1.ヒバクシャ証言の航海

ラテンアメリカで響く 批准への後押し ~10月6日@サント・ドミンゴ(ドミニカ共和国)~

カリブ海に浮かび、ハイチと国境を共有する島国、ドミニカ共和国。その南東部に位置する首都、サント・ドミンゴに入港しました。ここでは、短い滞在時間に証言会と政府関係者との面会、という込み入ったスケジュールでしたが、山下さんのおかげで意義深い企画を行うことができました。

ドミニカ共和国には、1956年から始まった日系移民の歴史があります。日本政府の呼びかけで始まった移住ですが、ドミニカ到着時は荒れた土地しか与えられず、またハイチからの侵入者を防ぐため国境沿いに居住させられ、過酷な開拓生活を強いられた方がたくさんいらっしゃいます。
現在は、2世、3世と、移民の歴史と文化の継承を担う日系の方々が団体をつくり、さまざまな活動を行っています。日系人、ドミニカ人の子どもたちを集めて千羽鶴を折る、という活動もその一つだそうです。

着岸直後の9時半、その日系の方々約50名を船に受け入れ、山下さんの証言会を行いました。被爆経験を聞いたのは初めてという方が多く、貴重な証言として聞いていました。山下さんがどんな思いでメキシコに渡ったか、その後どのように生活を築いたか、自分の家族に重ねた方も多かったかもしれません。山下さんの証言とともに、第一回おりづるプロジェクトの参加し、2017年に85歳でなくなった森本順子さんの絵が飾られました。山下さんの個人の経験をもとに、たくさん被爆者それぞれの想いを想像したひとときとなりました。

証言会を終えてまもなく、ドミニカ共和国外務省国際協力部長であるパオラ・エレラさんが、お連れ合いとともに来船しました。これは、ピースボートから外務大臣宛に面会申請をし、国内不在であった外務大臣に代わっての面会となりました。

ドミニカ共和国は、2018年6月に核兵器禁止条約に署名。現在、批准に向けて国内手続きが進められている、となっています。今年7月には、ICAN事務局長から直々に手紙が送られ、今回はそれを後押しする形で手紙を渡し、要請を行いました。
パオラ国際協力部長は、条約を早急に批准するよう、ICANとピースボートのメッセージを責任を持って伝えます、とおっしゃいました。また、彼女はSDGsの担当でもあるらしく、今回面会を持てたのは、今後につながる大きな一歩だったように思います。

現在、核兵器禁止条約の批准国は32カ国。次の33カ国で、発効を可能にする50カ国の3分の2となります。ドミニカ共和国の早い批准を期待します。

ピースボート:松村真澄

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