1.ヒバクシャ証言の航海

誰かをヒバクシャにすることができる世界を、いつまで選び続けるのか。@ニューヨーク

みなさんこんにちは、おりづるユースの安藤真子です。

 

ニューヨーク2日目には国連を訪問し、現在行われている第一委員会のサイドイベントにて証言を行いました。

 

国連本部に到着した私たちはまず国連ツアーに参加し、国連が何を目的にした組織なのかということを学びました。国連が掲げる3つのテーマは「平和」「人権」「開発」です。安全保障理事会の会議場にも行くことができました。この会議場に書かれている大きな絵は、戦争をしている世界と、戦争が終わり平和になった世界が描かれているそうです。

国連ツアーをあとにした私たちは、軍縮会議日本政府代表部の高見澤大使との面会を行いました。

ここでは半周どのようなことを行ってきたのかという報告を行い、日本の核兵器禁止条約への賛成を求めました。

高見澤大使は国際情勢が去年に比べても厳しいことを念頭におき、核の問題だけでなく全体の問題にしっかり取り組んでいかなければいけないと述べました。

やるべきことはなかなかわかっているがどうやって実行していくかの部分の答えが明確になっていないためできないと加えました。そして見えない部分で行っていることもあると主張しました。そして最後に、11月1日に行われる予定の核兵器禁止条約に関する国連決議投票について、おりづるプロジェクトとしてはせめて反対するのではなく棄権してほしいお願いしました。

 

続いて、国連訪問の目的であったサイドイベントです!

このサイドイベントは、メキシコ・オーストリア国連政府代表部の共催で開催されました。

様々な国の政府関係者、メディアの方々が参加しました。

ピースボートの川崎より挨拶をし、ユースとして私がスピーチを行いました。

「いまこそ、どのような未来を選ぶのかが問われています。誰かをヒバクシャにすることができる世界を、いつまで選び続けるのでしょうか。核兵器という兵器をもって国際平和を保とうとする考えがすでに非人道的だと言いたいです。わたしはこのような世界を次の世代に渡したくはありません。変えていけるのは私たちであり、ここにいる人々です。どうか、真剣に核について向き合ってください」という趣旨のメッセージを伝えさせていただきました。

 

そして塚本さんが英語で証言を行いました。核と人間は共存できないということを強調し、自身と両親の被爆について話しました。そして最後には峠三吉の「にんげんをかえせ」を朗読し締めくくりました。

証言後に「核兵器禁止条約に反対している人にどのようなことを言いたいですか」という質問に対して塚本さんは「原爆は広島と長崎に落とされたのではなく、わたしたちの世界、人類に落とされたのだと考えてほしい」と力強く答えました。

 

オーストリア大使のエリザベートさんは「核兵器は到底容認できるものではない。すべての
反核運動はヒバクシャの想いからきている。核兵器禁止条約を広め、早期発効を目指さなければならない」とコメントしました。

メキシコ大使のメンディオレアさんは「核兵器は人道に反する。核兵器を持つということはヒバクシャの存在を否定することである。このような兵器で威嚇することは明らかに人道に反する。また、核不拡散条約(NPT)と核兵器禁止条約は相反すると指摘する人もいるが、矛盾するものではない。早く核兵器禁止条約に効力を持たせたい」とコメントしました。

左からオーストリア大使、メキシコ大使

※右から3番目エルサルバドルの大使

※NGO職員

 

最後にピースボートの川崎哲が「核について考えるにおいて大事なのは人道的側面を考えることだ」と締めくくりました。

このような機会を作ってくださったメキシコとオーストリアの大使にはとても感謝しています。直接的に世界を変えていく立場にある方々にメッセージを伝えることができたと感じています。

 

そして私たち同時多発テロの資料館に行き、生存者のピーターさんから直接お話を伺いました。ワールド・トレード・センターの歴史から説明して下さり、また月11日当日の個人的な体験のことを話して下さいました。2001年に6歳だった私はあまり同時多発テロに関するニュースなどの記憶がありませんでしたが、生存者の方の話を聞くことで本当にこのニューヨークで起こったことなのだと感じることができました。

 

 

資料館をあとにした後、実際にグラウンド・ゼロに訪れました。メモリアルには同時多発テロで亡くなったすべての人の名前が刻まれており、ところどころ名前に花がさしてあり、亡くなった方の誕生日になるとこうして花をさすそうです。

 

 

日間寄港したニューヨークではこのプロジェクトの意義や成果を感じることができました。高校時代に署名活動を始めたころから、いつか旅行としてではなく活動として国連に訪れたいと願っていた1つの目標を叶えることができました!これから中南米を訪れますが、横浜に帰港するまでニューヨークで感じた意義を忘れずに走り抜けたいと思います。

 

おりづるユース 安藤真子

 

【メディア掲載情報】

10月31日付け 毎日新聞 被爆・塚本さん、核禁止条約「早期発効を」

https://mainichi.jp/articles/20181031/k00/00e/030/168000c

10月31日付け 東京
新聞 「核保有は恥」禁止条約発効訴え 杉並の被爆女性が国連演説

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201810/CK2018103102000277.html

10月31日付け 共同通信 国連で核禁止条約「早期発効を」被爆者と推進国が会合

https://this.kiji.is/430146227343606881

10月31日付け 時事通信 核禁止条約早期発効、国連で訴え=救護被爆者の塚本さん

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018103100211&g=soc

10月31日付け The Japan Times A-bomb survivor, supporters call on nations to join nuke ban pact

https://www.japantimes.co.jp/news/2018/10/31/national/bomb-survivor-supporters-call-nations-join-nuke-ban-pact/#.XEFaUTFb-G8

 

 

 

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