みなさんこんにちは。
ピースボートインターンの鈴木慧南です。
6月22日(木)に、寄港していたベネズエラのラグアイラにて証言活動を行ないました。
そのときの様子を報告します。
ベネズエラは、南米北部に位置する連邦共和制社会主義国家です。
1958年以降、二大政党による民主的な政治体制が継続していましたが、1999年に低所得者層の高い支持を得て、チャベス大統領が就任しました。
チャベス政権は、南米の革命家であるシモン・ボリバルにちなんでボリバル憲法と呼ばれる新憲法を制定し、大統領権限を強化する一方、貧困層のための無料診療制度を整え、農場主の土地を収用して農民に分配するなどの農地改革を進め、反米・社会主義を基本とした独自路線を歩んできています。2013年4月、チャベス大統領が逝去してからはマドゥーロ政権がチャベス路線を踏襲しています。
しかし2014年に入り、国内の経済状況への不満が高まり、大規模なデモや暴動が頻繁に起きており、政府は2016年1月に経済緊急事態を宣言しました。
経済的にも政治的にも不安定な状態ですが、昨年行われた核兵器禁止条約の交渉開始を求める決議には賛成をしています。
ベネズエラでは、おりづるチームは2グループに分かれて活動しました。
ニューヨークに一時離脱したグループと船内に残ったグループに分かれ、活動しました。
船内に残っていたグループはまず、モンテッソーリプログラムを実施している小学校へ訪問しました。
(モンテッソーリ教育の詳細はこちらをご覧ください:
http://pbkodomonoie.jp/montessori-method.html)
そこでは他のツアーの方々と合流し、ベネズエラでのモンテッソーリプログラムの内容やピースボートが行っている子どもの家(http://pbkodomonoie.jp/concept.html)
の紹介をし、日本の文化交流をしました。炎天下の中でしたが、言語の通じない子どもたちとも仲良く交流を行なうことができました。
その後、一度船内に戻り、船の中で一番広いラウンジにて証言会を行いました。
証言会には現地青年局の若者、カウンターパートナーの学生たち、ボランティアの大学生、受け入れ担当の外務省の方々、港湾の方などなど、500人を超える人々を迎え入れ、証言することになりました。
今回証言をしたのは広島の被爆二世の山村法恵さんでしたが、こんな大人数の前で証言をするのは初めてだったようで非常に緊張していたものの、感情に訴えかける山村さんらしい証言ができたと思っています。
彼女の熱心な証言の成果か、ヒバクシャ国際署名は400筆以上集めることができました。
その後、ベネズエラの首都であるカラカスに移動し、他のツアーの方々と一緒にピースセレモニーに参加しました。とても立派な会場にはメディアも多数詰めかけており、このセレモニーの大きさを改めて感じました。
ピースセレモニーでは、広島で被爆した田中稔子さんがスピーチを行いました。ニューヨークでの経験を踏まえながら力強いメッセージを届けてくれました。
その後、70日間船旅をともにしたカラカス市民オーケストラの方々が最後の演奏をしてくれました。彼らとの船旅も今日で最後だと思うと、今までのことが思い出されてさみしくなったのか涙を流す人もいました。
私たちが帰る際には、出航曲で見送ってくれました。
カラカス市民オーケストラ
ベネズエラは自身の国がどんなに大変な状況にあったとしても、私たちピースボートを、おりづるプロジェクトを温かく迎え入れてくれる国です。
そして必ず「私たちは友だちだから寄り添っていきましょう」と優しく声をかけてくれる国です。
その尊敬すべき姿勢は、2年前に私がはじめてベネズエラを訪問したときから全く変わっていません。
1日でも早くベネズエラがみなさんにとって住みやすい国になることを願い、そのために私たちも知恵と力を共有し続けていきたいです。
ピースボートインターン 鈴木慧南
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