1.ヒバクシャ証言の航海

本船より、シンガポール証言会報告!

みなさま、ご無沙汰しております。現在航海中のピースボート本船より、第6回「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」の報告です。

先日、7月18日に出航した本船は現在インド洋を順調に航海中です。出航直後の慌しさもだいぶ落ち着いてきて、みなさん船内生活にも慣れてきたようです。

これから、定期的に船内企画や生活の様子、寄港地での証言会の様子など報告していきます!まずは、つい先日(7月28日)に行われたシンガポールでの証言会について報告します。

シンガポールでは、第1回証言の航海にCCとして乗船していた畠山澄子さんのコーディネートのもと、証言会とシンポジウム「次の世代に語り継ぐ」を行いました。

シンガポールは、かつて太平洋戦争中に旧日本軍が侵略し「昭南島」と呼ばれていた歴史があります。現在も、人々の心の中にはそのときの傷が残っていることも少なくありません。

そこで、証言会の前には国立博物館を訪れ、日本の加害の歴史について学びました。

    ピースボートのおりづるプロジェクト
国立博物館にて。とても大きくキレイな建物でした。

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皆さん、真剣にガイドさんの案内を聞いています。

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続いて、証言会場の国立図書館へ。町の中心部にある国立図書館の最上階にて、市内を一望できる素敵なスペースにて証言会は行われました。

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証言会場から市内が一望できました

広島で17歳のときに被爆なさった壷井進さんの黙祷の呼びかけから始まった証言会。会場全体で戦争犠牲者へ追悼の想いを捧げた上で、壷井さんからは日本の加害の歴史にもふれながら平和に対する強いメッセージを発信していただきました。

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平和へのメッセージを伝える壷井進さん

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続いて、広島で13歳のときに被爆し「原爆乙女」の1人として治療渡米した笹森恵子さんより、英語で原爆の被害について証言していただきました。

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原爆の被害の実相を証言する笹森恵子さん

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続いて、証言会のあとは現在のアジアの緊張関係を念頭に、いかに次世代へ戦争の悲惨さを伝えていくことが出来るのかをテーマにパネルディスカッションを行いました。

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パネルディスカッションのファシリテートをする
ピースボート共同代表の川崎哲

ピースボート共同代表の川崎哲によるファシリテートのもと、まず最初に発言をしたのは、おりづるユース特使として乗船している、瀬戸麻由さん。これまでの日本とシンガポールの歴史的背景にふれつつも、自身の実践もふまえながら、戦争を経験していない若い世代がいかに行動していくことが出来るのか、会場へ投げかけました。

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英語でスピーチする「おりづるユース特使」の瀬戸麻由さん

計4名のパネラーによる発言のあとに設けられた質疑応答の時間には、時間内に質問を回収しきれないほど活発に意見が飛び交いました。

中でも「実際に戦争をなくすということは本当にできるのか」という趣旨の質問に対して、壷井さんが自身の活動の実践例について説明したうえで、笹森さんが「戦争はなくならないんじゃないか、とただイスに座っているだけでは何も変わらない。だからこそ、私たちはこのように頑張って証言をしている。みんなで繋がりながら、一日でも早く実現できるように行動していきましょ」という呼びかけには、会場全体が拍手で応えました。

    ピースボートのおりづるプロジェクト

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会の最後には、ともに旅を続けているベネズエラの若き音楽家エルシステマのメンバーが平和への想いを音楽にのせて、「カノン」を演奏してくれました。

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エルシステマのメンバーと集合写真

最後は、夜のマーライオンを見学し港へ。

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マーライオンの夜景

同じアジア圏において、緊張関係にある国々とどのように関係を構築していくか。そのために、必要な視点、具体的な行動はどのようなものなのか。互いに考えを深めることの出来る、とても素晴らしい証言会となりました。証言会には、おりづるプロジェクトのサポーター「おりパ」のメンバーも7~8人来てくれました。さっそく船内では、報告会に向けて準備を進めています。

これからも、都度航海の様子を報告していきます。どうぞ、お楽しみに!

(ピースボート古賀早織)

追記
このブログで紹介しておりますシンガポールでの証言会が日本の新聞で紹介されましたことをお知らせいたします!

7月30日付 山陽新聞 「アジアの若者に被爆体験伝承を シンガポールで講演」

同日付 信濃毎日新聞 「広島の体験 世界に伝承 被爆者2人シンガポールで講演」

8月2日付 毎日新聞(広島) 「シンガポールで被爆者証言」(下記に写真)

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毎日新聞(広島) 8月2日付 「シンガポールで被爆者証言」

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