おりづるプロジェクト2018

「手を繋いで」@タヒチ

皆さん、こんにちは。おりづるユースの森山景です。

3月13日はタヒチ・パペーテにやってきました。デッキで見た島には、街中にも緑が多く驚きました。

タヒチは大地を大切にする国です。そして、世界で一番核実験による被爆者が多い国です。

フランスは1966年から96年にかけて193回以上の核実験をフランス領ポリネシアの岩礁でおこないました。当時核実験場で作業に動員させられた軍人たちや、近くの島民ら計5万人以上が放射能を浴びたと言われています。

今日は、4つの場を訪問しました。

はじめに、核実験影響追跡調査団の事務所を訪れて代表メンバーとミーティングをしました。核実験追跡調査団は現地政府に作られ、2030年に新政府が入ってくるまで活動します。活動目的は環境・社会・医療・科学的な事実を調べることと、その知識を広げることです。

メンバーの方々は口を揃えて、「被ばくの実態を若い人々に教え、継承していくために試行錯誤している」とおっしゃいました。タヒチの被爆証言活動は最近始まったばかりです。現地の教育はフランス政府の管理下にあり、使われる言葉もフランス語です。核問題については教科書に5行程度しか書かれていません。現地の被ばく者による子どもたちへの証言活動も、私立の学校で少しずつ広げていくしかありません。

また、タヒチの被ばくについての資料と一緒に、フランス語とポリネシア語で書かれた戯曲をいただきました。「被爆のお話は感情がたくさん入るから、アートにするとメッセージが伝わる」と話されていたことが印象的でした。

次はファアア市庁舎へ向かいました。ここはパペーテで一番大きな街です。オスカー・テマル市長は長年核実験反対運動を続けています。フランスによる核実験の被害を訴えて、日本の反核運動とポリネシアの核実験被害が関わるきっかけを作った方でもあります。

市長は淳子さんの被爆証言を聞きながら何度も頷き、同意されていました。核の恐ろしさ、次の世代に継承する大切さ、世界から核兵器がなくならない怒りを込めて話して下さいました。

市庁舎で、地元のお魚や、果物を振舞っていただきましたが、どれも新鮮で美味しく、自然と密接なタヒチの国を大事にしなくてはならないと感じました。

その後、タヒチ住民の作った団体「モルロア・エ・タトゥ(モルロアと私たち)」の事務所があ

るプロテスタントの教会に伺いました。そこでは、団体代表のフランソワさんをはじめ、核実験の被害者の方々、核のことを学ぶ高校生たち、歴史の先生、ムルロア・エ・タトゥのメンバーが歓迎して下さいました。

淳子さんの証言を聞いて、歴史の先生が福島原発について質問されました。淳子さんは、「原発でエネルギーを作るまでの様々な過程で被ばく者が生まれるし、核廃棄物の処理方法も確立していない。」と問題点を挙げて核エネルギーに反対されました。

私は「核は見えないし、匂いもしないから、隠され続けてきた。若い世代は歴史を学び続けなくてはいけないと思う。」と話すと、高校生たちも共感を示してくれました。

最後に、モルロア・エ・タトゥのメンバーは高校生に「今日学んだことを学校で友達に広めてね」とおっしゃっていて、私も継承の大事さを噛み締めました。

そして最後に、地域議会でエドゥアルド・フリッチ大統領にお会いして証言活動をしました。大統領は、住民の放射能被害の実態を漏らさず話そうとして下さいました。被爆証言を丁寧にメモしながら、「核実験をした人たちは良心がおかしかった。繰り返されないようにしなくてはいけない。」と強調されました。

1日で核実験に向き合うたくさんの方とお会いしました。一人一人の、個別なお話を伺う時間がなかなかありませんでしたが、話し合いや証言を聞いているそれぞれの目が、核兵器がなくならない世界に対しての悲しみを含んでいました。国境を越えて、他人の方々と、反核活動を続けたいと心から思いました。

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