第1回~第10回おりづるプロジェクト

おりづる船内企画集!

こんにちは。おりづるユースの寒川です。航海も全体の3分の2を過ぎ、いよいよ活動もラストスパートへと向かっています。普段は私たちの寄港地での活動を主に伝えていますが、今回はギリシャのピレウス〜アメリカのニューヨークまでの船内での活動について報告させてもらいます。

おりづるプロジェクトの活動の中心は、被爆者の方の体験を語り継ぐ証言会です。実はこの証言会は寄港地のみではなく、船内でも実施しています。この期間では、「深堀讓治、ナガサキを語る」というタイトルで、14歳の頃長崎で被爆した深堀讓治さんの証言会を行いました。この証言会では、讓治さんが話したいこと、伝えたいことを全て語ることをテーマとしておりました。そのため、企画は1時間半以上にも渡る長い時間だったにも関わらず、席を立つ人はほとんどいなく、老若男女問わず様々な人たちが真剣な眼差しで話を聞いていました。

証言会を行っている深堀さん

レイキャビク〜ニューヨーク間ではおりづるプロジェクトに関係の深い水先案内人として、クリフトン・トルーマン・ダニエルさんが乗船されていました。彼は広島・長崎への原爆投下を指示したトルーマン大統領の孫にあたります。そんな彼が行った講座である「トルーマン大統領の孫がヒロシマを訪れたわけ」の中で、おりづるプロジェクトの被爆者である深堀俊子さんと被爆二世である東野真里子さんが講座に関してコメントをしました。お二人はクリフトンさんがトルーマン大統領の孫という立場にも関わらず、核なき世界に向けて活動をしていることに対してとても敬意を表され、ご自身の平和への思いをお話しされました。

クリフトン・トルーマン・ダニエルさん

ヨーロッパでの怒涛の寄港地ラッシュを終えた後には、ヨーロッパでの寄港地の活動報告会を行いました。「おりづる寄港地報告会」と題して、ユースがインド、ギリシャ、イギリス、ベルギー、オランダでの活動をパワーポイントで説明しました。そして、おりづるメンバーの方々に活動についてのコメントをいただき、会場の方から質疑応答をいただきました。なかなか目には見えにくい、寄港地での活動を船内の人に伝えるよい機会になりました。

寄港地報告会

航海も半分を過ぎた頃には、「SOS!おりづるの未来」という企画を実施しました。この企画では、私たちおりづるユースが参加者を募り、参加者の皆さんとおりづるプロジェクトの未来についてともに考えました。私たちだけでは思いつかないような、様々な斬新なアイディアをもらうことができ、今後の企画を作る上で非常に参考になりました。

参加者との意見交換

これらのような単発企画のみではなく、おりづるプロジェクトでは様々な連続企画を実施してきました。

おりづるプロジェクトには、広島市の被爆体験伝承者であり、継承者として乗船している橘光生さんという方がいます。彼は船内でウータンと呼ばれており、「ウータンのチョイまじトーク」という企画を日々行っています。この企画では、彼の豊富な知識を活かし、広島、長崎での原爆について、核兵器について解説をしています。この講座は毎回大盛況で、年配の方を中心に様々な層の方が多数聞きにいらしています。この企画の特徴は会場の方からの質疑応答の時間が非常に長いことです。多い時では、半分以上の時間を質疑応答に割き、会場の方と積極的なやりとりをされています。私自身も、ウータンの圧倒的な知識量とわかりやすい話し方、そしていつまでも学習をやめない意欲にはいつも感心させられており、同じプロジェクトメンバーとして日々刺激をもらっています。

私も、ウータンには知識も経験もまだまだ劣りますが、若者を対象に様々な企画を実施してきました。「サムのわくわくNEWS」という企画では、日本や世界で起きているニュースを私なりの視点で解説しました。船内では、インターネットは有料であり、新聞もかなり遅れて入ってくるため、最新の情報がなかなかまとまって手に入りません。そのため、新聞を読み、まとめることで少しでも社会のことをわかりやすく知ってもらおうと、小ネタや私の経験を織り交ぜるなど努力しました。

サムのわくわくニュースにて

また、おりづるユース二人で「おりづるユースの1から講座」という企画を2回実施しました。この企画は、先ほどご紹介した「SOS!おりづるの未来」という企画で参加者の方からの提案を実現したものです。おりづるプロジェクトが行っている企画で使われている用語は、正直普通の若者からすると難しかったり、意味がよくわからなかったりすることが多いです。しかし、今更それを聞くこともできないという声を聞き、おりづるプロジェクトが扱っている原爆や核兵器について若者が1から知ることができる講座を実施しました。この企画のターゲットは若者ということで、時間帯を夜遅い時間にするなど様々な工夫をし、普段あまり来ないような人も来てくれました。そして、序盤に比べると人数も徐々に増えていき、少しずつではありますが若者の間におりづるプロジェクトの輪が広がってきているなと感じました。

