3.核廃絶へのいろいろな動き

ヒバクシャの声を聞く‐ ヒロシマ・ナガサキ75年 第1回:サーロー節子さん

7月7日、被爆75周年記念オンライン被爆証言会シリーズの第一回がピースボート主催でZoomにて行われました。

広島と長崎への原爆投下から今年で75年。原爆は初年度だけで21万人もの人命を奪い、さらに多くの人々に何十年にも渡る苦しみを与え続けてきました。その間多くの人々が核廃絶を求め続けてきたにも関わらず、この世界にはまだ核兵器の存在による重大な危機が存在します。こんにち、被爆者の平均年齢は83歳を超え、既に多くの方がこの世を去られました。私たちが彼らの生の声を聞ける時間はもうあまり残されていません。

このような現状を踏まえ、被爆75周年記念の年に核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)が行う核廃絶キャンペーンの一環として、ピースボートがこのオンライン証言会を企画しました。今まで被爆者の話を直接自分の母語で聞いたことがない世界の人々に被爆者の声を届けるために、英語、スペイン語、日本語で行う証言を中文、フランス語、ポルトガル語、韓国語に同時通訳で配信するという画期的なプロジェクトです。カナダ、メキシコ、ブラジル、日本と世界に散らばる被爆者をお招きすることで、日本発信では時差の関係でなかなか参加できなかった人も参加しやすくなるように工夫がされました。

7月を通して毎週一回、計4回行われたオンライン証言会の第一回の様子を、このブログ記事でお届けします。

証言をする節子さん

第一回証言会被爆者・サーロー節子さん

第一回目のオンライン証言会で証言いただいたのはカナダ在住の広島被爆者であるサーロー節子さん。この日7月7日は、2017年に核兵器禁止条約がニューヨーク国連本部にて採択された3周年記念日でもありました。半世紀以上核兵器廃絶運動を継続し、3年前の同条約採択の瞬間を国連本部内で仲間と見守った節子さん、そして同年11月のノーベル平和賞授賞式ではICAN代表の一人として人々の心に深く残る受賞講義を行った節子さんに、この証言会の1回目に登場いただきました。

当時13歳だった節子さんは学徒動員された出勤初日に爆心地から約1.8km離れた軍司令部にて被爆しました。建物の下敷きになりながらも九死に一生を得たその日のことを、パソコンの画面の向こうにいる100人強の参加者に向け、一言一言噛みしめるようにゆっくりと英語で語りました。

ICANについて紹介をする川崎さん

ICANおよび核兵器禁止条約の紹介

節子さんの証言の前にピースボート 共同代表、およびICAN国際運営委員の川崎哲がICANと核兵器禁止条約についての説明を行いました。2017年に国連本部で採択された核兵器禁止条約が今までの条約や規制とどう違うのか、ICANがこの条約推進のためにどう動いてきたのかなどを紹介しました。そしてピースボート が長い間、節子さん他多くの広島・長崎の被爆者の方々を核無き世界の実現のために活動してきたことなどに触れ、改めて被爆者の生の声を聞くことの重要さについて触れました。

若者からの質問に答える節子さん

活発な質疑応答、若者らから「自分には何ができるか」と質問

節子さんの臨場感溢れる証言と核のない平和な世界への深い思いが込められたメッセージに、参加者からは沢山の応援の言葉や質問が寄せられました。特に若い参加者から「今の自分たちには何ができるのか教えて欲しい」という質問が複数名から寄せられ、それに対し節子さんは、自分より若い世代の様々な分野での創造性やリーダーシップは本当に素晴らしく、それに触れることで自分たち被爆者はやる気をもらっている、と答えました。

平和活動を続けながら、ソーシャルワーカーとして25年以上トロントの学校を巡り生徒たちの生活をカウンセラーとして支えてきた節子さん。若い人たちの潜在能力と情熱に大きな希望を託していらっしゃるのがよく伝わってきました。

ICANの活動や核兵器禁止条約、Covid-19による世界情勢の変化など多岐にわたる質問に対し、川崎と節子さんはそれぞれ時間の許す限り丁寧に質問に答えていました。

会を終えて

90分のオンライン証言会は登壇者に対する沢山の温かいコメントとともに終了しました。コメント欄や参加者名には、節子さんと一緒にピースボート で世界一周をした被爆者の方や世界各地で彼女とともに平和活動を行なっている仲間たち、そして時差の関係で夜中にも関わらず多くの日本の核兵器廃絶運動に関わる方々が名前を連ねていらっしゃいました。改めて御礼申し上げます。

実は節子さんにとってこの会が初めてのオンライン証言会となり、語りかける人たちの顔が見えない証言は初めて、と少し不安と緊張を感じていらっしゃるご様子でしたが、会終了後にお話しした時、参加者の皆様の温かいご支援に「自信がついた。パソコンは苦手だけれどまた学ぶことが増えた。頑張らないと。」ととても前向きにおっしゃっていました。

メディア報道は以下の通りでした。

<日本語>

7月7日 共同通信社 – “核禁止条約の早期発効訴え サーローさん被爆証言”
https://this.kiji.is/653263786588783713

7月8日 NHK – ”サーロー節子さん 核廃絶運動への協力を呼びかけ”
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200708/k10012502831000.html

7月9日 朝日新聞 “サーロー節子さん「努力は結果に」 核禁条約採択3年”
https://www.asahi.com/articles/ASN786419N78UHBI00L.html

7月9日 しんぶん赤旗 サーロー節子さん 各国首脳に手紙「核兵器禁止条約 批准を」
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-07-09/2020070901_01_1.html

テレビ:NHK ニュースウォッチ9

<英語>

07.08 Kyodo News: ”A-bomb survivor calls for early enforcement of nuke ban pact”
https://english.kyodonews.net/news/2020/07/bc827ba6676b-update1-a-bomb-survivor-calls-for-early-enforcement-of-nuke-ban-pact.html

07.07 The Hill: “Hiroshima survivor calls for elimination of nuclear weapons”
https://thehill.com/policy/international/506209-hiroshima-survivor-calls-for-elimination-of-nuclear-weapons

07.07 NHK “A-bomb survivor renews call for nuclear ban treaty | NHK WORLD-JAPAN News“
https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/news/20200708_10/

ピースボート ロバートソン石井りこ

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