3.核廃絶へのいろいろな動き

被爆77年の平和祈念式典 ~広島と長崎

広島・長崎に原爆が投下されてから77年、今年2022年の夏も、改めて核兵器の非人道性を日本と世界に伝え、核兵器廃絶を求める取り組みを行いました。その取り組みを一つずつ紹介しています。

8月9日、NPT再検討会議参加のためニューヨーク滞在中の川崎に代わり、長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に出席しました。今回の平和祈念式典では、第80回地球一周「おりづるプロジェクト」の一員として、世界各地で証言をされた宮田隆さんが「平和への誓い」を読み上げるということもあり、大きな期待と緊張感を持って式典に向かいました。

平和祈念公園

長崎も広島同様に朝から太陽の強い光がふりそそぎ、77年前を思い起こさせる一日の始まりでした。会場に向かう前、爆心地公園を訪ねました。早くから多くの人々、メディアが訪れ、黒御影石の碑に祈りや花を捧げていました。振り返ると「1945 8.9 11:02」とだけ書かれた母子の銅像があり、何度も見ているというのに、子どもを守ろうとする母の姿に心を打たれました。

爆心地公園にて

式典には、各国代表の外交官、政府関係者ら来賓に加え、これまで活動されてきた被爆者の方々や専門家、学生ら約1,700名が集いました。今年が出演最後という案内とともに「被爆者歌う会 たんぽぽ」のみなさんが登場しました。多くの場所で何度も歌われてこられた「もう二度と」の歌で、式は開幕となりました。

たんぽぽのみなさんによる合唱

合唱に続いて、原爆死没者名簿が泰安されたあと、厳かな中で、献水と献花が行われました。続いて、市内全体に響き渡る鐘とともに1分間の黙とう。長崎、そして世界の各地から、慰霊と鎮魂、そして平和への祈りがここに集まり、空高くに向かって捧げられたように感じました。

田上富久市長は「長崎平和宣言」の中で、一昨月ウィーンにて行われた核兵器禁止条約締約国会議への参加を挙げ、条約に反対しながらも参加したオブザーバー国を含め率直で冷静な議論が行われたことを述べました。また、核禁条約のNPTが互いに補完するものと強調し、日本政府と国会議員に向かって、核禁条約の署名と批准を明確に要求しました。

スピーチする宮田隆さん

宮田隆さんの「平和への誓い」においても、ウィーンにて、ゼッケンをつけ現地の人々に訴えた交流した経験や、締約国会議におけるオブザーバー国など参加国からの期待から得た大きな勇気について発言しました。日本政府に向けて、条約への批准をストレートに求める言葉には、被爆者の方々の気持ち背負った強さを感じました。

岸田首相は、NPT再検討会議、広島に引き続き長崎でも、核兵器禁止条約について触れませんでした。一方、「『核兵器のない世界』という『理想』への歩みの基礎となるのは核兵器不拡散条約(NPT)である」と主張します。数分ほど前、田上市長が「NPT体制そのものへの信頼が大きく揺らいでいる」と語った後の発言で、国際感覚の偏りと過度の執着が際立ちました。

長崎の平和祈念式典は、純心女子高校生徒のみなさんによる「千羽鶴」の合唱で幕を閉じました。私は平和記念像に手を合わせ、帰り道、各国から送られたさまざまな慰霊碑を回りました。その中には、ピースボートの仲間が仲介役となって、核実験で苦しんだアナング族(オーストラリア)から送られた「生命の木:平和の贈り物」もありました。この木が示すよう「平和と調和のために分かち合う」文化が広がるよう、改めて祈り決意した一日でした。

生命の木(平和祈念公園敷地内)

長崎部分:松村真澄

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