第10回 ヒバクシャ地球一周 証言の航海

300人に向けて証言!@シンガポール

こんにちは。
ピースボートインターンの鈴木慧南です。

今回は第10回おりづるプロジェクトの、初の証言プログラムのある寄港地、シンガポールでの様子をお伝えします。

まずは、戦時中に日本がシンガポールを占領していた時代に犠牲になった人々を祀ってある血債の塔に行く予定でしたが、強風と雷雨のためなかなか下船することができないというハプニングからスタートしました。

下船後は二手に分かれ、1つのグループは雨の中、血債の塔へ行きました。車窓からの見学になりましたが、塔の4本の柱がシンガポールの人種の多さを意味していることや、シンガポールの全市民のための慰霊碑であるとガイドさんからの説明を聞いた後に、シンガポール国立博物館を見学しました。
ほぼ毎回お世話になっているこの博物館では、特別に日本語ガイドさんに案内していただき、近現代の歴史を中心に、日本が戦時中にシンガポールにどのようなことを行っていたのかという、加害の側面について学びました。
被爆者の方々は原爆の被害者ではありますが、日本が悲惨なことをした事実に、涙を流しながら聞いていたのが印象的です。


博物館で解説を聞くメンバーたち

もう1つのグループは「United World College of South East Asia」にて、10歳から12歳を中心に集まった200名ほどの学生を前に、広島で被爆した田中稔子さんが証言を行いました。
この学校はインターナショナルスクールで、70ヶ国以上の国籍を持った子どもたちがともに学んでおり、「教育を平和への力へ」をモットーにしている、先生たちもとても熱心な教育施設です。

最初にユースの鈴木が、原爆とはなにかの導入を英語で行い、その後稔子さんの証言を聞いてもらいました。
多くの子どもたちが、稔子さんから目を離さずに食い入るように話を聞いており、質疑応答の時間にはたくさんの質問が飛び交い、答えきれないほどでした。
中には「原爆を落とされた場所にアメリカ兵の捕虜がいたと聞きましたが、日本兵はその人たちにひどい行為をしたんですか?」など、鋭い質問もありました。

会の終了後には、稔子さんに「ありがとう」を伝えるために子どもたちが握手待ちの列を作っていました。その中の10歳の女の子が「ありがとう」と言って稔子さんを抱きしめており、彼女にとってこの時間が、彼女の人生においてかけがえのないものになったのだと実感しました。


笑顔で迎えてくれた子どもたち

その後、2つのグループは合流してシンガポール国立大学・リークワンユー公共政策大学院でのランチセッションを行いました。
ここでは広島で被爆した土田和美さんが証言し、シンガポール国立博物館で学んだことなども踏まえながら、次のシンガポールを担う学生たちにお話をしました。
ここでは原爆の経験を踏まえて、現在の日本に対する問いが多くみられました。
会の終わりに土田さんに話しかけてくれた男の子が、実はピースボートに乗船したことがあるようで、懐かしい船の話などをしていました。


学生たちに語る土田さん

最後にラッフルズ学院にて、14歳から16歳の男子学生50人に、長崎で被爆した三瀬清一朗さんが証言会を行いました。
学生のみなさんは熱心にメモを取り、三瀬さんの言葉を真剣に聞いていました。
三瀬さんは持ち前のフレンドリーさを生かして、簡単な英語を使いながら学生たちに質問を投げかけつつ、話をしていました。


質問を投げかける三瀬さん

その後おりづるの少女の佐々木禎子さんのお話をし、おりづるを折るアクティビティーをみんなで行いました。
紙を折って何かを作る文化が日本独自のものなので、作るのには苦戦していましたが、言語を超えた交流ができたと思います。
軽食を挟んでから小グループでディスカッションを行い、被爆証言を初めて聞いた感想や、原爆や核について聞きたいことなどをそれぞれ話をし、終わりました。


おりづるを折って交流

天候が急変し、午後には日が照りシンガポールらしい暑さとなる中、1日に3回証言会を行うというとてもハードなスケジュールとなりましたが、みなさん「伝わった」という実感があり、初めての寄港地が成功したことに喜んでいました。
言語が異なる中で「被爆証言が伝わる」ということは、その想いをくみ取って翻訳してくださる方々がいたということであり、チーム一丸となって初めての寄港地を終えられたと思っています。


マーライオンの前で

滑り出しはとっても順調です。
次の寄港地や船内企画に向けて、さらに団結してがんばっていきます

ピースボートインターン 鈴木慧南

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