1.ヒバクシャ証言の航海

大西洋上・船内でのおりづる活動

地球一周の船旅もあっというまに2ヶ月が過ぎました。大西洋を渡りきる8日間、ヒバクシャ一行もさて骨休め、かと思いきや、船内での活動のチャンスです。

まず6月19日(土)、「ぜんぶ見せます!おりづるプロジェクト!」と題して、おりづるプロジェクトの報告会を行いました。ピースボートが寄港している間、ヒバクシャ一行がどのような活動をしているのか、洋上の時間を活用して、ピースボート参加者のみなさんに知っていただこうとの企画第2弾です。今回は、各寄港地で撮影した写真と、ヒバクシャの訪問をとりあげた新聞記事やインターネット、またテレビといったメディアを用いて、サファガ(エジプト)からダブリン(アイルランド)までの活動を見ていただきました。一般参加者からは、「ヒバクシャが多くの国で公式に受け入れられ、反核・平和のメッセージを広げているのはすごい」との感想があがりました。

また、原爆についてもっと知ってもらおうと、原爆についての資料を展示する「おりづる平和資料館」も開催しました。日本語での展示に加え、今回はダブリンから乗船した水先案内人やベネズエラ・オーケストラのメンバーにも理解してもらうために、スペイン語のポスターも掲示しています。5日間の展示の間、ヒバクシャ9名が交代で番をし、訪れる人々に説明をしたり、語り合っています。盆子原國彦さんは「若い人が、人生相談のようなことを話しに来てくれることもある。人生の先輩として、いろいろ話せるのがうれしい」と目を細めていました。

6月22日(火)には、アウシュビッツ展示報告会を行いました。ピースボートからは、ヒバクシャ一行の他にも、約50名ほどの参加者の方々が別行程でポーランドにあるアウシュビッツならびにビルケナウ強制収容所を訪れています。訪問は6月初めでしたが、そのときもそれからも、折にふれて、思い、考えさせられることの多い経験でした。それぞれの想いを分かち合いたい、そしてまた行っていない人々にも伝えたいという声から、今回は、報告者が小さなグループをつくって展示をし、会場内を自由に廻覧する人々と少人数で直接対話ができるような形態の報告会になりました。当日は200人ほどの参加者があり、人々が熱心に話し合っている姿が会場のいたるところで見られました。ヒバクシャも3テーブルに分かれ、自分で撮影した写真や資料と共に発表しつつ、他の参加者の報告や感想にも耳を傾けていました。

ピースボート ヒバクシャ地球一周 証言の航海-AUS 1
たくさんの質問から会話がはじまる

若い参加者たちは、アウシュビッツで唯一の日本語ガイドである中谷剛さんに案内してもらったそうです。報告会場では、彼らがそこで考え始めた、「自分たちの世代が、戦争の加害者にならないためにはどうするべきなのか」という課題についての話し合いも行われていました。戦争中の組織的大量虐殺、ホロコーストのような悲劇を、二度と繰り返さないためにはどうすればいいのか- このように、人々が互いに話し合い、聞き合い、認め合うことが、その第一歩なのではないでしょうか。

ピースボート ヒバクシャ地球一周 証言の航海-AUS 2
おなじ場所を訪れても感じ方は千差万別

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