1.ヒバクシャ証言の航海

メキシコシティ訪問団⑤:非核地帯と軍縮教育への取り組み

メキシコ外務省の2階ロビーには、ガラスケースに守られた古い書類がひっそりと置かれています。これこそ、世界に先駆けて一番最初に調印された非核地帯宣言、『トラテロルコ条約』です。

ピースボート ヒバクシャ地球一周 証言の航海
マセド大使と共に:歴史に残る決断を下すのは人間

非核地帯宣言とは、締結国において核軍備の開発や保有、実験などを禁止し、核兵器そのものを地域から締め出すことで、互いの核の恐怖に怯える必要性を取り除こうとする約束です。現実的に平和を実現してゆく手段で、核廃絶に自主的に取り組みかかわる方法として高く評価されています。

現在南米とカリブ海諸国33カ国を結ぶこの非核地帯は、1967年2月14日にチリ・ボリビア・エクアドル、そしてメキシコによって描かれた核のない世界への第一歩に由来します。そして、地球上では、いま現在、南太平洋(ラロトンガ条約 1985年)、東南アジア(バンコク条約 1995年)、アフリカ(ペリンダバ条約 1996年)、中央アジア(セメイ条約 2006年)に非核地帯が広がっているのです。被爆国である日本こそ、積極的に北東アジアの非核地帯化を目指すべきではないでしょうか。

今回7月9日(金)、ヒバクシャ一行はメキシコ外務省が主催した『核軍縮・不拡散セミナー:生存者の声』に参加しました。この会合では、兒玉光雄さんの被爆証言を中心に据えながら、メキシコ政府と日本政府が、それぞれ核軍縮・不拡散というゴールの実現にどのように取り組んでいるのかを報告しました。多くのメディアが集まり、その様子はメキシコシティならびにメキシコ全土のメディアにて報道されました。

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左から兒玉さん、川崎共同代表、マセド大使、江崎一等書記官

会合では、ドキュメンタリー映画『フラッシュ・オブ・ホープ』の上映に続いて、兒玉さんが被爆証言を伝えました。そして、日本から江崎浩司一等書記官が、日本の軍縮教育への取り組みについて、メキシコはマセド大使が、メキシコの国際社会における軍縮への貢献について述べました。

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65年間続く被爆の実相を熱く語る兒玉さん

日本政府が働きかける軍縮教育には、核兵器使用の実相を伝える被爆証言を聞く機会が大事であると位置づけられています。特にヒロシマ・ナガサキヒバクシャの平均年齢が75歳と高齢化してきた現在、その重要性を再認識して広めてゆくことが最優先課題なのです。これまで3ヶ月を超えて世界各地で被爆証言を行ってきたヒバクシャ一行。下船後、今度は地球一周の経験も加えた平和のメッセージを、日本国内外でより多くの人に伝えること、そしてその機会を社会として多くつくり出す必要性を感じました。

ピースボート ヒバクシャ地球一周 証言の航海
「この会合を主催できて光栄」と伝えてくれたメキシコ外務省の方々と

(小松真理子)

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