1.ヒバクシャ証言の航海

戦争のその後。~台湾で学ぶ人権と白色テロ時代~

みなさん、こんにちは。

ピースボートの野口香澄です。

 

512日は初寄港地の台湾の基隆に寄港しました。

おりづるプロジェクトのプログラムはなく、その日は一般のお客さま同様のツアーに参加しました。

参加したツアーは「台湾で学ぶ“人権”と“白色テロ時代”」に参加しました。

 

戦後の白色テロについて学び、当時監獄に収容されていた元政治犯の当事者から証言を聞くという内容でした。

 

白色テロ時代というのは、戦後中国国民党による反政府勢に対しての残虐な拷問・虐殺行為が行われていた時代のことです。

1949年~1992年まで行われ、世界最長の独裁政治時代でした。

 

証言を聞く前に博物館の中の見学をしました。

案内をしてくれたのは、当事者の方々です。

 

14年7か月収容されていたという鐘さんです。

博物館の中の前半の部分を案内してくれました。

 

今回訪問した博物館は警備総司令部の「景美看守所」として政治犯を収容していた監獄だったところです。

 

上記の写真は当時収容されていた政治犯の方々の名前がずらりと掲示されています。

名前だけではなく、収容されていた期間も記載されています。

少し出っ張っているのは裁判(不当なもの)で終身刑を受けた人という意味があると言います。

 

当時の足かせが置かれていました。

持ち上げるととても重くこれを足につけられていたと思うと苦しくなります。

この足かせは収容され裁判に向かう時に暴れた人につけていたと言います。

 

博物館の中にある展示物の中には当事者が描いた拷問の様子が書かれていました。

 

元政治犯で22年間収容されていた蔡さんです。88才。

博物館の後半の部分を案内してくれました。

 

また案内が終わった後に別部屋で証言会を行いました。

蔡さんと鐘さんの体験を聞き、参加者との質疑応答を行いました。

蔡さんは収容されて22年間。

収容されたきっかけは学生時代に先生に誘われた読書会に参加したことです。

政治とは無縁の読書会だったのにかかわらず、ある日突然政治犯として捕まり、それから22年間です。

 

お2人のお話を参加者たちは真剣に聞き入っていました。

 

今回参加した若者から「若者に期待することと託したいこと」という質問を受けました。

 

代表として、蔡さんが答えてくれました。

「若者たちには自信を持って欲しい。自信を持って様々な事を取り組みをして欲しい」

 

リーダーが変わると周りの環境も大きく変わります。戦争は一度犯してしまうとその先も身体的に精神的に人を苦しめていきます。

今回のお2人は日本語がとても流ちょうでした。

それはなぜか。そもそも白色テロ時代以前に日本が統治をし、台湾の人々を苦しめてきた事も挙げられると思います。

2人は日本が好きで友好を繋げていきたいと話をしてくれました。しかし、それは、日本が統治してきた時よりも厳しい時代があったが故なのではないかとも私は思いました。

その日本が戦争時統治をしていなかったら・・・この2人は何十年も監獄にいる必要は無かったかもしれません。

 

 

戦争を見つめ直す。

このツアーはまさにピースボートならではのツアーだと思いました。

 

最後に参加者全員と記念撮影。

 

ピースボート 野口香澄

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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