1.ヒバクシャ証言の航海

タヒチ活動報告!フランスの核実験による被害者と交流

2月6日、タヒチのパペーテにておりづる交流プログラムを行いました。

タヒチ近郊のモルロア環礁は、フランスにより190回以上もの核実験が行われた場所です。当時その実験場で働いていた労働者たちの多くが、現在放射能の被害に苦しんでいます。しかしタヒチはフランス領であるため教育カリキュラムもフランス政府によって決められており、「核実験はタヒチの発展に必要であった」という教育がなされています。今でも核実験に反対することも補償を求めることもタブー視されています。

交流相手は、元核実験場労働者の補償問題などを扱っている現地民間団体の「モルロア・エ・タトゥ(モルロアと私たち)」です。

午前中は核被害を受けた世界各地の石がまつられている「マラエ」と呼ばれる記念碑でセレモニーと献花を行いました。
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石がまつられた「マラエ」

ヒロシマ・ナガサキの石もあります。
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ここでは、おりづる被爆者の代表として喜多村隆昭さんが千羽鶴をささげ、献花してきました。
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「モルロア・エ・タトゥ」代表のローラン・オルダムさんとともに千羽鶴をささげる喜多村さん

その後モルロア・エ・タトゥの事務所に移動し証言交流。
ピースボートからは水先案内人で在外被爆者の補償問題に携わってきた韓国人被爆者の郭貴勲さんが証言しました。
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熱心に郭さんのお話を聞く「モルロア・エ・タトゥ」のメンバー

モルロア・エ・タトゥの方々からは核実験場で働いていた時の状況や現在の状況などが話され、この交流を通して今後どのように協力していくのかという話に焦点があたりお互い活発に意見交換が行われました。
彼らは核実験場での労働による健康被害の補償をフランス政府に求めていますが、未だに認められていません。
在外被爆者の補償を裁判で勝ち取った郭さんに具体的なアドバイスを求める場面もありました。
しかし、ツアーに参加した広島の被爆者・石川律子さんは「郭さんは40年闘ったとおっしゃっていました。タヒチの方々は平均寿命も日本より短く、元労働者の半数はすでに亡くなっているそうです。40年では間に合わない、と何ともいえない気持ちになりました」と語っています。
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証言交流会に参加したおりづる被爆者らと「モルロア・エ・タトゥ」のメンバーら

手作りの伝統料理をごちそうになった後は、モルロア・エ・タトゥが核教育を行っている司教学校を訪問しました。

モルロア・エ・タトゥは学校と様々な取り組みをしてきましたが、現在積極的に教育が行われているのはこの司教学校のみです。ここでは学生に対して、広島の被爆者である松長静子さんが証言をしました。
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熱心に語りかける松長静子さん

また被爆証言だけでなく、福島の現状や学生からの質問などを受け、最後には自分たちのできることを葉っぱ型の紙に記入し、「行動の木」に貼り付けるというワークショップを行いました。
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自分の思いやできる事を「行動の木」に貼り付ける

「学生からは被爆者に対してだけでなく、ピースボートに対する質問も多くあり、自分たちに何ができるのかということをものすごく意識している印象を受けた」とツアー参加者の被爆者・小川忠義さんはコメントしました。

第5回おりづるプロジェクト初の寄港地パペーテ。時間の関係で最後までディスカッションができなかったことが残念ですが、今後につながる良い交流ツアーでした。

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(おりづるプロジェクトサポートスタッフ 坂口理香)

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コメント

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    「行動の木」いいですね~。
    この木が日本・世界にどんどん広がり核のない世界になるよう活動していきたいですね。

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