2.ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)

討論集会「核兵器禁止条約と日本の役割」~ベアトリス・フィンICAN事務局長を迎えて~

みなさん、こんにちは。

ピースボートの野口香澄です。

 

1月の中旬にICANの事務局長である、ベアトリス・フィン氏が日本へ来日しました。

そこで、長崎・広島と被爆地を尋ね、被爆者や市民、そして若者たちと交流していきました。

そして、1月16日には東京へ訪れ、各政党の代表団との討論集会に参加してきたのでそのときの様子を報告します。

 

核兵器禁止条約には反対している意向を見せている日本政府の前でノーベル賞を受賞したICANの事務局長がどのような対話をしていくのかということに多くのメディアも注目し会場に溢れんばかりの人が訪れました。

 

※始まる前の会場の様子

会場には10名の与野党の国家議員の皆さんが参加をし、ベアトリス・フィン事務局長との集会に参加しました。

※会場の様子

 

司会の川崎哲の挨拶から始まり、まずベアトリス・フィン氏より挨拶がありました。

内容を一部抜粋しつつご紹介します。

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日本は世界の核軍縮のリーダーとして取り組むべきである。日本は唯一の被爆国として、核兵器がもっている悲惨さを知っている。

長崎・広島は、被爆者の努力により破壊から希望の都市へ転換したことに誇りを持ってもらいたい。

 

これ以上被爆者を増やさないために出来ることは何か。

1つの道筋として核兵器禁止条約が採択された。

日本に参加して欲しい。

 

このような新しい規範が出来、多くの国が参加する、日本は取り残される。禁止することが核兵器廃絶の第1歩である。

核兵器を所有しない・使用しない・援助しないことを約束する条約である。

核兵器をもつことが恥ずかしいという流れになり、保有国にも大きな打撃である。

 

日本も現在、北朝鮮による核攻撃の目標となっている。

核抑止政策で、北朝鮮の核兵器開発が良くし出来なかった。

核抑止は神話である。

核兵器という危険に人々がさらされないことが大切。香kyへ行き禁止条約は将来の道筋である。
—————————-
ベアトリス・フィン事務局長の挨拶後、まず、外務副大臣の佐藤正久氏より日本政府が取っている立場についてお話がありました。
日本政府の立場としては、今まで報道などで示しているのと変わらず、核兵器禁止条約には署名は出来ないという事でした。

理由に関しては、まず、核保有国やNATO諸国からの賛成を得られていないこと、2つめは日米同盟の中で核の傘に核抑止力が無くなると国民の生命・財産を維持出来ない。

としています。

※外務副大臣の佐藤正久氏

 

まずは、世界に1万5000発ほどある、核兵器をアメリカ・ロシア・中国といった核保有国の削減をしてから、核廃絶へ向かって行くことが必要であるという考えということです。

そして次に10名の国会議員の皆さんからの意見交換がありました。
どの政党の方々も核兵器はなくした方が良い。核廃絶はしていくべきである。
という考えは共通しているようでした。
しかし、一方で懸念している面としては、北朝鮮の核ミサイルの開発や日米の関係があるという中で、今はまだ核の抑止力が必要なのではという見解や、核兵器禁止条約が出来た中で実際に効力が発揮するほどの批准がされていないというご意見がありました。

各政党の意見に対して、ベアトリス・フィン事務局長は核抑止力は安定した政策ではなく、核抑止は軍事的圧力であると表現しました。
市民社会から日本政府へプレッシャーが掛かる前に民主的な観点より署名をして欲しいというのがありました。

最後に議員の皆さんから、批准をするためにもっと条約を理解していくべきであるということや、政府・国会間できちんと議論すべきであるという意見がありました。

短い時間の中でしたが、日本政府の議員の皆さんが現在何を考えているのかを少し垣間見ることができました。

※討論集会終了後各政党の議員さんと

 

私個人の意見としては重点を置いているポイントはICANの活動、核兵器禁止条約と日本政府で違うと思いました。
ICANの活動や核兵器禁止条約は未来にどのような世界を歩んでいくか、そのために今、何をすべきなのかという考えの元あり、日本政府は未来よりも今、何をすべきなのかなにが優先なのかという視点でいると思いました。

政府の考えを変えていけるのは市民である私たちの活動であると思います。今後も政府へ訴えていかなければいけないと強く思いました。

ピースボート 野口香澄

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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