その他にも、おりづるプロジェクトメンバーの紹介企画も定期的に実施しています。これは「おりづるいろいろ」というようなタイトルでこれまでに5回行っています。当たり前ではありますが、おりづるプロジェクトメンバーは一人一人、これまで全く異なる人生を歩んできました。その人生は原爆や核兵器といったキーワードのみで語れるわけでは決してありません。そのため、おりづるメンバーそれぞれの人生を対談形式で紐解き、少しでも人柄や人間的魅力を知ってもらうことで、おりづるプロジェクトに対してより親しみを持ってもらおうということで企画しています。私もこの企画を通して、おりづるメンバーの新たな一面を発見することができ、一緒に企画を作り上げていく中でより深い関係性になれたような気がします。

おりづるいろいろの企画にて

通常の企画のみならず、私たちは映像という媒体を用いて、被爆を伝えようと活動しています。それが「おりづる上映会」です。おりづる上映会では、おりづるプロジェクトに関連がある広島や長崎、原爆や核兵器に関連する映画やドキュメンタリーを上映します。ピレウス〜ニューヨーク間では、おりづる上映会として二つの作品を上映しました。

一つ目の作品は「夕凪の街、桜の国」です。この作品は、結婚による差別など被爆二世、被爆三世の苦悩と原爆の恐ろしさを伝えており、親子愛、兄弟愛、男女愛、家族愛など様々な愛の大切さを感じることができます。そして、この映画は日本アカデミー賞を過去に受賞するなど映画としてのレベルも非常に高く、ストーリーとしても、とても楽しむことができました。

二つ目の作品は「HIBAKUSHA」です。この作品は、ピースボートのプログラムである特別地球大学の学生としてニューヨークまで乗船していたアリさんが作成したドキュメンタリーです。アリさんは特殊なバックグラウンドを持っています。彼の祖父は広島と長崎に原爆を落とした飛行機の機関士でした。そのような背景を持ちながらも、彼はアメリカなどで広島や長崎での出来事を伝える活動をしています。そんな彼のドキュメンタリーは、広島・長崎・福島の三ヶ所で放射線による被害にあった人々に焦点が当てられています。映像のほとんどがインタビューで占められており、放射線被害者の生の声を数多く知ることができました。このドキュメンタリーを鑑賞したのちに、私とアリさんと地球大学の学生でトークセッションを実施しました。トークでは、日本人的な考え方とアメリカ人的な考え方がぶつかることもありましたが、お互いを尊重した建設的な意見交換ができたと思います。そして何より、私が感じたことはアリさんという特殊なバックグラウンドを持った人が原爆や核兵器のことについて関心を持ち、活動をしているということ自体にとても大きな意味があるということです。

交流系の企画としては、「おりづる折ろう!」という企画を定期的に実施しました。これは、おりづるプロジェクトメンバーと参加者の方が一緒に折り鶴を折るというとてもシンプルな企画です。その作業の中で、話をしたり、鶴の折り方を教えたりと様々な交流が行われています。最初は人数が少なかったですが、口コミで評判が広がり、今ではたくさんの方が平和への祈りを込めて折り鶴を折ってくれるようになりました。ここで折った折り鶴は後日、つなぎ合わせ、おりづるアートを作ろうと現在計画しておりますので、乞うご期待ください。

おりづるを折って交流

船内企画以外では、ポスター展を実施しました。国連からお貸しいただいた「国連平和ポスター」、原爆の被害を表した「原爆と人間」、第五福竜丸での出来事を描いた「第五福竜丸」をそれぞれ、期間を決めて船内にて展示しました。ポスターは視覚的に訴えることができるので、普段なかなかおりづるの企画に来ないような人たちも足を止めて鑑賞している様子が伺えました。

第五福竜丸ポスター展

 このように、私たちおりづるプロジェクトは寄港地のみならず、船内でも日々様々な企画を実施しています。船もアメリカ大陸に入り、いよいよ航海も終番です。おりづるプロジェクトも船内でさらに多くの参加者に、原爆の被害を語り継ぎ、核なき平和な世界を少しでも早く実現することができるよう、今後もより一層努力して参りたいと思います。

文/おりづるユース 寒川友貴 編集/ピースボートインターン 鈴木慧南

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