3.核廃絶へのいろいろな動き

71年目の夏~広島~

今年も暑い夏の季節がやってきました。

そして、広島に原子爆弾が投下されてから、71年目の夏を迎えました。

広島の原爆ドーム

1945年8月6日。午前8時15分。

T字型をした相生橋を目標にして1発の原子爆弾が投下されました。

少しずれた島病院の上空600mで炸裂し、

広島のあらゆる生命を一瞬にして破壊しつくしました。

そんな日から今年で71年目。

今年は5月にアメリカの現職大統領としては初めて

オバマ大統領が広島を訪問したことが話題となり、

海外からも多くの人が平和公園に集まっていました。

原爆ドームの付近で語り部をしている方も

「今年は外国からの訪問者が非常に多い」と言って

どうやって海外の人に原爆について伝えるかに

頭を悩ませていました。

出典:http://www.j-cast.com/2016/05/27268071.html

私は、8月5日に「みあげる」というイベントに参加しました。

8時15分に相生橋から空を見上げるというアクション。

目標落下地点から、実際に落下した空を見上げる。

あの場所から「死」が広がっていったって思うと、胸が痛くなります。

ここから飛行機を眺めた人もいるのかなあ。

そんなことをふと思いながら、

約10分間その空を眺めていました。

相生橋から爆心地の空を見上げる

その後には、第8回おりづるプロジェクトで

一緒に乗船した伊藤正雄さんにガイドをお願いして、

平和公園をガイドしてもらいました。

そこにある原爆遺構の説明をただするのではなく

何故これがあるのか、誰が作ったのか、

どういう想いがあるか、など丁寧にひとつひとつ説明してくださり、

今まで知らなかった背景の物語を知ることができ、

さらに広島の原爆投下について学べたと思います。

夏の広島で元気な伊藤さんに再会できて

なによりも嬉しかったです。

私と伊藤さん

今年の広島の式典には本当に多くの人が参加していました。

さきほども触れたのですが、

オバマ大統領の訪問効果があってか、例年以上に

海外からの参加者も多くみられました。

2016年広島平和式典

広島の式典でいつも思うのは

「外に目をむけている」ということ。

広島から世界へ平和を発信しようという思いを強く感じます。

そのため大規模で、メディアの数も多く、

広島の人より県外からの参加者のほうが多いのではないかと思うほど。

原爆ドーム付近で抗議行動をやっていた人を含めて、

どこからどこまでが地の人なのかわかりませんでした。

そして、今年の松井市長の平和宣言は

なんだか広島らしくはないと思いました。

これはいい意味でそう思ったのです。

核兵器のことを「絶対悪」と強調し、

オバマ大統領が訪問した際に言った安倍総理の言葉を指摘し、

それを守るように政府に訴えかけていました。

例年に増して強い口調での平和宣言の背景には

オバマ大統領訪問があるのかもしれません。

一方で安倍さんはいつも通り。

もう何年も式典での話を聞いていますが、本当に口先だけです。

なんのためにこの日に広島に来て、

なんのためにあの大切な場所で発言をするのでしょうか。

彼の言葉で傷つく人がいるのなら、

もうあの会場で発言をしなくてもいいのではないかとすら思いました。

そして6日の夜は沖縄でも行った若者会議を広島で行いました。

広島、長崎、沖縄を中心に集まったメンバーで

ざっくりゆるーく平和に関して話す場所。

こういう場所は、わたしのような学生にとっては

とても貴重な場所であり、重要な場所だと思います。

それぞれバックグラウンドが異なる中で、

同じ体験でも感じ方が全く異なります。

その時間を共有できることで、

広島で経験した言葉にならない想いが

言葉になる瞬間があります。

それが¥できるとできないとでは、大きく差があると思っていて、

だからこそ、その日に本音で話せる仲間がいることに感謝しています。

広島、長崎、沖縄の学生と若者会議

あの日から71年が経過しました。

この期間は早かったのか、遅かったのか、

感じ方は人によって異なると思いますが、

現状はあまり変わっていません。

核兵器は依然として存在し、被爆者の方々は心を痛めています。

少しでもはやく、被爆者の方々が安心して暮らせる社会を

わたしたちで創っていかなければいけないと改めて強く思いました。

ピースボートインターン 鈴木慧南

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