6.その他

東京スタディーツアー:「慰安婦問題」について


WAM:女たちの戦争と平和資料館

こんにちは、
ピースボートスタッフの中田智子(なかたのりこ)です。
私は昨年春に実施されたピースボート地球一周の船旅にて、
一部区間で実施されたおりづるプロジェクトの担当をさせて頂きました。
普段は大阪のピースボートセンターに勤めておりますが、
今回は東京出張と併せて、戦時のことについて学べる資料館に行ってきました。

東京・西早稲田、「アクティブ・ミュージアム 女たちの戦争と平和資料館(wam)」
戦時性暴力、慰安婦問題の被害と加害を伝える、日本初の資料館です。
東京のピースボート事務局から、歩いて30分ほどの場所にあります。


沢山の女性たちの顔写真

資料館の入り口には、150名以上もの女性の顔写真。
彼女たちは、アジア各国の日本軍による性暴力被害を
wamに公開している勇気ある女性たちなのだそうです。

wam1
『中学生のための「慰安婦」展+』

企画展として行なっているのは、『中学生のための「慰安婦」展+』(~11月30日迄)。
今、教科書に「慰安婦問題」が載ってない、という所から、
はじめて慰安婦問題に触れる人にも分かりやすい工夫がされており、
政府の「慰安婦」否定発言に対する反論もQ&A形式で展示されています。

慰安婦問題について、
私自身は知っている”つもり”でした。
今回の展示で、被害者・加害者 両方の視点での証言を目の当たりにし、
何が問題なのかを自分のこととして感じられました。

戦時下において、「慰安婦」にさせられた女性たちの証言の数々。
幸せな生活があり、大事な家族や、夢があったにも関わらず
「日本軍に青春を奪われた」という女性の言葉に愕然とし、
同時に同じ日本人として、そして女性として、過去と未来について考えました。

戦争のせいで安全な生活を奪われただけでなく、
女性としての尊厳も幸せも無視され傷つけられ、その後の人生を通して苦しむ生活。
心の底からの幸せを感じられず終える一生。
そんな日常が続くなんて、とても想像したくはありません。
しかし、実際にそういった時代や状況が、
たった70年程前にあったという多くの証言の数々に、
自分のこととして考えられずに居られませんでした。

もし、私が同じような状況にあったら・・・
もし、私の友達や、子や孫が同じような目に遭ったら・・・
もし、私の愛する人が同じ過ちをおかしたら・・・
もし、私の決断が、そんな時代を作ってしまったら・・・?

元 日本兵の証言で、
「いつ死ぬか分からない兵士だった。生きているうちに好きなことをやりたいと思った」という赤裸々な言葉には、はっとさせられる思いでした。
婚約相手が居たため、戦争に出向いてすぐは絶対に慰安所には行かないと決めていたが、
戦争が終わる頃には慰安所に出向くのに抵抗がなくなってしまった、という証言もありました。

昔の話ではなく、
現在も世界中で起こってる内戦や紛争下、
同じ思いをしてる人が増える状況が、この世界にあります。

現代における世界中の戦時下性被害の地図

このようなことを繰り返さないように。
必死の思いで被害を打ち明けてくれている女性たちや、
自責の念とともに証言を続ける元兵士の痛みと決意を、無駄にしないように。

まずは知り、考え、感じて、共有すること。
そういった体験が、行動につながると感じた時間でした。


ピースボート事務局インターンの2人

一緒にwamを訪れた、ピースボートのインターンの2人の感想も注目です。
◇アジアの諸問題を学んでいる、エステールさん(スイス出身)
「なぜ、このような場所が、日本では知られていないのでしょう?
色んな国の視点で物事を考えることが大切だと感じます。」

◇高校卒業後、地球一周。社会学を学ぶ大学生、池田大樹さん
「自分みたいに無知な若者にも分かりやすい
今まで関心のなかった方々にこそ、自分と同じ衝撃を受けてほしい。
女性たちの証言が、容赦ない現実と、現代にも尾を引く問題の根に気づかせてくれた。」

慰安婦問題が注目される最中ですが、
今一度、様々な視点で問題を考える上で、皆さんも是非訪れてみてはいかがでしょうか。


話のきっかけになれば、と缶バッジを購入しました

ピースボートスタッフ 中田智子(なかた のりこ)

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