1.ヒバクシャ証言の航海

おりづる船内企画〜はじめまして編〜

こんにちは。おりづるプロジェクトユースの山崎御園です。

船旅が始まってから早くも一ヶ月が経ちました。

毎日が目まぐるしく、嵐のように過ぎていくので、もう一ヶ月かという気持ちと、

1日1日があまりにも濃く充実しているので、

まだ一ヶ月かという気持ちが入りまじり、過去に経験したことのない不思議な感覚です。

被爆者の方々や寒川くんとも、意見を言い合って時にはぶつかり合ったり、

食事をしながらプライベートな話をしてみたり、

チームとしてもどんどん深く良い方向にまとまってきております。

さて、私たちおりづるプロジェクトは、世界各地の寄港地での証言活動を通して

核兵器廃絶を訴えるだけでなく、船内でも企画や証言会をして

たくさんの方々に関心を持ってもらう活動をしております。

説明だけではイメージが掴みにくいと思うので、こ

れまでの船内活動を報告させて頂きたいと思います。

まずは8月19日、

出航の翌日にチーム紹介企画がありました。

そこに、おりづるプロジェクトも参加させて頂き、

スタッフの佐久間さんによるプロジェクト活動内容の紹介をしました。

短い時間でしたが大きなイベントで若者も多く、

沢山の方におりづるプロジェクトについて知ってもらう大きな一歩となりました。

イベントの最後には、おりづるパートナー募集の呼びかけをしました。

おりづるパートナーとは、おりづるプロジェクトに関心を持って

私たちと共に活動したり、サポートしてくださったりする方たちのことを指します。

第一回目にしては、沢山のパートナーさんが集まってくれたように思いました。

8月23日には、「はばたけ!おりづるプロジェクト」という題おりづるプロジェクト単体の紹介企画を行い、全員で登壇しました。

おりづるプロジェクト紹介企画

流れとしては、まずおりづるプロジェクトとは何かを説明した後に

参加者紹介をして、台湾での証言会の報告会と質疑応答を行いました。

参加者紹介

参加者紹介の際は被爆者の方々のキャラクターや個性を知ってもらうため、

趣味や過去のエピソード等をユース二人で引き出して、

楽しいトーク会を目指して工夫しました。

8月24日には、「核兵器はなくせるの?」という題で

川崎哲さんによる講演会を行いました。

川崎さんの講演会は乗船前にも映像で何度か見ていたのですが

何度聞いても分かりやすく、本当に勉強になりました。

また、客席の一部に国連平和ポスターを置いて

展覧会を開く等の工夫もしたのですが、公演後にはよりたくさんの人が

ポスターの前で足を止め、関心を深めていたように感じました。

国連ポスターを見る参加者の人たち

講演会後には、「教えて川崎さん!」という題で質問会の場を設けました。

講演会の会場の規模が大きく、聞きにくいこともあるだろうと、

あえて小さな規模の会場で企画しました。

沢山の方々が想像以上の量と深く良い質問を投げかけてくださったおかげで、

本当に良い質問会になりました。

8月25日には、船内で初めての証言会を、坂下紀子さんにして頂きました。

坂下さんはご自身の体験に加え、お母様など御親族の被爆体験も

お話しされているので、「母の記憶 娘の想い」という題で行いました。

坂下さんはおりづるプロジェクトとして二回目の乗船なのですが、

やはり話し慣れていらっしゃりとても良い証言会でした。

坂下さんの証言会

また、今回の証言会ではおりづるパートナーの

リエさんという方に協力をして頂きました。

リエさんはフィットネスインストラクターとして活動しており、

クリスタルボウルという楽器の演奏を得意としています。

また、リエさんのお母様は原爆投下当時キノコ雲をその場で見ていた

という、おりづるプロジェクトにゆかりのある方です。

そんなリエさんには証言会の前座として

クリスタルボウルの演奏を行って頂きました。

クリスタルボウルの演奏

私も司会をしながら聞いていたのですが、本当に心地のいい音で心の響き、

その余韻に浸ったまま証言会を聞いたので坂下さんの言葉がさらに響きました。

また、証言会の最後には、

坂下さんの証言を聞いた方が作詞をしてくれた歌を流しました。

客席からは沢山のすすり泣く音が聞こえ、

たくさんの芸術に包まれた素敵な証言会でした。

証言会後には、「集まれ!おりづるパートナー」という題で

おりづるパートナーとの交流を行いました。

プライベートな話をしながら寄港地の現地の方々に届ける

おりづるのお土産を作成したり良い時間を過ごすことが出来ました。

交流会の様子

8月26日には、「サム×カワサキのバチバチ討論」という題で、

若者と大人の代表が政治に関する討論をする会を行いました。

どんなことにも答えることのできる川崎さんとの討論は

とても勇気のいることだと思いますが、

寒川くんは果敢に立ち向かい、若者視点の意見を積極的に発言していました。

討論会の様子

その後は、森川高明さんによる英語証言会も行いました。

特別地球大学という、船内で勉強をしたい人たちが英語のみで授業をする

グループと、GETという船内の英会話スクールの先生に向けた証言会でした。

英語スピーカー向け証言会

森川さんは、日本国内にとどまらず、アメリカを中心に世界でも証言会を行うほど英語が堪能です。

船内での英語証言会は、森川さんだからこそ出来る企画でした。

通訳を通さない分、より直接的に伝わったと思います。

8月27日には、「深堀俊子さんの話を聞いてみよう」という題で証言会を行いました。

小さな部屋での、こじんまりとした雰囲気での証言会は、

聞き手一人一人との距離が近く、近所のおばあちゃんのお話を聞くような感覚で、

素直に話が入ってきました。若者も多くみんな熱心に聞いていました。

堀越さん

そして夜には、「おりづる報告会」を行いました。

シンガポールとマレーシアでの証言会の報告をユース二人で行い、

それに交えて被爆者の方々からの感想のコメントを頂き、質疑応答を行いました。

報告会の様子

質疑応答では、初めなかなか質問が出なかったのですが、

おりづるパートナーの方が口火を切ってみんなが質問しやすくなるような簡単な

質問をするという協力をしてくださりとても嬉しい気持ちになりました。

マレーシアまでの船内企画を紹介しました。

まだ船に慣れないこともありますが、

少しづつおりづるらしさを出しなが活動を行っています。

文/おりづるユース山崎御園 編集/ピースボートインターン鈴木慧南

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