1.ヒバクシャ証言の航海

はじめての旅@ノルウェー

みなさんこんにちは。ピースボートインターンの鈴木慧南です。

今日は6月2日から6月5日にかけて行われた
オスロ特別プログラムの報告をします。

船が6月2日にストックホルムに寄港した際に、
長崎で被爆した三瀬清一朗さんはピースボートスタッフ1名と一緒に
船を一時離脱しノルウェーのオスロでおりづる特別プログラムに参加しました。


一時離脱した三瀬さん

このプログラムは急きょ、ノルウェーの外務次官が面会してくださることになり最年長の三瀬さんが訪れることになりました。
スタッフが同行しているとはいえ、プロジェクトメンバーとしては1人での旅だったのでとても緊張した面持ちで出かけていきました。

初日は朝早くから空港に出発し、飛行機に1時間弱揺られて外務省を訪問しました。
外務省ではマリット・バルゲ・ロースランド外務事務次官が面会して下さり、自身の被爆体験と核兵器禁止条約の交渉に参加することを求めました。
30分という短い時間でしたが、外務次官は真剣に耳をかたむけてくださり、国としても個人としても核兵器禁止条約の必要性を理解していることを示してくださいましたが、現在のNPT体制においての賛同はできないとのことでした。
しかし三瀬さんは「伝えたいことは伝えられた。平和に対する道のりが違うことは残念だけど、核兵器禁止条約の必要性を理解していることは分かった。」と前向きな印象を受けていました。


外務次官との記念撮影

その後宿泊先に移動したのですが、
何と今回はホテルでの宿泊ではなくオスロで活動している平和団体のスティーナさんという方のお家にホームステイをしました。
三瀬さんは今年で82歳ですが、ホームステイを経験するのは今回が初めてで「他人のお家はどんな感じなのだろう?」と少し不安そうな顔をしていましたが、スティーナさんご一家ととても仲良くなり、おいしいノルウェー料理とご家族の娘さんと仲良くなり初めてのホームステイは大満足の様子でした。


ホームステイ先での交流

次の日はノルウェーでも有名なVG社という新聞記者の方からインタビューを受けました。
長い時間、話を聞いてもらえたので、自身のことやおりづるプロジェクトのことを詳しくお話しできたようです。
この記事ですが、タイミングが悪くロンドンでのテロが起こった日と重なり、掲載はいつになるか未定だそうですが、記事が載った際には
多くのノルウェーの方に三瀬さんの想いを伝えることができると思います。

3日目はオスロにある医大の教授であるシシーナさんに招かれ彼女のお家に招待されそこでオスロの平和活動家の方々10名の前で
被爆証言をしました。アットホームな雰囲気の中であまり時間に縛られることなくゆっくり意見交換をすることができたそうです。
また、シシーナさんの旦那さんは第二次世界大戦のときにノルウェーの飛行機乗りとして働き、戦争で命を奪われました。
ひとり身になったシシーナさんはずっとシングルマザーで子供を育てていましたが、戦争でパートナーを失った方に国が補償制度を設けており、それによって生活が成り立っているそうです。
彼女は三瀬さんと同じくらいの年代で、戦争で苦労した話など
国は異なっても共感することが多くあったようです。


オスロ観光をしている様子

そして4日目にオスロを後にし、ノルウェーのベルゲンで船に合流しました。
大きな挑戦の1人旅でしたが、帰って来た三瀬さんはとても誇らし気な表情をしており、証言をできたことはもちろん、ホームステイという貴重な経験をできたことを非常に喜んでいました。

この旅をへて、三瀬さんの証言はますます力強さを増したので
今後の寄港地や船内活動でも大切な想いを届けてくれると思います。

ピースボートインターン 鈴木慧南

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