みなさん、こんにちは。
おりづるユースの浦田沙緒音です。
ついに中南米に入り、寄港地が続きます。
気温もぐんと上がり、毎日暑い日々です。
それでは10月21日の寄港地、キューバ(バハマ)からお伝えします。
キューバといえば、みなさんご存知のチェ・ゲバラが有名です。
ゲバラは、キューバ革命が起きてから約半年後の1959年7月に訪日した際、広島を訪れています。
ゲバラが訪問したことが大きなきっかけとなり、キューバではすべての教員が原爆のことについて学び、すべての子どもたちがそれを知らなければいけないと話していたそうです。
1959年、キューバは事実上アメリカの支配下にあり、農民たちの中で不満が募っていました。そこでチェ・ゲバラとフィデル・カストロ率いるキューバ革命により、キューバが社会主義国となって以来、米国とキューバの国交は断絶され、ソ連と親交を深めることになります。
しかし1962年の夏、ソ連がキューバに密かに核ミサイルを配備していたことをアメリカが発見し、キューバ海上を封鎖、核ミサイルの基地の撤去を迫り、核戦争の一歩手前まで緊迫していました。これがキューバ危機です。
この一連の流れによって、キューバとアメリカは国交を断絶しましたが、2015年夏、54年ぶりに国交が回復し、両国の大使館が再開しています。
なので、キューバの人々にとってヒロシマ・ナガサキで起きたことは、もしかしたら自分の国でも起きていたかもしれないことなのです。
最終的に、このキューバ危機が大きなきっかけとなり、中南米では1963年に同地域の非核化を求める国連決議が採択され、その後、世界で初めての非核兵器地帯条約(カリブ核兵器禁止条約)が1967年に署名、1968年に発効されていきました。
また、ノーベル平和賞を受賞したICANに一番初めに加盟した国は、キューバでもあります。
そのため、中南米はかなり非核の意識が高いと思います。
そういった場所キューバでは、ジャーナリズムを学ぶハバナ大学の学生さんへ、友情の家という場所で「モビミエント・デ・ラ・パス(平和への運動)」という団体の受け入れのもと、証言会を行いました。
※友情の家
※入ってすぐメディアの取材を受けました。
※「モビミエント・デ・ラ・パス」の代表の方よりご挨拶
今回は学生さん以外に、シエラレオネなどでエボラ出血熱の治療をしに派遣され、帰国したばかりの医療関係者の方々とも一緒に登壇しました。
※実際に現地で活動していたドクターより
※ピースボートスタッフの佐久間よりピースボートの説明もします。
被爆者の木村徳子さんからは、被爆体験のお話と今の社会に対する思いが強く語られ、若者を代表して私からは、ヒバクシャ国際署名の呼びかけをしました。
※証言をする木村さん
※ユースとして語る浦田さん
各々からのスピーチ後は、被爆証言は世界各国の人が聞くべきこと、私たちは連帯して一緒に核廃絶をしていくべきであって、もう一度核保有国には核を保有するということについて考えてほしいといった意見交換ができました。ヒバクシャ国際署名も多くの人に署名してもらえました。
※真剣に耳を傾ける方々に
※ヒバクシャ国際署名にも賛同いただきました
※展示した「原爆と人間」に熱心に目を通すみなさん
友情の家を後にし、次は平和の小径を訪れました。訪れる前に、その地区のコミュニティセンターへ行き、地元で活動している人々と交流をしました。
ここでは、子どもたちとアート・音楽を使ってワークショップをしています。地域の学校と連帯してワークショップをしており、特別学校の子どもも受け入れをしているそうです。
到着すると、子どもたちが歌ってくれたり、アーティストの方が詩を読んでくれたり、男性の方が歌ってくださいました。木村さんも、被爆体験をお話しました。
※踊りや歌ってくれた子どもたち
※原爆の悲惨さを伝える木村さん
※子どもたちから絵をプレゼントされました。
※交流したみなさんと
平和の小路は、3階建ての住宅街に囲まれている生活道です。突き当たりの壁にはメキシコ人アーティストが描いた平和の象徴の鳩があります。
※平和の象徴である壁画
ここでは毎年8月の原爆忌に犠牲者を追悼する集いが20年以上も行われているのです。
ゲバラが広島を訪問したことは知っていましたが、市民の方が強い意識を持っていることはとても驚きましたし、遠く離れたここキューバで、ヒロシマ・ナガサキを想い、「私たちにできることは何でも言ってください」と声をかけてくださる方にたくさん出会うことができました。
国境を越えて、核廃絶を願う思いがあるということにとても励まされます。
証言会後には、革命広場に行くこともでき、個人的には大変満足しています。
※革命広場にて記念撮影
木村さんにも私にとっても初めての寄港地となりましたが、常に人のあたたかさを感じた1日でした。
おりづるユース 浦田沙緒音
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