はじめまして。
今回の「ヒバクシャ地球一周証言の航海」にユース特使として
参加させていただいている寒川友貴と申します。
企画で話す寒川
これから船の上より、おりづるプロジェクトの活動紹介をブログで発信していきますので、どうぞよろしくお願いします。
まず、はじめに私の自己紹介をさせていただきます。
私はこれまで、若者に政治に関心を持ってもらうための啓発活動を行っておりました。
具体的には、選挙権を持たない高校生を対象に、選挙での投票を体験してもらう模擬選挙や政治や選挙の仕組みを解説する出前講座などを実施していました。
この経験を生かして、被爆の経験を持たない若い世代にも被爆の実相や核兵器の恐ろしさを継承していきたいという想いで、今回参加させていただいています。
では早速、先日8月22日に訪れた最初の寄港地である
台湾での活動を報告させていただきます。
台湾では「原発」をテーマに活動を行い、現地で反原発の運動を展開している「Last Push」という団体に受け入れていただきました。
おりづるプロジェクトは被爆の実相を伝えるために活動をしていますが、核という共通点で今回は原発をテーマに活動を実施しました。
まず最初に訪れたのは仁和宮という道教の神社です。
ここでは「マーツー(マソ)」という神様が祀られており、原発の近くにあることから、反原発の活動家の心の拠り所となっています。
仁和宮
次に第4原発を訪れました。
この原発は台湾にある原発の一つで、建設の続行や稼働をめぐって国内で大きな物議を醸しています。
そのため、立ち入りは制限されており、多くの警察官が警備にあたっていました。
この原発の入り口の前で反原発を訴える横断幕を参加者で掲げ、抗議やアピールを行いました。
台湾の第四原発
その後、山を登り周囲を一望できる場所へ移動しました。
そこから見る景色はとても美しく、まさしく絶景だったのですが、不調和な原発の存在に違和感を強く感じました。
原発は海の近くに位置していることで、環境破壊に繋がっていることや津波の危険性など第4原発が抱える大きな問題を目で見て感じることができました。
昼食後、地域のコミュニティーセンターで証言会を実施しました。
証言会では被爆者を代表して田河豊子さんが証言をされました。
田河さんは6歳の頃、長崎で被爆をされました。
そして、ご自身の経験はもちろん、原爆で重傷を負い、数日後に命を引き取られたお兄さんのお話をしていただきました。
台湾の方々も実際に被爆をした被爆者から証言を聞くのは初めてだったらしく、大変興味深く話を聞かれていました。
証言をされる田河豊子さん
その他にも、福島出身であり、ピースボートスタッフである佐久間が、福島の教訓をテーマにプレゼンテーションをしました。
主な内容としては、福島での原発事故を教訓に、どのようなことを台湾の人たちに伝えることができるのかということでした。
福島出身である彼の想いが強く込められていました。
次に現地の方々から台湾の原発の現状についてのお話がありました。
反核自救会の会長からは第4発の歴史や計画や建設への経緯を教えていただきました。
Last Push代表の方からは近年、盛り上がりを見せている反原発運動についての説明をいただきました。
台湾では若者を中心に反原発をテーマとしたデモや音楽フェスが行われているということでした。
その後、証言や発表についての意見交換を実施しました。
日本側、台湾側双方から現状に関する質問や、現状を踏まえた原発、核の未来について熱い議論が交わされました。
それぞれ、原発政策や状況、原発を導入した経緯などは異なりますが、核や放射線とどのように向き合っていくのかということは共通の課題であり、今後解決していく必要があると強く感じました。
最後に、受け入れてくださった現地の方々にお礼として、日本からのお土産を渡しました。
おりづるを使ったレイなどを差し上げ、大変喜んでいただけました。
今回の台湾での証言会は、初の寄港地での活動ということで
慣れないことも多く、なかなか思い通りに進まないことも多々ありましたが、
そこから出てきた改善点をこれからの活動へとつなげていきたいと思います。
今後ともよろしくお願いします。
(文・写真/おりづるユース寒川友貴、山崎御園
編集/ピースボートインターン鈴木慧南)