2008年_第1回ヒバクシャ地球一周(第63回ピースボート)

「証言の航海」を終えての記者会見、そしてFUNKISTミニライブ

1月13日の早朝、モナリザ号は東京・晴海埠頭に入港。午前中、接岸した埠頭のターミナルで記者会見を行い、ヒバクシャを代表して、ブラジル在住の森田隆さん、長崎の中村キクヨさん、広島の田中稔子さんの3名が会見に臨んだ。

ヒバクシャ地球一周 証言の航海-035_01

(記者会見に出席した左から田中さん、中村さん、森田さん)

まず森田さんから、「ヒバクシャ地球一周 証言の航海(通称:おりづるプロジェクト)」を無事に終えたことへの報告と感謝の念が伝えられ、「この航海で出会ったベトナムの枯葉剤被害者やタヒチの核実験被害者などとの交流を通じて、まだまだやるべきことが沢山あることがわかった。残された時間、できることを精一杯やっていきたい」と挨拶があった。

続いて息子を白血病で亡くした中村さんから、「スペインやニューヨークなど訪問した先々、また船内で証言の機会がある度に、2世、3世へと続く可能性のある放射能被害の問題について語り続けてきた。今も、そしてこれからもその思いは変わらない」と今後の活動に対する決意表明の言葉があった。

そして田中さんは、「今回の航海を通じて得たものが3つある。1番目は、核だけでなく戦争、紛争なども含めた世界の被害者と自分たちヒバクシャとが交流できたこと。2番目は、さまざまな分野のエキスパートが水案企画や世代の壁を超えた「船内家族」を通じてヒバクシャ自身が勉強になったこと。そして3番目は、高齢化が進みヒバク証言の風化が危惧される中、若い人たちが関心を持ってくれたことでまだ何かできると希望をもったこと」と振り返った。

その後、質疑応答に移り、旅を通じて印象に残ったことは?との問いに、森田さんは「(枯葉剤被害者と交流した)ベトナムのことが一番だが、(自分自身も訪れた)ニューヨークの国連本部ではじめてヒバクシャが核廃絶を訴えたことも大きかった」と述べた。

自分自身が学んだことは?には、「乗船した当初は、被爆当時の記憶がある人と胎内被爆など記憶がない若い人たちとの間に大きな隔たりを感じたが、4か月間で徐々にその壁がなくなっていった。確かに被爆状況は体験者だからわかることであるが、被害を訴えることだけでなく行動につなげることの意義を強く感じた」と田中さん。

またオバマ次期米大統領(記者会見時)へのメッセージとして、中村さんが「彼に対するこれまでの報道を知る限り、核廃絶に興味があるように見受けられる。就任後は、核のない世界に向け、尽力してもらいたいと願っている」と期待を寄せた。

会見場には、この「おりづるプロジェクト」のテーマ曲『こどもたちのそら』を提供してくれたFUNKISTがスタンバイしており、会見終了後、FUNKISTのボーカリスト、染谷西郷さんが、「この場に呼んでもらえとても嬉しい。毎年コンサートで、広島・長崎を訪れているが、昨年は8月6日、9日にそれぞれの場所を回るコンサートツアーを行った。先ほどの記者会見でヒバクシャの方から『最初は航海を終えればゴールだと思ったが、途中まだまだ自分にできることがあることがわかり、今はここからがスタートだと思っている』と伺った。自分も今まさにそう思っている」とコメント後、『こどもたちのそら』を演奏した。

会見後、森田とともにブラジルから参加した渡辺淳子さんは、「晴海港を見てホッとした。(今回の参加のため)ブラジルを出る時、何としても地球一周を達成したいと決意したが、ようやく念願が叶った。精一杯のことはできたと思う」と感想を話した。

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(世界中から集めたメッセージバナーを前に記念撮影

左から吉田園子さん、中西巌さん、森喜代子さん、吉田功さん)

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(モナリザ号を背に取材を受ける永野和代さん(左から2人目)と福田晴之さん(中央))

午後からは、すべてのクルーズ参加者の下船を待って、同じ会場でFUNKISTのミニライブ交流会が催され、20代を中心とした参加者や出迎えの人たちを含め、総勢300人を越える人々が会場に集まった。最初に『こどもたちのそら』のイントロが流れ、ボーカルの染谷さんが「みんな、お帰り!」と声を掛けると、会場のボルテージは一気に盛り上がる。約40分間もの間、7~8曲が披露され、最後にFUNKISTが演奏する『こどもたちのそら』にあわせ、船内で作ったFUNKISTダンス(参考記事はこちら)が披露され、グランドフィナーレを飾るすばらしい終幕となった。

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(最初から盛り上がりっぱなしのFUNKISTミニライブ交流会)

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(クルーズ参加者からFUNKIST・染谷さんにメッセージバナーが手渡された)

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(FUNKISTが生演奏する『こどもたちのそら』で、ダンス、手話、歌によるコラボレーション)

約1ヶ月近い遅延など、決して順風満帆とは言えなかった第63回クルーズ。もちろん「ヒバクシャ地球一周プロジェクト」もさまざまな影響を受けたが、これを皮切りとして今後も核廃絶、そして平和な世界を作るための取り組みを続けていこうとピースボートは計画中である。
まず
は春以降、今回の「おりづるプロジェクト」の報告会の全国展開を予定している。またクルーズによる「おりづるプロジェクト」第2弾(今夏予定)も併せて検討中だ。詳細に関しては、ピースボートのウェブサイトにて、お知らせすることになるので、今しばらくお待ちいただきたい。

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(イスラエル軍によるガザ攻撃中止を訴えるメッセージバナーを掲げるモナリザ号)

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