1.ヒバクシャ証言の航海

原発事故直後のイタリア・ナポリでの証言会のレポートが届きました。

第4回おりづるプロジェクトが帰港してからすでに一ヶ月半ほど経ちました。第4回おりづる参加被爆者のみなさんはそれぞれの地で、現在も活動を続けていらっしゃいます。また、同じクルーズに乗船し、被爆者の話を聞いた若者たち(おりづるパートナー)も自分に何ができるのか、探っています。
今回はそのおりづるパートナーの一人である瀬戸麻由さんより、福島での原発事故直後に行われたナポリでの証言会についてレポートが届きましたので、お送りします。

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3月14日、イタリアのナポリにて、わたしは初めて海外での被爆証言を聴いた。会場はナポリの中心にある国立博物館の一室。入ったとたんに大きなカメラや取材機材が目に入り、この証言がいかに注目されているのかを物語っていた。
$    ピースボートのおりづるプロジェクト-ナポリ museo

証言会でお話されたのは、広島で被爆された高橋節子さんだ。証言会に向けて、船内で証言の練習をしているところを見るにつけ、証言というものがいかに大変かを痛感した。証言の中に、高橋さんが原爆投下前日にお母さんと歌を歌う場面がある。実際にその時に覚えた歌を、高橋さんが歌って聴かせてくれた。証言会当日もその歌を歌うという。通訳を通しての証言会で、歌声や歌詞にこめられた彼女の思いがナポリの人々に届くよう、祈るような気持ちで証言会に臨んだ。

実際に証言会が始まると、集まった人々の真剣な表情が印象的だった。静かな会場内に、高橋さんの声とカメラのシャッター音が響く。証言会はスムーズに進み、質疑応答にうつった。強く印象に残ったのは、「核兵器には反対していますが、原発などの原子力に関してはどう思いますか。地震の多い日本で原子力発電が行われていることに対してどう考えますか」「核の恐ろしさに直面した日本が、どうして原発に反対しなかったのですか」という質問だ。3月11日に日本で震災が起こって以来、初めての証言会である。一市民である被爆者の方が、日本の代表として質問に答えなければならないという状況に難しさを感じた。

会場にはナポリに滞在している日本人も数名いた。その中に、ナポリに留学している日本人学生もおり、証言会の後に話して仲良くなることができた。彼は質疑応答で、「若い世代へのアドバイスは」と質問した。「若い人たちが核問題から目を背けているというより、核問題が若者の耳に届いていないように感じる。」と答えた高橋さんは、問題が起こっている場所に実際に訪れること、体験することの大切さについて語った。日本と遠く離れたイタリアで、ヒバクシャの思いを伝える場所にいるという今回の体験を、わたしも大切にしたいと強く感じた。(ピースボート第72回クルーズ参加者/おりづるパートナー・瀬戸麻由)

$    ピースボートのおりづるプロジェクト-ナポリ 高橋さん

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