2019年_パナマ~米国、スペイン~ギリシャ(第102回ピースボート)

船上証言会でマルセイユの若者たちと意見交換

11月6日はマルセイユ港に寄港。午前中は記者らが集まった会見が行われました。主催したのは、ICANフランスと市民団体「平和運動」。La Rove市のGeorges Ross市長、地元の主要メディアである「La Marselillaise」や、La Rove市の記者の取材者にくわえ、環境問題に取り組む学生ら、総勢40名が訪れました。La Rove市は、ICANが世界全体で促進しているICAN City Appealに今年9月に署名しており、これを機に平和首長会議に参加する方向。マルセイユの高校生らは、同級生や後輩らに証言を見て聞いてもらおうと、坂下さんの証言を中心に動画に納め、インタビューも行いました。
「アンドラでは外務大臣に会うことができました。また、バルセロナ市も核兵器廃絶を進めていくと話してくれました。署名や批准を進めていくには、各自治体の働きかけ、そして一人一人の主張が必要です」

記者会見で集まった記者たち
翌朝の掲載記事

船内での昼食を挟み、さらに人数を増やし、3時間近い証言会と質疑応答が行われました。パワーポイントに準備していた原爆投下当時の写真や、核兵器の威力、熱線と爆風と放射能の影響。環境や軍縮を学ぶ学生達は、そういった知識をメモに取りながら、坂下さんのお母さまから聞いた惨状やご自身が乗り越えてきた苦悩が伝わると、息を飲んで聞き入りました。

学生たち

原子爆弾は投下後しばらく、放射能をふくんだ原子爆弾ということは知らされず、これまでになかった症状に苦しみました。知らされた後には、仕事と結婚において差別を受けました。それについてある若者が、「差別を受けた経験はありますか?」と質問。坂下さんとの結婚を考えたある男性は、ご自身のお父さまに相談をしたそうです。すると、「数十万人の亡くなったあの原爆から生き延び、おまえの前に現れたお嬢さんだ。きっと平和と幸せをもたらしてくれるだろう」と後押しし、結婚にいたりました。いまのお連れ合いです。坂下さんは、数年前にすでに他界したその義理のお父さまのためにも、証言を続けたい、と強い意志を語りました。

最後に、共催者である「平和運動」のミッシェルさんから、友情の象徴として「鳩の絵」が贈られました。坂下さんからは、おりづるバッジをプレゼントしました。

平和運動のミシェルさんから贈られた鳩の絵

マルセイユと翌日のモナコ滞在中の日仏通訳してご同行いただいた井原さとこさんは、広島ご出身。30年以上前からフランスに渡り、いまではボルドーにてご家族と暮らしています。核兵器廃絶関連の通訳を始めたのは、ここ数年。お姉さま、親類の方々は早くから平和活動をされていましたが、さとこさん自身は踏み切れなかったそうです。数年前にお父さまが亡くなり、大切にしていた遺品、高く積まれた手記を見て、私も何かやらなければと感じ、関わるようになったそうです。そんな井原さんに坂下さんは、「始めるのに遅いも早いもないのよ。関わってくれて嬉しい」と優しく語りかけました。どんなきっかけでも、運動の一部となるひとが増えていったら、世界は変わっていくと、坂下さんの言葉で再認識しました。

ノーベル賞メダルと、さとこさんと一緒に

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