ピースボートの「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」ディレクターの渡辺里香が、シンガポールからポートルイス(モーリシャス)までの区間に乗船しました。この航海では、過去の歴史を振り返りながら、核兵器廃絶に向けた力強いアクションを多数展開しました。
「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」の紹介

「過去の戦争を見つめ、未来の平和を創る」を理念に始まったピースボートであることを、再確認しました。2008年より広島・長崎の原爆被爆者とともに世界を巡り、核兵器の非人道性と廃絶のメッセージを各地に届ける「ヒバクシャ地球一周 証言の航海(おりづるプロジェクト)」に取り組んできました。これまでに延べ180人の被爆者が参加し、世界60カ国・100以上の都市で自らの体験を証言し、核兵器禁止条約(TPNW)の発効を後押しする大きな力となってきました。また、日本の広島、長崎で被爆した中にも非日本人はいるし、1945年の前も後も核兵器を作る過程で被ばくした被爆者はたくさんいます。その「グローバルヒバクシャ」との連携も重要な取り組みです。
①ヒバクシャの声を世界に届ける
②政府関係者と面会をして核兵器に頼らない政策を求める
③核被害者や戦争被害者と連帯する
④証言を継承する担い手をつくる
以上の4点を活動の柱としておこなっています。
世界初!「ノーベル平和賞洋上特別展」を開催

オスロのノーベル平和センターと提携した洋上特別展『A Message to Humanity』を船内で実施していることを紹介しました。
キノコ雲の下の真実: 2024年にノーベル平和賞を受賞した「日本被団協」の活動や、被爆者の肖像・証言を展示していること
未来へ: 被爆者の平均年齢が86歳を超える中、その切実なメッセージを次世代へ繋ぐ「考えるための空間」となっていること、を伝えました。
渡辺は企画の中で、展示の中ではあまり触れられていないことにも言及しました。それは広島・長崎の被害は日本人だけでなく、多くの朝鮮半島出身者や東南アジアの方々もいたこと、また世界中にいる核実験被害者も含めた「グローバル・ヒバクシャ」の視点を考えることです。この点から、今もなお核兵器の威力を誇示した威嚇や武力侵攻、戦争が続いていることを問題意識として共有しました。
チョルノービリ(チェルノブイリ)の教訓

企画日4月25日の翌日が、事故からちょうど40年だったので、チョルノービリ原発事故を振り返るイベントを開催しました。
負の遺産: 史上最悪の原発事故がなぜ起きたのか、設計上の欠陥や情報統制の背景を解説。
被害の大きさ: 放射能汚染に苦しむウクライナやベラルーシの人々、そして先住民族サミ、北半球全体に放射線の影響があったことを説明して、核と人間は共存できるのかを問い直しました。
核兵器禁止条約(TPNW)の普及に向けて
ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)の国際運営委員として、核兵器禁止条約の重要性を話しました。核兵器を「非人道的な兵器」として全面的に禁止し、廃絶への道筋を作るこの条約をさらに広めるため、各国政府への働きかけを続けています。
「平和は理想ではなく権利。日々守り育むもの」というメッセージを、これからも世界中に届けていきます。
乗船中の海がとてもきれいでしたので、おまけに。

文:渡辺里香
