the the views and lessons among the global Hibakusha and the visit to Auschwitz to share experiences with the survivors of the Holocaust.
Finally, Kathleen repeats that it is such an issue that whole nuclear cycle, regardless of nuclear weapons or nuclear power plants, emits “invisible killer” radiation and nuclear waste, which nobody knows how to deal with yet, is created from every single phase of the nuclear cycle.
Heather ended the program introducing/reading one of the Hibakusha on the 1st Orizuru Voyage (Sept. 2008-Jan. 2009) Ms. Hashizume Bun’s poet.

Please take a look at the video here:
http://vimeo.com/31032783

*”Hibakusha” is survivors of atomic bombs in Hiroshima and Nagasaki.

(渡辺里香)

関連記事

  1. 【メンバー募集】被爆者の思いを世界に伝える!ピースボートおりづる…
  2. グローバルゼロ ワールドサミットに元スタッフが参加
  3. YMCA企画「ICAN事務局長・ベアトリスに聞いてみよう」
  4. ニューヨークからの報告です!
  5. ピースボート長崎宣伝部隊からの報告①
  6. 問われる被爆地・被ばく国の役割-3・11原発事故を受けて
  7. 阪口さんから ヒバクシャ・ストーリーズの報告
  8. 【イベント案内】ビキニ事件から61年、「視野の外」に置かれてきた…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP