第1回~第10回おりづるプロジェクト

ニューヨーク第二弾~NYに被爆者の声を~

こんにちは。ピースボートインターンの鈴木です。

今回は前回に引き続きニューヨークでのレポート第二弾です。

実際に証言会に参加したユースがレポートをまとめてくれました。

おりづるユースの寒川です。ヨーロッパを抜け、私たちはいよいよアメリカの中心地、ニューヨークに寄港しました。今回はおりづるプロジェクトが活動を行う寄港地の中でも特に重要である、ニューヨークでの二日間の活動を報告します。

一日目、私たちは国際連合本部を訪れました。私たちがこのタイミングで国連を訪れたことには非常に大きな意義があると考えられます。10月3日より国連では、軍縮や安全保障問題を扱う国連総会第一委員会が行われています。そこでは、核兵器禁止条約の交渉を2017年に始めるよう勧告した国連作業部会の報告書をめぐる議論が進められており、核兵器禁止条約の実現に向けて、重要な話し合いが持たれています。そのような時期に、私たちおりづるプロジェクトは国連内にて、国連関係者やメディアを対象としたサイドイベントを実施しました。

国連本部前

このイベントでは、マーシャル諸島国連大使、軍縮教育家、1910年にノーベル平和賞を受賞した国際平和ビューロー元会長、おりづるプロジェクトの被爆者など様々な立場の方が「軍縮における被爆者と若者の役割」をテーマに意見を述べられました。

まず、マーシャル諸島国連大使であるアマタライン・E・カブア氏から開会の言葉がありました。その要旨は次のとおりです。マーシャル諸島はアメリカに核兵器実験をされた国です。この核実験はマーシャル諸島を汚染し、人間に強い影響を与えました。そのため、マーシャル諸島政府はこれまで軍縮を続けるように国際社会に訴えてきました。核廃絶には世界の協力が必要です。マーシャル諸島はその実現のために、核実験の怖さをこれから世界中に伝えます。

次に国際平和ビューロー元会長のコーラ・ワイス氏より平和・軍縮教育の役割と重要性についての発言がありました。その内容は次のようなものです。どのような世界の問題を解決するにも若者の力が必要です。重要な決議が行われる際には、若者も参加できるようにするべきです。核廃絶キャンペーンは教育から始めるべきです。学校で軍縮のことを教えるなどの取り組みが必要であり、教育がなければ核を世界から減らすことはできません。平和な世界を実現するには、平和教育が必要です。教育をしなければ、正義と平和な世界は実現できません。

続いて、軍縮教育家であるキャスリン・サリバン氏より、軍縮教育についてのコメントがありました。その中では、次のようなことを述べられました。現在、世界の教育は平和教育ではなく不平和教育になっています。これを平和教育にしなければいけません。私は学校の授業で被爆者のストーリーを伝える活動をしています。私自身被爆者の話を聞いて、伝えていかなければならないと思い、特に核保有国に話をしていかなければいけません。私たちの愛する世界が核兵器によって無くなってしまう可能性があります。このような話の後、BB弾を用いて、世界にはどれだけ莫大な量の核兵器が存在しているかを説明されました。

その後、おりづるプロジェクトを代表して森川高明さんより、被爆体験と核廃絶の必要性についてのスピーチをしていただきました。森川さんは6歳の頃、広島で黒い雨による被曝を経験しています。この経験を踏まえて、当時のご自身の体験や父親や母親の被爆体験をお話しされ、最後に次のようなことを話されました。核兵器は一発でも多すぎます。核兵器廃絶に向けた世論を世界で高めていく必要があります。戦争の主体は国家です。国家が平和を脅かしています。国家の安全保障よりも人間の安全保障を優先するように、世界の国々の人たちとしていく必要があります。

森川さんの証言

この国連でのイベントを通して、私は様々な立場の人の核兵器廃止への想いを知ることができました。唯一の戦争被爆国である、日本の被爆者の証言は核なき世界の実現に向けて非常に大切です。ですが、核兵器禁止条約を作るためには、それだけではなく様々な国の様々なポジションの人々の協力が必要不可欠です。被爆者だけではなく、世界中で核兵器の廃絶に向けて活動している、同志に出会うことができ、とても心強い気持ちになりました。

国連での活動後は、ニューヨーク観光を楽しみ、帰船後には現地のアメリカ人を招待した船内イベントに参加しました。このイベントでは、国連副事務総長を始め、様々な方がお話をされ、おりづるプロジェクトとしても代表として広島で被爆された坂下紀子さんが挨拶と平和へのメッセージを述べられました。坂下さんは、本当の抑止力は核ではなく、被爆証言です。私が生きている間に核なき世界を実現したいと力強くお話されました。この言葉は森川さんが国連でお話されていた国家の安全保障よりも人間の安全保障を優先すべきという話にも通ずるものがあると感じました。

二日目は二カ所で被爆者の方による証言を行いました。最初に訪れたのは、国連インターナショナルスクールです。国連インターナショナルスクールでは、国連職員の子どもを中心に125カ国から1000名を超える生徒が集まり、学んでいます。私たちが訪れた日は、国連憲章発効を祝う国連デーイベントが行われており、高等部の生徒を対象にアメリカ国連代表、非営利団体の代表、ブロードウェイで活躍する劇のディレクターによる講演が実施されていました。そのイベントの中で、おりづるプロジェクトを代表して、長崎で14歳の頃に被爆された深堀讓治さんが被爆証言を行いました。被爆した当時の状況を鮮明に示した証言は、多国籍な子どもたちの視線を見事に集めていました。

< p dir=”ltr”>インターナショナルスクールにて深堀さんの証言

また、短い時間ではありましたが、日本語を学んでいる生徒たちと交流をすることができました。

国連インターナショナルスクールでの活動で私が感じたことは多様性です。この学校では、国籍、人種が全く異なる生徒たちが共生しています。この環境は私たちが暮らしている地球の縮図でもあると思います。そのため、このような様々なバックグラウンドを持った世界の若者たちへ、核なき平和な世界へのメッセージを伝えられたことは大変大きな意義があるのではないかと思います。

国連インターナショナルスクールでの活動後は、ニューヨークのブルックリンという街にあるナショナルソウダストという劇場でのイベントに参加しました。ナショナルソウダストは芸術を切り口として、様々な社会の問題に取り組むアーティストを応援しており、今回のイベントは地元の高校生を対象に「被爆・核」をテーマとして実施されました。イベント内では、クラリネット・バイオリン・ピアノのトリオによる演奏、日本の丸木美術館の「原爆の図」をテーマにしたショートムービーの上映、被爆体験をテーマとした舞踊が披露されました。そして、おりづるプロジェクトからも代表者二名の方が発言をしました。まずは、広島で被爆体験伝承者として活動をしており、おりづるプロジェクトには継承者として参加している橘光生さんが生徒たちに、原爆や核兵器の基礎知識についてわかりやすい解説をしてもらいました。

劇場にて橘さんのお話

それに続くような形で、長崎で被爆をされた深堀俊子さんが証言をされ、戦争は勝者にも敗者にも不幸をもたらします。世界の指導者が人類を滅ぼすこの兵器を絶対に使わないように、諦めずに、頑張ってほしいとお話しされました。

深堀さんの証言

会場の高校生からは「アメリカが投下した原爆によって罪のない大勢の人々の命が奪われたのに、わざわざここにきて体験を語ってくれたことに感謝しています」、「アメリカでは原爆は悲しい物語としては教えられていませんが、その被害がいかに悲惨なのかを知って原爆投下は正当化すべきでないと感じました」などの感想が出ました。

そして、ニューヨークを出港する際の出港式では、核兵器バイバイアクションということで、船内の参加者みんなで核兵器の廃止を目指して、ニューヨークに向けてと核兵器に向けて、バイバイのアクションをしました。

核兵器バイバイアクション

今回のニューヨークでの活動は、核保有国であるアメリカで活動を実施したこと、国連という特別な場所で活動したこと自体にとても大きな意義があると考えます。そのため、おりづるプロジェクトとしても、核兵器保有国での活動を今後とも引き続き継続していくことが、核なき平和な世界の実現に貢献できるのではないかと思います。

核兵器廃絶へ向けてのアピール

文/おりづるユース 寒川友貴

編集/ピースボートインターン 鈴木慧南

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