1.ヒバクシャ証言の航海

核兵器禁止条約について洋上会議を開催しました

これまで第3回ヒバクシャ地球一周・証言の航海についてお伝えする中で、世界の寄港地での証言活動・平和交流に加え、ヒバクシャ代表団のニューヨーク・核不拡散条約(NPT)再検討会議への参加にふれました。NPT再検討会議は5年に一度開かれるものですが、2010年の今回の会議では、核保有国と非核保有国の間の難しい折衝が繰り広げられた結果、最終文書ではじめて、核兵器を普遍的に禁止するという条約「核兵器禁止条約(NWC)」が言及されました。

 このNWCを実現させるプロセスを前に進めるため、今回の第69回クルーズにおいてピースボートは、ノルウェー・ベルゲン(6月10日)からアイルランド・ダブリン(6月14日)の間にて、NWCに関する洋上会議を主催しました。

 ベルゲンでのシンポジウム(記事URL参照)の後、以下8名の会議参加者がピースボートに乗船しました。

リサ・クラーク (核軍縮・不拡散議員連盟(PNND)イタリア・コーディネイター)
ジャンマリー・コリン (PNNDフランス・コーディネイター)
スー・ミラー (イギリス上院議員、PNND共同代表)
エロス・サナ (ジャック・ミューラー・フランス上院議員議会補佐)
ランディ・ライデル (国連軍縮部上席政務官)
アーロン・トビッシュ (平和市長会議2020ビジョンキャンペーンディレクター)
アラン・ウェア (PNND国際コーディネイター)
ティム・ライト (核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)コーディネイター)

 ノルウェーのフィヨルドを通り抜けた洋上会議初日の6月12日(土)、第一セッション終了後、ヒバクシャと会議参加者の対話の機会が設けられました。核兵器が個々人にどれほど残酷で長期間にわたる影響をもたらすのか、兒玉光雄さんが写真やデータを用いた証言で伝えました。

ピースボート ヒバクシャ地球一周 証言の航海-nwc7
放射線が傷つけた染色体は二度と正常に戻ることは無い

 参加者からは、現在ヒバクシャが直面している困難や差別について尋ねる声が挙がり、全員で盛んに対話が行われました。

ピースボート ヒバクシャ地球一周 証言の航海-nwc4
洋上会議参加者とヒバクシャで記念撮影

 その中から、今年の8月6日、65年目の原爆忌に広島を訪れる予定の潘基文国連事務総長にあてて、彼を支える立場で軍縮部に勤務するランディ・ライデルさん経由で、ヒバクシャからの手紙を書いて送るというアイデアが生まれました。皆で協力して手紙が起草され、提出されました。(手紙の文面はこちら

 また、いつも多忙な皆さんに、短い洋上生活の中でも日本とピースボートの文化を存分に体感してもらおうと、日本文化紹介企画を行いました。800人を超すピースボート一般乗船者にとっても、通常なかなか国連や各国政府、NGOといった国際政治の現場で活躍している実務者と出会う機会は少ないはず。6月13日(日)、まだ空の明るい夕方、舞台では小倉祇園太鼓の演奏、続いておりづる合唱団の歌声が響きました。

ピースボート ヒバクシャ地球一周 証言の航海-nwc2
おりづるパートナーと有志で結成、平和の歌を高らかに

 そして三線演奏では、にぎやかなカチャーシーで参加者全員総立ちに!拍手の中、「9条ダンス」の力強い踊りで締めくくった後は、お習字や折り紙ワークショップに移行して、ヒバクシャや一般参加者と一緒に和やかな時間を過ごしました。また、ドキュメンタリー映画「フラッシュ・オブ・ホープ ~世界を航海するヒバクシャたち~」上映会も行い、核廃絶へのピースボートの取り組みについて観ていただきました。

ピースボート ヒバクシャ地球一周 証言の航海-nwc1
ティムさん(左)はオーストラリアの小学校でも折り鶴を折っていたそう

 洋上での3日にわたる会議では、核兵器禁止条約について様々な方面から議論が行われ、そのまとめとなる報告書を作成し、これからの議論のたたき台として広く利用されるようにまとめることが決定しました。これら会議の結果に加え、現在の核をめぐる様相や、会議参加者の日頃の取り組みについて、ピースボート参加者に向けたトークセッションを2回行いました。   

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英語セッションでは若者から盛んな質疑応答が

ピースボート ヒバクシャ地球一周 証言の航海-nwc5
各団体の活動をスライドを交えつつ発表

 14日(月)に行われたアイルランド・ダブリンでの記者会見では、会議の成果報告とともに、会議参加者のスー・ミラー英国上院議員も共同代表である核軍縮・核不拡散議員連盟(PNND)とピースボートとの間で、これからの活動において協力していく旨の提携覚書を発表しました。また、ヒバクシャ全員で書いた事務総長に宛てた手紙と共に、ヒバクシャの盆子原國彦さんも力強く一刻も早い核廃絶を訴えました。

(文中リンク共同通信記事 写真:14日の記者会見で署名したヒバクシャの手紙を掲げるライデルさん)

(小松真理子)

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