1.ヒバクシャ証言の航海

3月23日シンガポールで証言会を行いました!

続いて、3月23日に寄港したシンガポールでの証言会の報告です!
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日本を発って10日、シンガポールへ到着!さて、シンガポールのおりづるツアーでは、まず「血債の塔」と言う、太平洋戦争の日本の侵略下に日本軍に殺された人々を祀る塔の見学に行きました。

何人の人々がそこに眠っているのかは分からないそうですが、ヒバクシャの皆さんと私たちプロジェクトメンバーは追悼の気持ちを持って、そこの地を訪れました。シンガポールは真っ青な空で、四本の柱で立つその真っ白な塔は異様に美しかったです。

その後はちょこっと観光へ。青い空、青い海、マーライオンと、そして不思議な形の現代的なビル群はまさにシンガポール!という感じ。マーライオンを見学の後は国立博物館へ行き、現地に住むミュージアム日本語ガイドグループのよう・たかこさんにご説明頂き、シンガポールの歴史の中の、太平洋戦争時代のシンガポールの暗い過去の部分のご説明を頂きました。現代的な博物館で、プロジェクションや照明の効果もあり、日本の加害の歴史はドスン、と私たちの胸に響きました。

昼食後、国立図書館へ。そこでは齋藤梨津子さんという、まだ若いながら演劇を通じてシンガポールでどう歴史を継承していくかというプロジェクトの立ち上げと翻訳に参加された方の今までの活動のプレゼンテーションをして頂き、その後ディスカッションも行いました。

国立図書館

会場となった最上階のホールからはシンガポールの町並みが一望できました

そしていよいよ証言会の開始です。ピースボートに乗っている日本人のおりづるパートナーの方たちも観光終わりに来て下さったこともあり、現地の方も合わせて約100名近くが集まって下さいました。高校生や大学生も多く、記者の方もたくさんいらっしゃいました。

受付の様子

会場にはたくさんの方々が来てくれました

会では、シンガポール国連協会のリー・クワン・ブーンさんに核廃絶運動についての国際的な視点についてのお話、そしてピースボートとおりづるプロジェクトの紹介、そしてヒバクシャ代表として、李鐘根さんの挨拶がありました。

オープニング挨拶をしてくださったリー・クワン・ブン氏

ピースボートが被爆者と共に世界で活動する意義を話す川崎哲

スピーチをする李鐘根さん

そしてわたしは先日の船内の時の朗読を英語で、そしてはっちゃん(服部道子さん)の証言が行われました。

服部道子さんの被爆経験を演劇で伝えた浜田さん
浜田さんの演技に会場は一気に引き込まれました

浜田さんのパフォーマンス後には会場から大きな拍手が!

服部道子さんはこの日のために何度も証言原稿を書き直し、
ユースや通訳ボランティアさんと一緒に練習してきました

真剣な眼差しで皆さん聞いてくださり、その後の質疑応答や小グループに分かれてのディスカッションも、沢山の意見や質問が飛びかい、とても充実した会となりました。

とても印象に残ったのは、必ずシンガポールの方たちが、「Thank you for sharing」(あなたの話を聞かせてくれてありがとう、又はシェアしてくれてありがとう、の意)とヒバクシャの方に言っていたこと、

そして、「なぜ戦争はまだ続いていると思いますか?どうしたら辞められると思いますか?」という17歳の高校生が質問でした。なかなか答えが見つからず、服部さんはその少女に「ちゃんとあなたの答えに答えられなくてごめんなさい」と言っていた姿がとても印象的でした。

その他にも、ディスカッションで「あなたは原爆を落としたアメリカを恨んでいますか?」の問いに、ヒバクシャの方が、「戦争をしかけたのは日本だと思います。シンガポールや、他のアジアの人たちに申し訳ないと思っている。謝りたい。」とおっしゃいました。その質問をしたシンガポールの方は大きくうなづいていましたが、ヒバクシャの方が「これからは手をとりあいましょう。」と言うと、すぐさま右手を出して、大きな握手を二人でしていました。

その瞬間はとても考えさせられるものがありました。憎むことでは未来に進めないけれど、気持ちが繋がればそれは大きな力になっていくのだと思います。「戦争を辞める方法」はきっと、これしかないのだと、このシンガポールにてひしひしと感じました。

(おりづるユース特使 浜田あゆみ)

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