第10回 ヒバクシャ地球一周 証言の航海

市民から中央政府へ@スペイン

みなさんこんにちは。
ピースボートインターンの鈴木慧南です。

5月15日(月)、スペインのバレンシアに寄港し、証言会を行いました。
そのときの様子をお伝えします。

スペインはNATO(北大西洋条約機構)の加盟国であり、核兵器禁止条約の交渉開始を求める決議には反対しています。

しかし、私たちが訪れたバレンシアでは、被爆者の方の訪問が決定して以来、バレンシア州議会の議長が、核兵器禁止の問題について、深く関わるようになりました。

バレンシア州としては核兵器廃絶を明確に訴えており、核政策に関する議論をスペインの中央政府に促すために、法的拘束力はないものの、「核兵器禁止条約の交渉に賛同する声明案―平和で、公正な、核兵器のない世界のために」という決議案を議会に提出しました。

そして、5月11日に行われた州議会にて全会一致でその決議案が採択され、宣言文が読み上げられました。
このように、バレンシア州は私たちの活動を応援してくれている地域です。


州議会議長との面会

午前中は、そんな決議案を提出していただいたEnric Morera i Català州議会議長にお会いし、広島で被爆した田中稔子さんがスピーチを行いました。公務の関係上短い時間での面会となりましたが、議長を含め、議員の方も温かく迎え入れてくださり、バレンシア州からスペイン中央政府へ訴え続けることを約束してくださいました。

また、ヒバクシャ国際署名にも快くサインしてくださいました。


ヒバクシャ国際署名に賛同するEnric Morera i Català州議会議長

次に市役所へ向かい、市長や州の協力・開発担当大臣らと面会しました。

そこでは、長崎で被爆された三瀬清一朗さんがスピーチを行いました。Joan Ribó Canut市長は市民派の方で、よく街を自転車で回ったりしているようで、彼の考え方に市民も賛同している感じがしました。

市長も州議会議員も、ヒバクシャ国際署名に賛同してくださいました。


ヒバクシャ国際署名にサインするJoan Ribó Canut市長と三瀬さん


市役所訪問時の集合写真

最後に、バレンシア大学の学生寮にある会議室で証言会を行いました。ここでは広島で被爆された土田和美さんが証言を行いました。ひとつひとつの言葉をとても大切にしながら話す彼女の姿に、多くの人々が心を打たれていました。

また、ピースボートにゲストとして乗船していた、平和のための博物館国際ネットワークのメンバーであり、戦争がもたらす悲惨な状況をたくさんの人に知ってもらうことで、平和の文化を広げる活動をしている、イランのテヘラン平和博物館の方も、この時、自身の化学兵器による被害の証言を行いました。

イランの方たちとは何度が船内でセッションを行っていましたが、化学兵器も核兵器と同様に使われてはいけない兵器だということを改めて感じ、同時に現在、化学兵器は世界的に禁止条約が締結されており、核兵器も禁止することができるという希望を持つことができました。


証言を行う土田さん


証言を聞いているバレンシアの人々

その後、バルセロナを拠点とする平和団体の方々と、おりづるプロジェクトを代表して田中稔子さんが、パネルディスカッションを行いました。

稔子さんは「北東アジア、特に北朝鮮の核武装についてどう考えるか?」という問いに対して、「核抑止で対抗するのはいろいろな意味で不利益しか生みません。だからこそ核兵器禁止条約を締結し、周りの国から抑止力をつくっていくべきです。」と答えていました。その意見にさまざまな人々が賛同し、各々の想いを強く感じたパネルディスカッションとなりました。
あまりにも話したいことが多く、時間が足りないほど意義のある1日となりました。

この日は特に個人的に被爆者の方が何度も取材を受けており、その度に「あの日」を言葉にしてくれた被爆者の方には本当に感謝しています。

1回証言をするだけでも相当な労力が要るにもかかわらず、誠実に言葉を発信してくださいました。

次の寄港地であるポルトガルまで洋上は2日しかありませんが、身体と心が休まるようにサポートしていきたいと思います。

ピースボートインターン 鈴木慧南

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