1.ヒバクシャ証言の航海

「被爆者と若者が共に作る未来」をテーマに、第7回おりづるプロジェクト出航!

船の前
出航前のおりづるメンバー

第7回おりづるプロジェクト(8名の被爆者と2名のおりづるユース)を乗せて、第83回ピースボート「地球一周の船旅」が3月13日、横浜港を出港しました。今回の テーマは「ヒバクシャとユースが共に作る未来」。寄港地での活動としては、各地での証言活動の他、ポーランドのアウシュビッツ強制収容所跡地でホロコースト生存者や現地学生との交流、フランスによる核実験が行われたタヒチでは、核実験被害者との交流などを予定しています。

出航を記念して開かれた記者会見では、広島の爆心地から3.5キロの地点で被爆した服部道子さん(85歳)が今回はじめてパスポートを取得したことを告白しました。会場を驚きのうずに巻き込んだ直後、服部さんは決意に満ちた声で語りました。
服部さん@出航
「今回ピースボートに乗船できることを嬉しく思うとともに、非常に大きな責任を感じています。こ の機会に世界の多くの人たちと話し合い、核兵器や放射能をなくす努力をしていきたいと思います。被爆当時16歳で看護業務をしていました。私は幸いにして生き残りましたが、私が体験した広島の地獄 絵の様子を忘れることはありません。その中で、三日三晩寝ないで何千人もの人たちを看取って、火葬にしてきました。私自身も肺がんを煩っていますし、被爆者としての苦しみを味わっています。私は、何万年も処理できない放射能を、未来の人のためにこれ以上残したくないと思っています。」

おりづるユースの浜田あゆみさん(28歳)は高知県出身。留学した先のカナダでは、井上ひさし原作の「父と暮らせば」をプロデュースして上演。現在は役者として活動しています。
浜ちゃん@出航
「演劇には、痛みを受けた人の気持ちに共感をもたらす力があると思っています。私は、演劇をしてきた経験を活かしながら、船上の同世代の若者や世界の人たちに被爆者の思いを届けていきたいと考えています」と語りました。

もう一人のおりづるユース特使、福岡奈織さん(21歳)は広島県出身の被爆三世です。高校時代から広島・長崎の証言を伝えるなど積極的に行動をしてきました。
なおちゃん@出航
「これから世界を担っていくのは私たち若い世代です。その若者に被爆者の方たちが一生懸命語ってくれる気持ちに応えたいと思っています。また、被爆者と若い人たちをつなげる架け橋になりたいと思っています」と静かに、しかししっかりとした口ぶりで語りました。

出航を迎えたこの3月、2011年3月11日の東日本大震災から3年を迎えました。「この経験を通じて私たちが何をしなければいけないのかということを考えるべき時期が来ています。広島・長崎 の体験があり、そしていま福島を体験している私たち日本人は、放射能の問題を、国境を越えて伝えていく責任があると思っています。この時期にヒバクシャの 方や福島の人たちと世界をめぐるということは重要な意味を持つと思います」とピースボートの吉岡共同代表は語りました。

<掲載メディア>
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/lifestyle/article/75556
ピースボート、横浜出港 被爆者や福島の中学生ら
2014年03月13日(最終更新 2014年03月14日 00時29分)

横浜港から出港する「ピースボート」の船=13日午後
広島、長崎の被爆者8人らを乗せた非政府組織(NGO)「ピースボート」の船が13日、横浜港から出港した。約3カ月をかけて計18カ国20カ所に寄港し、現地の若者らとの交流で核廃絶や平和の尊さを訴える。今回が83回目の船旅で延べ約900人が参加。東日本大震災で被災した福島県南相馬市の中学生12人も一部で参加する。

16歳の時に広島で被爆した経験を持つ服部道子さん(85)は出港前の記者会見で「あの日あの時、広島で感じた恐ろしさを各国の人々に知ってほしい」と力強く語った。初めてパスポートを取得して参加したという。

http://mainichi.jp/area/tokyo/news/m20140314ddlk13040162000c.html
ピースボート:被爆語り伝える地球一周航海に /東京
毎日新聞 2014年03月14日 地方版
広島、長崎の被爆者8人らを乗せたNGO
「ピースボート」の船が13日、横浜港を出港した。被爆の苦しみと放射能の恐ろしさを海外に語り伝える「ヒバクシャ地球一周
証言の航海」で、7回目。仏 領ポリネシアのタヒチで核実験の被害者と交流するなど、104日をかけて18カ国20カ所に寄港する予定。
出港に先立つ12日は、外務省の非核特使、ユース非核特使に委嘱された被爆者らが記者会見した。広島で被爆した中村元子さん(69)は「被爆2世、3世に
病気が出ている」と長期的な影響を懸念。長崎で被爆した計屋道夫さん(76)は「被爆地の惨状は海外では知られておらず、現実は厳しい。核廃絶へ向け、私
たちが草の根で訴えていく以外にない」と力を込めた。【吉富裕倫】

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