1.ヒバクシャ証言の航海

ロシアに鳴り響いた「長崎の鐘」と「ふるさと」 in サンクトペテルブルグ

2015年7月25日、第8回おりづるプロジェクトは105日間の証言の航海を終えて、無事に帰国しました。遅くなってしまいましたが、クルーズ中の寄港地プログラム報告をさせていただきます。

記録ドキュメンタリー映像:『I Was Her Age /過去と今の対話』

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2015年5月31日、核保有国であるロシアを訪れました。今回、おりづるプロジェクトはロシアのサンクトペテルブルグで証言会を行いました。
まずはじめに、NGO団体の方々やジャーナリストと核政策や環境問題について、率直な意見交換をしました。

 

意見交換会の始めは、緊張した雰囲気でした

 

その中に、自分の父親がむかし日本人を戦争で殺したことがあるという方がおり、頭を下げてくださったのが印象に残っています。謝る本人は日本人を殺していないのに、自分の身内が殺してしまったと言う事実を世代を越えて謝る言葉がとても心に響きました。平和とはこうして一歩一歩、世代を超えて草の根のように進んでいくんだなと感じました。

 

私たちを前に謝罪を始めた男性


そして何よりロシアでビックリしたことは、核保有国であるロシアになんと長崎の鐘があったことです!鐘のあるアカデミカ・サハロヴァ公園で献花し、長崎の被爆者である三田村シズ子さんと森田博満さんが一緒に、長崎の鐘を鳴らしその綺麗な音がサンクトペテルブルグに響きました。ロシアの日本を学ぶ学生の方々が、一本一本花を添えていてとても素敵な交流が出来ました。私たちはそこで長崎の鐘の歌を被爆者・ユース一同、届けました。また、レニングラード包囲網での惨状を学び、犠牲者の墓地にも献花もしました。

 

長崎の二人が「長崎の鐘」を鳴らしました


そして場所を移し、証言会場へ。サンクトペテルブルグ市の受け入れで、国際協力協会にて日本語を学ぶ学生に向けて証言会でした。発表者は、長崎で被爆した三田村シズ子さんとユース非核特使の岩本麻奈未です。会場へ着くとなんと!グランドピアノがある事実に気づき、急きょユースの岩本は即興で三田村シズ子さんの証言の中にピアノ演奏を導入することを決めました。今までの寄港地の証言会にない、ピアノの生演奏を入れた三田村シズ子さんの証言となりました。

 

ピアノの演奏で証言を支える岩本

今回の会でどれだけのメッセージが伝わったでしょうか?日本語を学び、日本に興味を持つ学生たちに、三田村さんは、最後に言いました。「戦争を始めるのは人間ですが、平和を築きあげることができるのも、私達人間なのです。」

 

 

穏やかに語りかける三田村さん

私達の思いや声が届き、きっと何か行動に移してくれると信じて。わたしたちの航海は、続きます。

 

日本語を学ぶ学生と


(文・おりづるユース 岩本真奈未、スタッフ 渡辺里香 / 写真・鈴木慧南、エマ・バゴット)

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