今クルーズの水先案内人のひとりでもある郭貴勲(カク・キフン)さん
今回のプロジェクトのメインの目的は、計102名のヒバクシャが各寄港地で被爆体験を語り、核兵器廃絶を訴えるというもの。また、航海の途中に、ピースボート船上でさまざまな被爆関連の催し物を行うことを通じて、一般の乗船者に対して被爆について知ってもらい、核兵器廃絶やともに平和な世界を作ろう、と呼び掛けることも目的のひとつである。
そこで、横浜出航からインド・コーチン到着までに行われた企画の一部を2回に分けて紹介する。
・在韓ヒバクシャ企画
102名のヒバクシャのうち、横浜からインド・コーチンまで韓国人4名が乗船した。いずれも戦前や戦中に何らかの理由で来日し、被爆した在外ヒバクシャである。彼らは広島・長崎で被爆したにもかかわらず、日本在住ではないなどの理由から、長らく被爆者認定を受けられなかった。これまでその存在自体、世間にあまり知られていなかったが、この機会にぜひその経験を語ってもらおうと彼らにスポットを当てたプログラムを企画した。
そのひとつが、「在韓ヒバクシャの歴史的背景」をテーマに、広島で被爆した郭貴勲(カク・キフン)さんをスピーカーに招いた『それぞれのヒロシマ』。被爆後、帰国した郭さんが、韓国原爆被爆者協会会長として同胞の認定に奔走し、30回にもおよぶ裁判の末、ヒバクシャとしての権利を勝ち得るまでに至る経緯を語った。
そしてもうひとつが、『お話、聞かせてクダサイ ~在韓ヒバクシャワークショップ~』。こちらはやはり広島で被爆したは郭さん以外の3人が、自らの体験を語る内容。両親に連れられて、日本生まれ、と広島にいた経緯こそ違え、当時の状況やその後の韓国での生活を流暢な日本語を使って話してくれた。
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