1.ヒバクシャ証言の航海

ICAN誕生の地、オーストラリア・パースでイベント!

1月24日、オーストラリアに到着しました!

半袖で気持ちいい、からっとした気候☀

極寒(と聞いている)日本とは真逆のところにいます。

 

さて、今回のおりづるプロジェクトは「オーストラリア特別編」と言われるほどオーストラリアでの企画が目白押しです。

ICAN発祥の地であるオーストラリア。

ウラン鉱山があり、長年の採掘による被害者がいるオーストラリア。

イギリスによるオーストラリアでの核実験による被害者がいるオーストラリア。

核兵器禁止条約に批准していないオーストラリア。

 

 

みなさん、このようなオーストラリアの一面をご存知でしたか?
オーストラリア最初の寄港地であるフリーマントル(パース近郊の港)では、1/2425日と二日間イベントに参加しました。今日はその様子をお届けします。

 

 

ピースボートの歓迎セレモニーとしてフリーマントル市や平和首長会議が全面的に協力して下さったこのイベント。オーストラリアで活動する核のない世界を目指す団体が集合しました。

広島の被爆者として三宅信雄さんが、福島の被曝者として長谷川さんがスピーチを行いました。

 

 

三宅さんはご自身の被爆体験を述べました。

「親や子、妻や夫が焼け死ぬのを見、逃げた痛みをいまも抱えている人が今もまだ多くいます」

と語り、ご自身がヒロシマをあの日を忘れようと広島から離れたこともお話されました。そして50歳を過ぎ、被爆者の話を聞いたことで、逃げてきたことに大変な申し訳無さを感じたといいます。そして証言活動を始め、今日まで続けられてきたとのことです。「昨年の核兵器禁止条約に日本政府が参加していないことを残念に思う。みなさんと共にたたかうことを願いながら、これからオーストラリアの各地をまわりたい」と述べました。

 

 

「核兵器や原発がただおそろしいものであるということ、それだけはわかります」と長谷川さん。原発によって「被曝者」になってしまい、だからこそピースボートに乗ることになった長谷川さんのその存在に色々なことを考えさせられました。

オーストラリアでは先住民の方々がウラン鉱山に絶対に行ってはいけないと、あそこに行くと病気になると言い伝えられてきたといいます。そして後から入った人々がウランを開発し、採掘をはじめてしまった。長谷川さんは「絶対に開けてはならないパンドラの箱を開けてしまった。われわれはこれを閉めなければならない」と力強く語りました。

 

 

そして日本語でのスピーチを行うのを忘れてしまうくらい熱の入った、ピースボート 吉岡さんの力強いスピーチ。

72年間もの間、核兵器を廃絶しようとしてきた。まだ達成はできていないが、しかし昨年、わたしたちはノーベル平和賞を受賞した。このノーベル平和賞は核兵器廃絶をしようとしてきた人々すべてに贈られた賞だ。ここが、とても重要な点だと思う。核兵器廃絶はまだ簡単ではない。また、ウラン鉱山での被曝や、マーシャル諸島での核実験など、ひどいことが沢山あった。にも関わらずなぜわたしたちは核を受容しているのだと思うか?それを変えられるのは市民の力だと考えている。ぜひ、国境や言語を越えて核兵器と原子力エネルギーに反対しましょう!」

 

ウラン採掘による被害を止めようと長年運動して来られたヴィッキーさんと、イギリスによる核実験の被曝者の二世であるカリナ・レスターさんもスピーチを行いました。

 

ヴィッキーさん

カリナさん

 

「次の世代、子どもたちの世代で核兵器廃絶、または核兵器を禁止することができる」と、とても励みになるスピーチでした。

カリナさんはイギリスによるオーストラリアでの核実験による被曝二世です。そのお父様のストーリーについてはまた別のブログで詳しく紹介します。

 

今回この歓迎セレモニーに参加し、日本から遠くはなれた地で核による被害を受けた人や運動を行っている人々の話を聞くことができました。

核は特定の国や、人の問題ではないということ。

この地球に、核が存在し一緒に暮らしているということ。

それらがこれまで多くの「ヒバクシャ」を生んできたということ。

単純であるようで、なかなかその危うさやそもそものおかしさを見逃してしまいます。そんな、出発地点に立ち返るような時間だったと思います。

このような時間を用意し、また歓迎して下さった方々に本当に感謝すると共に、これからも一緒に声を大にしていきたいと思います。

 

文・写真:おりづるプロジェクトユース 安藤真子

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