2019年_パナマ~米国、スペイン~ギリシャ(第102回ピースボート)

ニューヨークの真ん中で核廃絶を語り、歌い、考えた 2019.10.10-11

2019年10月10日から11日にかけての2日間、第102回ピースボート「地球一周の船旅」で航海中のオーシャンドリーム号がニューヨークに寄港しました。この期間は国連総会の中でも軍縮・国際安全保障関係のテーマを議論する第一委員会が開会中であったことから、ピースボートでは核兵器廃絶を訴える各種イベントの開催に協力しました。

初日となる10月10日(木)は、オーストリア国連政府代表団の後援を得て、国連本部内でサイドイベントが行われました。このイベントでは、ヒバクシャ国際署名を代表して渡米した被団協事務局次長の藤森俊希さんが、核兵器禁止条約に賛同する署名が1050万を超えたことを報告し、条約発効に向けたさらなる努力を各国に呼びかけました。また藤森さんに同行した鈴木慧南さん(おりづるユース)も、平均年齢が82歳を超える被爆者のみなさんが今なお証言をし続ける状況に対して、若い世代がより一層活発に活動をしていくことの重要性を訴えました。イベントにはオーストリアのヤン・キッカート大使も出席。被爆者のたゆまぬ努力に敬意を表しつつ、「オーストリアは核兵器を始め非人道的な被害をもたらす兵器を許さないという、その議論の最先端に常に立っていたいと思っている」と発言しました。

同日夕方には国連近くの教会でコンサートが催されました。「被爆証言と音楽の夕べ」と名付けられたこのコンサートでは、広島で被爆した藤森さんの証言のあとに現役医師の音楽ユニット「インスハート」が演奏を行いました。彼らが最後に英語で披露した「おばあちゃんののこしもの」は、長崎の被爆者3人の話がもとになった歌。そのまっすぐな歌詞は、聴衆に大きな感動をもたらすと同時に、被爆証言の継承のひとつの形を見せてくれたように思います。演奏のあとは、ニューヨークの若者、メキシコ在住の被爆者山下泰昭さん、そして女優の東ちづるさんがそれぞれに平和の尊さを訴えました。差別や分断、争いが終わらない世界だからこそ、憎しみではなく分かり合い、分かち合うことを平和の原動力にしていくことが大切であると、会場全体が実感する会となりました。

翌11日(金)は、一連のイベントのハイライトともいえる、ヒバクシャ国際署名の目録の提出がありました。この日のお昼、藤森さんは第一委員会の議長を務めるボリビアのサチャ・ヨレンティ大使と中満泉国連軍縮担当上級代表(事務次長)に1051万7872人の署名の目録を手渡しました。ヨレンティ議長は「ボリビアが核兵器禁止条約に署名・批准していることを誇りに思う」とした上で、広島を訪問したことがあると紹介しながら改めて被爆者の活動に感謝し、中満事務次長は「被爆者の方々の支援とエネルギーをいただきながら頑張っていきたい」と藤森さんに述べました。

一方、マンハッタンに停泊中の船では、国連軍縮局(ODA)との共催でYouth Champions for Securing our Common Futureという若者向けのイベントを行いました。来年が原爆投下から75周年ということにちなみ、75名の若者の参加を募って国連事務総長の軍縮アジェンダを主軸としたプログラムを実施しました。前半は、アジェンダで挙げられている「人類を守るための軍縮」、「人命を救うための軍縮」、そして「未来世代のための軍縮」という3つの優先課題に呼応する形で核兵器、小型兵器、自律型致死兵器をテーマとした3部制のパネルディスカッション。それぞれのテーマに対して、国連、各国政府、市民社会を代表して3名のパネリストが参加し、各視点から課題や今後の展望を議論しました。続く後半は、パネルディスカッションを踏まえて参加者自身がアクションを考えました。テーマごとにグループに分かれ、自分たちが実際に行うことができる具体的なプロジェクト案を話し合いました。議論の中では学校でのイベントの案から、軍縮に関する情報を提供するオンラインプラットフォームまで、様々な案が出されました。

なお、上記10日の一連のイベントはヒバクシャ国際署名連絡会主催によるものです。ピースボートは、創価学会インタナショナル(SGI)とともに、これらの行事の開催に協力しました。11日のイベントは国連軍縮局とピースボートとの共催です。

ピースボートでは、今回培った国連や各国政府、NGOとのパートナーシップを活かしながら、来年のNPT再検討会議、また戦後75周年に向けて、核なき世界への取り組みを一層加速させていきます

UNODA(国連軍縮局)が10月11日のイベントの様子をショートビデオにしてツイッターで流しています。 ↓

ピースボート:畠山澄子

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