1.ヒバクシャ証言の航海

船内企画まとめーNY〜帰国に向けてー

こんにちは。

おりづるプロジェクトユースの山崎御園です。

地球一周の船旅が終わってから、早くも1ヶ月が経とうとしています。

3ヶ月間、日本にいなかった空白の時間は意外と大きく、いろいろなことに追われています。

また、私たちは92回のクルーズの乗船したのですが、早くも93回のクルーズがスタートしたとのことで、本当に終わってしまったんだなあと実感してきました。

さて今更ではありますが、ニューヨークから横浜までの船内企画の様子をお知らせさせていただきたいと思います。

ニューヨーク以降は南米の寄港地ラッシュが続いたのですが、忙しい中でもラストスパートということでたくさんの企画を組んでいました。

時間を遡りまずは、ニューヨークの翌々日に、田河豊子さんによるYMCAの方に向けた証言会を行いました。質疑応答も行われとても濃密な時間でした。

ナッソーの翌日には、「劇団おりづる公演」を行いました。

劇団おりづるでは、私山崎が座長という立場を務めさせていただき、たくさんのことを学ばせてもらいました。

船内で演劇をしてみたい人を集めて、原爆や戦争についての説明、私が伝えたい想いを聞いていただき、それを踏まえて協力してくれる方に劇団員になっていただきました。

10代から70代の老若男女総勢20名の一般乗船者の方々が協力してくださり、一週間という短い稽古期間でしたが歌や演奏、映写を取り入れた盛りだくさんな朗読劇が仕上がりました。

お客様からの評判もとても良く、様々な年代の方々から、「原爆の恐ろしさについてよくわかった」、「戦争は繰り返してはいけないと強く思った」などの感想をいただきました。

出演者側でも観客側でもたくさんの人を巻き込み、全員で平和について考えることができたと思います。

劇団おりづる公演の様子

また、ニューヨーク前に引き続き、「おりづるいろいろ」も企画しました。

この企画は、おりづるメンバーの方々一人一人を知ってもらうことを目的としています。

深堀ご夫妻にはお二人で出演していただくなど、普段見ることのできないお顔も見ることができました。

深堀ご夫婦

また、ユースの寒川友貴くんによる「サムのわくわく政治講座」も引き続きシリーズものとしてたくさん企画されました。

「知らなきゃ恥ずかしい?!選挙のキホン」、「これでいいのか?!ニッポンの若者」、「知っておこう!!ニュースのキホン」、「サムのわくわく政治講座 番外編」、「政治家選びのススメ」、「はじめてのセンキョ」、「ドナルド・トランプって誰??」など、まるでテレビ番組のような企画名で行われました。

このような題名から惹きつけられたのか、会場には以前より多くの若者が見られました。

私も講座を聞きに行ったのですが、学校の先生顔負けのわかり易い説明で、非常に多くのことを知ることができました。

企画を行う寒川くん

最後の回では、寒川くんの同部屋のメンバー三人をゲストに迎え入れてトークを行うなど、普段とは違った寒川くんを見ることができました。

寒川くんと同室のメンバーたち

寒川くんの頑張りに感銘や刺激を受けたり、わかり易い講座に惹きつけられておりづるに協力してくれた方々もたくさんいらっしゃいます。

また、ニューヨークでの私たちの活動はハイライトであり、船内の方々にもしっかりお伝えしたかったため、ニューヨークでの活動を大きく取り扱う報告会を「おりづる報告会『その時、国連は揺れたか…』」という題で行いました。

レイキャビク、ハバナ、ニューヨークの活動報告とともに、橘光生さんによる詳しい核兵器禁止条約の説明、メンバーからのコメントなど、盛りだくさんに盛り込みました。

おりづる報告会『その時、国連は揺れたか…』

最後の「おりづる報告会〜太平洋編〜」では、メキシコ、ハワイでの活動報告を行いました。2カ国の報告会だったので30分と短くまとめ、足を運びやすくなる工夫をしました。

