第1回~第10回おりづるプロジェクト

ギリシャ〜市民が国政に訴える〜

読者の皆さん、こんにちは。おりづるユースの寒川です。

先日、ギリシャのピレウスに寄港し、活動を行ってきたので、

その時の報告をさせてもらいます。

まずギリシャという国は核兵器の廃絶に消極的であると言われています。その理由は様々ありますが、最も大きな要因はNATOに加盟していることです。ギリシャが加盟しているNATOはアメリカと同盟関係にあります。NATOは核大国であるアメリカの核の傘の中にいるため、現在のギリシャの外交方針では安全保障上、核兵器の廃絶にあまり積極的になれないと考えられます。

そんなギリシャですが、今回私たちは政府の要人達と会う機会を得ることができました。まず、最初に向かった先が外務省です。外務省ではギリシャ政府のディミトリス・マルダス外務副大臣と面会を実施しました。そこではまず、マルダス副大臣よりご挨拶をいただき、被爆を忘れてはいけなく、平和な世界を作ることの必要性についてのお言葉をいただきました。

外務省で面会の様子

その後、被爆者を代表して長崎で被爆をされた深堀讓治さんのスピーチがありました。深堀さんはおりづるプロジェクトの活動の紹介に続いて、ご家族を亡くされたご自身の被爆体験を交えながら普通の兵器や戦争とは異なる核兵器の脅威について、訴えるような強い眼差しで力強く語っていられました。

深堀さんのスピーチ

その他にも、今回の受け入れ団体である核問題や平和構築に関するセミナーやデモ、音楽イベントを企画しているPADOPのパノス氏とノーベル平和賞を受賞したインターナショナル・ピース・ピューローのアーチャー氏から活動の意義や平和への想いについてのご挨拶がありました。一通り挨拶が終了すると、おりづるプロジェクトメンバーが一人ずつ自己紹介をさせていただきました。一人当たりの時間はとても短いものではありましたが、一人ずつ異なる被爆体験や継承への想いを端的に伝えました。私も最後に自己紹介をさせていただきましたが、副大臣の前ということもあり、とても緊張したことを鮮明に記憶しています。

自己紹介の様子

最後には日本側から用意したお土産などを手渡し、関係者との交流をしました。

日本から手ぬぐいなどのお土産

その後、バスにて移動し、観光地であるアクロポリス近くにあるカフェで昼食をとりました。ギリシャのとても有名な建造物であるパルテノン神殿を眺めることができ、束の間ではありましたが、非常にリラックスしたひと時を過ごすことができました。

昼食後、私たちはギリシャの国会を訪れました。報道陣が私たちを出迎え、注目度の高さを感じました。国会では国会議員を対象に証言会を行いました。会のはじめに、国会の副議長より歓迎のご挨拶をいただき、その後はピースボートスタッフによるおりづるプロジェクトの紹介、受け入れ団体のパノス氏、アーチャー氏の挨拶と続きました。

ギリシャの国会にて

そして、おりづるプロジェクトを代表して森川高明さんに30分程度のスピーチをしていただきました。森川さんは6歳の頃、広島で被爆をしました。その当時の自身やご家族の体験談に始まり、世界の核政策事情や、最後には日本とギリシャの関係性についてお話いただきました。ギリシャの国会議員の方々も被爆者の話を直接聞くのは初めてだったようで、非常に強い関心の眼差しを森川さんに向けていられました。

証言をしている森川さん

森川さんの証言を聞いている参加者の人たち

今回の会にはギリシャ国会の全政党から議員が出席しており、森川さんのスピーチが終わると、デモクラティア党や共産党、ゴールデンドーン党など各党の代表者による討議が行われ、ギリシャ、そして世界の核政策について激しい議論が巻き起こりました。

主張がぶつかるため、口論になる場面も度々見受けられ、白熱した生の政治を肌で体験することができました。討議終了後、国会の内部を見学し、私たちは議会を後にしました。

討議終了後の全体写真

国会での活動終了後、私たちは現地市民団体であるプラトンアカデミーと交流を行いました。彼女らは異国から来た私たちを快く受け入れてくれ、平和の象徴であるオリーブの枝を、メンバー一人ずつにプレゼントしていただきました。

子供たちと触れ合う被爆者の方々

また、交流だけでなく、プラトンについて展示をした博物館も訪れました。そこで偉大な哲学者であるプラトンについて学ぶことで、哲学発祥の地ギリシャで、ほんの少しではありますが知の泉に触れることができたような気がします。

また、夜には平和を祈るピースコンサートがピレウス港で開催されました。その中ではピースボートから獅子舞やエイサーの出し物をし、ギリシャからはミュージシャンによる演奏が行われました。

ピースコンサートでの太鼓

また、被爆者の深堀俊子さんには、来場者に向けてご自身の被爆体験と平和への願いを込めた挨拶をしていただき、会場は拍手の渦に包まれました。

深堀さんの挨拶

今回訪れたギリシャでは国政関係者に対して活動を多く実施することができました。そこで、感じたことは市民外交の大切です。外交は決して政府の外交官がやるだけのものではありません。私たちは今回、市民社会の代表としてギリシャの政治機関を訪れました。

私たち市民も様々な活動を展開することで、政治に、国際社会に影響力を持つことができるはずです。私たちおりづるプロジェクトの活動が少しでも、政府を、政治を、世界を動かす原動力となるよう、今後も私たちが出来る限りの市民外交を実施していきたいと思います。

外務省前での集合写真

文/おりづるユース寒川友貴 編集/ピースボートインターン鈴木慧南

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