1.ヒバクシャ証言の航海

【報告】10月16日(水)第6回おりづるプロジェクト報告会@市ヶ谷

みなさん、こんにちは。
おりづるインターンの鈴木 俊平です。

10月16日(水)に市ヶ谷のJICA地球ひろばにて、第6回おりづるプロジェクト報告会が行われました。第80回クルーズで上で行われた同プロジェクトには、政府からユース非核特使に委嘱された瀬戸 麻由(せと まゆ)と広島、長崎に原爆を投下した飛行機に乗っていた米兵の孫であるアリ・ビーザーもヒバクシャの証言活動をサポートし、これからどうやってヒバクシャの思いを伝えていくのか、旅をとおして考えてきました。その2人も船上、そして各寄港地での証言活動について報告しました。

今回、ヒバクシャを代表して池田 昭(いけだ あきら)さんが、寄港地での証言活動で感じたことや、これからの

報告会は、川崎 哲(かわさき あきら)ピースボート共同代表の挨拶で始まりました。

$    ピースボートのおりづるプロジェクト
挨拶をする川崎 哲(かわさき あきら)ピースボート共同代表

そして、第6回おりづるプロジェクト担当者であり、乗船前から乗船後までヒバクシャをサポートした古賀 早織(こが さおり)からは、今回の旅の概要や成果などの報告がありました。また、アウシュビッツ訪問や、原爆投下を決断したトルーマン元米大統領の孫であるクリフトン・ダニエル・トルーマンさんを迎えての「世代を超えた和解の模索」の様子などをお話させていただきました。

次に、政府からユース非核特使に委嘱された瀬戸 麻由(せと まゆ)とヒバクシャ代表として池田 昭(いけだ あきら)さんから証言の様子や、旅を終え、これからの継承をどう行っていくのかを伝えていただきました。

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ユース非核特使として世界各地で証言活動をしてきた瀬戸 麻由(せと まゆ)さん

瀬戸さんは、今回の旅で「どうして自分はこのような活動をしているんだろう」と自分に何度も問いかけ続けました。そして気づいたのは「ヒバクシャの声を届けていくことではない。ゴールは核兵器の無い世界を私たちは作っていかなければいけない。だから私はヒバクシャとともにこの活動をしなくてはいけないんだ」と感じれたことが、一番大きかったと言います。ヒバクシャの声を聞くだけでなく、それから学び、「核のない平和な世界」を実現するために行動する、という熱意が伝わってきました。

また、瀬戸さんは船内でヒバクシャ、おりづるパートナーと共に旅の様子をもとに制作した紙芝居をもとに報告を進めました。

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旅の様子を紙芝居にして伝える瀬戸 麻由(せと まゆ)

長崎で当時12歳の時に被爆された池田さんはメキシコのメキシコシティーで証言されました。核廃絶へ向かうどころか、一昨年の原発事故による放射能問題やアメリカの核の傘に守られている状況への懸念や、広島、長崎の両市長が進める平和市長会議について「ヒバクシャとして涙が出るほど嬉しい」と発言なされました。

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各寄港地での証言会の様子などを語る池田 昭(いけだ あきら)さん

また、「核のない世界は決して夢ではありません。ヒバクシャは市民活動の原点である被爆の実像が風化しないよう、証言を続け、将来に継承していきます」とヒバクシャとして、平和へかける熱い思いが詰まった言葉が印象的でした。

「国レベルではヒバクシャに対する一人の人間としての視点が欠けている。NGOあど市民レベルの自治体で初めて人間性という言葉が現れてきます。市民レベルの被爆体験の風化をさせてはならない」との言葉は、原爆投下から68年の月日が経つ間のヒバクシャの苦しみが感じ取れました。

先日、日本政府が核兵器の非人道性に関する共同声明に賛成する方針のニュースを見て、とても重要だと感じるとともに、さらにもう一歩前へ国レベルで踏み出すことへの期待を申し上げられました。

最後に、レポーターとしてヒバクシャとともに行動してきたアリ・ビーザーさんは今回のクルーズに乗った理由や将来の目標である日本、アメリカ両側の視点から見た原爆投下の歴史に関する本の執筆について話しました。アメリカでは自分たちの視点からこの出来事について知ってはいるが、日本側の方がどのような思いをしてこの出来事を感じているか、伝わっていないと思ったことが本の執筆の主な理由だと言います。

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英語で船内レポートを執筆したアリ・ビーザー

「ピースボートに乗船して気づいたことは、アメリカの人たちが日本人の視点を知らないように、日本人もアメリカ人の視点、考えを知らないということに気がつきました。気がつけば旅を通して2000人以上の人にメッセージを伝えてきました。アメリカと日本のどちらが悪かったという議論では前に進めない。お互いが目指すものはなにか、を探る旅でした」という発言からは、過去の責任追及ではなく、どうすれば平和な未来を実現できるのか考えていこうとする彼の思いが伝わってきました。

また、船内イベントでヒバクシャの大村 和子(おおむら かずこ)さんやクリフトン・トルーマンさんとの交流会で行った日本語のスピーチを披露しました。

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  ピースボートのおりづるプロジェクト
【質疑応答の様子】瀬戸 麻由(せと まゆ)さんと池田 昭(いけだ あきら)さん

旅のテーマである「継承」を進めていくために、ユース非核特使など、若い世代が共に証言活動に従事した今回の航海。始動したばかりのプロジェクトなために、手探りをしては成功と失敗を繰り返してはいますが、回を重ねるたびに色々な学びがあります。今回の旅で得たものを糧に、来年春を予定している第7回おりづるプロジェクトに生かせればと思います。

この報告会の様子はU-Streamでご覧いただけます。下記リンクから↓
▼http://www.ustream.tv/channel/peaceboat-live

(おりづるインターン 鈴木 俊平)

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