4.おりづるピースガイド

核兵器について話すのが当たり前の社会を作りたい〜ピースガイド報告〜

皆さん、こんにちは。

ピースボートの野口香澄です。

おりづるピースガイド4期生(第99回クルーズ)の若山彩さんからのレポートをご紹介します。

下船後の1月から、広島の「ハチドリ舎」でインターンとして活動されています。

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初めまして。

99回クルーズに乗船し、ピースガイドとなった若山彩です。

ピースボートへ乗船前、私は核兵器や社会問題にあまり興味がありませんでした。

むしろ、幼少期に受けた平和教育でトラウマになり、敬遠していたほどでした。

そのため、クルーズに申し込みをした当初は「旅行をするぞ」という思いだけでした。

しかし、アウシュヴィッツに訪れるオプショナルツアーや、洋上の平和教育プログラム“地球大学”の存在を知り、参加することを決めてから、「地球一周を通して学ぶぞ」という思いに変わっていきました。

「学ぶ」と決めていたこともあり、乗船した初めの頃は、川崎さんのICANについての講演会や、空さんや塚本さんの被爆証言会を聞きに行っていましたが、他にもやりたいことがたくさんあり、忙しく、おりづるパートナーになることはありませんでした。

おりづるプロジェクトに直接的な関わりはないまま、船内で様々な水先案内人の講演会や地球大学で学んでいくうちに、過去の事実を知らずに望む未来は得られないのだと気がつきました。

乗船したばかりの頃にはなかった、「核兵器を世界から無くしたい」という思いが芽生えた頃、ピースガイドの受講者を募集していることを知り、受講することにしました。

↑約30名が受講したピースガイド養成講座。様々な角度から核兵器の問題について考えました。

ピースガイドの講習では、核兵器の歴史的背景から現状まで幅広く学び、塚本さんと空さんのそれぞれのお話もじっくり伺うことができました。戦後73年経ちますが、過去のことでなく、現在進行形なんだと気がつき、自分も当事者であること、核廃絶のために具体的に動かないといけないと感じるようになりました。

↑船内で、空さんとの1枚。 旅の終盤、ピースガイドとして合格した後、おりづるパートナーとピースガイドで合同企画を行いました。 被爆者のお二人、そして二世・三世の方にも登壇していただいて、インタビューを通して原爆についてより深く知り、負の遺産をどう引き継げば良いのか考えるための企画でした。

↑ピースガイド・おりづるパートナーの有志で企画した、「平和船で旅したわたしたちの未来」。

その企画はより多くの人に、特に若者に見に来てほしいという思いで企画したものでしたが、結果として若者は片手にも満たない人数しか集まりませんでした。

興味のない人に興味をもたせることは難しいとは分かっていますが、いまだにどうしたら興味をもってもらえるのか考え続けています。

旅の終盤になると、船内ではよく下船後はどうするかという会話がなされます。

私は、下船後は広島や長崎に、旅行ではありますが行こうと考えていました。

そんな時、“ハチドリ舎”という広島にあるソーシャルブックカフェでインターンを募集しているということを聞きました。

ピースガイドとして合格はしたものの、核兵器廃絶のためにどのように行動することができるのか分からず、どういうカタチがあるのか学ぶために“ハチドリ舎”に行くことを決めました。

“ハチドリ舎”では、毎月6・16・26日に被爆者の方と話しをすることができるという機会が作られています。対面して話すことで証言会というカタチでは聞けないような話を聞くことができます。

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↑2月6日、被爆者の方のお話を聞きに、99回のピースガイドたちがハチドリ舎に集まりました。

そして、“ハチドリ舎”としての取り組みではありませんが、そこで出会った若者達で立ち上げた、“核政策を知りたい広島若者有権者の会(通称:カクワカ広島)”に参加させてもらうことになり活動しています。

ここでは、広島の議員に直接核政策についてどう考えているのかを聞きに行き、SNSを通してその考えを世間の方々に知ってもらおうという活動をしていますが、1月に立ち上げたばかりであるため、現在はアポイントメントを取り付けるということをしています。

↑ハチドリ舎を拠点に活動する、「核政策を知りたい広島若者有権者の会」ミーティングの様子。

ピースボートや広島で過ごし、「こんな未来を作りたい」と思うものができました。

今の日本は、核兵器を無くしたいと思い、発言し、行動すると「革命家だ」と言われます。

その呼ばれ方に私は違和感を覚えました。

なぜなら、核兵器は過去ではなく今現在存在し、存在している以上、自分や大切な人の生活圏に落ちて来ないとは限らないのです。

つまり、私たちは誰しも自分事であり当事者なのです。自分に関する事を話すのに“革命”だと言われるのは違和感があります。

そして、作りたい未来というのは、自分事である核兵器や社会問題について話し、取り組むことが“あたりまえ”となり“革命”とは言われない社会です。

↑2月26日にハチドリ舎で行ったイベント、「わたしが核兵器をなくしたいワケ〜無関心→当時者に変わった地球一周〜」。

“ハチドリ舎”では、無関心だった自分がどのように関心を持ち、行動するまでになったのかについて話す機会を設けていただきました。

まもなくインターンを終え地元の福岡に戻りますが、様々な方法で発信していけるよう学び、取り組んでいきたいと思います。

おりづるピースガイド4期生 若山彩

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