おりづる報告会〜太平洋編〜

また、もっともっとたくさんの若者に原爆について知ってもらいたいと思い、橘光生さんによる協力をもとに、若者限定のゼミを開くことになりました。

「〜ゼロからイチへ〜 ウータンの若者講座、開講します!」という題で開講式を行い、自己紹介などを済ませました。

ウータンの若者講座

「ウータンの若者講座 知っておこう!原爆について」と名付けたゼミは、1日に2コマを3日間行いました。昼の部は、ひたすら橘さんによる講座を行っていただき、

夜の部はみんなで円になり、橘さんに質問をしたり意見交換などを行いました。

橘さんは残念ながら、メキシコで下船されたため、「その時、歴史は動いた〜おりづるゼミ開講式〜」と言う名をつけて、ユースでゼミを引き継ぎ、6回行いました。

ゼミでは、映画上映をしてからディスカッションをしたり、被爆者の方々の協力をもとに証言会や戦争時代のお話をしてもらい、それについての意見交換をしたり、

ユースの寒川くんが核兵器についての勉強会を行ったりしました。

ゼミの様子

また、「聞いておこう、戦時中のコト。」という題で、深堀讓治さんによる戦争時代の学校や食べ物、生活のことなどをお話ししていただく会を二回行いました。

畳の会場でのお話会は小規模でしたが、本当に近所のおじいさんのお話を聞いているようで、よく頭に入ってきました。

聞いておこう、戦時中のコト。

おりづる上映会も引き続き行い、「黒い雨」、横浜に着く前日には、森川高明さんによる、English Speaker向けおりづる上映会を行いディスカッションも行いました。

また、おりづるプロジェクトの集大成として「ピースデー」というイベントを丸一日開催しました。「〜過去から学び、現在を考え、未来へ繋げる〜」というテーマで行いました。

「Peace Beyond Borders」と題したおりづる最終報告会では、寄港地・船内でのそれぞれの活動風景のムービーを流したり、一人一人が地球一周を通しての成果、感想などをスピーチしました。

おりづる最終報告会

また、ピースギャラリーでは様々な資料の展示、上映、おりづるアートの作成を行いました。

おりづるパートナーによる日本各地での戦争体験談をまとめたものに加え、国連平和ポスター、第五福竜丸などの資料ポスターなど様々な展示を行いました。

そしておりづるアートですが、ニューヨーク以降も「おりづる折ろう」を企画して、交流を目的にたくさんの方々が平和への想いを込めておりづるを折ってくれていました。そのおりづるを使い、アートの展示も行いました。

またこのアートはおりづるパートナーの1人がデザインをしてくれて、そのイラストに沿ってイベント会場に立ち寄った一人一人がつるを貼り付けて、アートをもうひとつ作成しました。

おりづるアート

また、「おりづるゼミ生講座 若者から若者へ」では、3人のおりづるゼミ生が代表し、ゼミの学習発表を行いました。

非常にわかりやすく噛み砕かれた内容で、またゼミ等を通して彼女らが何を学んだのかがわかる、素晴らしい内容でした。

そして、夜には「ピースナイト 〜芸術を通して、想像してみよう〜」という、イベントを行いました。

おりづる合唱団が今まで練習してきた合唱や、兵士の物語を演劇にして、戦争の残酷さについて考えてもらったり、他にも、平和について歌ったバンドなど、たくさんの芸術を通して平和について表現しました。

ピースナイト

また、おりづるとしての活動以外でも、ピースデー実行委員の方がワークショップを行ったり、それぞれの部屋では「はだしのゲン」を視聴できるようにするなど、船内のどこにいても平和を考えさせられる1日となりました。

このように、たくさんの人の協力をもとに、たくさんの企画を打つことができました。

船の中での有限の資源、限られた時間のなかで物事を作り上げていくのは本当に大変でしたが、とてもやりがいがあり、即戦力や行動力がついた気がします。

おりづるメンバー、おりづるパートナーはもちろん、一般乗船の方たち一人一人の協力のおかげで、このプロジェクトは成功したように思います。

本当に有難うございました!!

文/おりづるユース 山崎御園 編集/ピースボートインターン 鈴木慧南

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