11月21日から23日まで広島市で世界の核被害者の人たちが集まる「核被害者フォーラム」が開かれました。NGOが開催したこの会議には、世界各地で核実験やウラン採掘、原発事故の被害者など、また研究者やNGO関係者が50名以上集まりました。
世界から集まった参加者
またオーストラリアで行われたイギリスの核実験(1950-60年代)で被曝した先住民・アボリジニの男性の娘カリーナ・レスターさんも参加しました。
フォーラムで話すカリーナさん
NHK広島が、カリーナさんに焦点を当てた10分弱の番組として放映しました。今年の第8回おりづるプロジェクトに参加した堀江壮さんが被爆証言する様子も出てきます!
「被爆70年 豪先住民の核実験被害者はいま」
http://www.nhk.or.jp/hiroshima/hibaku70/movie/shosai271127.html
<概要>
核実験の被害から両目の視力を失った父親の被害を訴え続ける女性、オーストラリア先住民のカリナ・レスターさん。
核実験の被害を訴え続けた父親のヤミ・レスターさんは、1985年にはオーストラリア政府に核実験の人体への影響を認めさせました。
今回、カリーナさんは74歳になった父親に代わって、アボリジニーへの核被害を訴えました。
核実験でアボリジニの人々は今でも被害と苦しみを味わっている、と言います。「核実験でアボリジニは土地を追われ、コミュニティが破壊され言語も失いました。健康被害を受け、仕事もできず貧困になり、その苦しみは今もずっと続いています」
インドのウラン採掘、チェルノブイリ事故、アメリカの核実験の被害者などの声を聞き、「核物質による被害はすべての人に関わるグローバルな問題です。」と語っています。
4歳の時に、爆心地から3kmのところで被爆した堀江壮さんから直接被爆の話しを聞くことができました。被爆者の体験を聞き、「今でも広島、長崎を中心に19万人以上の被爆者が生きており、今でも苦しみは消え去っていないことを覚えていて欲しい。どうか次世代のために戦ってください」と静かに被爆者に語られ、改めて声を上げ続けることの大切さに気づいたカリーナさん。
今回の訪日を経験して「被爆者が憎しみを持つことなく、謙虚な態度で体験を語り続ける姿はとても素晴らしい。それこそが、オーストラリアに持ち帰るべきことだと思っています。そして、オーストラリアでもアボリジニの被害の体験を集めてもっと伝えていくべきだと思いました。」と語りました。
<この他の報道>
朝日新聞 2015年11月28日
豪にも被曝の傷 半世紀前、英が核実験 先住民が来日「耳傾けて」
http://www.asahi.com/articles/DA3S12091852.html
ピースボート 渡辺里香
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