1.ヒバクシャ証言の航海

被爆者の方の話を聞いた若者たちが紙芝居を作成しました。

第4回おりづるプロジェクトでは、水先案内人で軍縮教育活動家キャスリン・サリバンさんの提案で『紙芝居プロジェクト』が行われました。これは、船内で被爆者のかたの話を聞いた若者が中心となって、被爆者の方の紙芝居や企画を作ろうというもの。
そのプロジェクトのディレクを担当したのが、大学生の加藤将広くんです。彼は、キャスリン・サリバンさんから抜擢され、9チームに分かれた各グループの相談役と企画の調整などを担当しつつ、被爆者の一人である深堀さんの紙芝居制作に携わりました。
その加藤くんより、紙芝居プロジェクトを通しての感想文が届きました。また、その紙芝居を下記のタイトルをクリックしてご覧いただくことができます。

■深堀柱さんの紙芝居

■高橋節子さんの紙芝居

■西田吾郎さんの紙芝居

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紙芝居プロジェクトに関わって          加藤将広

船内のおりづるプロジェクト企画最後のイベントとして、紙芝居プロジェクトが行われた。この企画は被爆者と3、4人の一般参加者が一つのチームとなって作り上げる企画だ。企画は主に二つに分かれ、被爆者の話を紙芝居という形で表現するチームや、証言会の開催や、平和の灯篭づくり、知識の豊富な被爆者と若者による歴史を学び、未来を考えるという企画など実に多様な形で行われた。僕は、長崎で被爆した深堀柱さんの紙芝居を作るチームに関わった。何度も深堀さんの話を聞いてはいたが、実際にそれを形にするという作業は想像以上に難しかった。自分は戦争を経験していないし、知識もない。被爆者の思いをこんなに短期間で形に出来るのかという不安もあった。また、誤った話を書いてはいけないという思いから、疑問を持ったら何回でも深堀さんの部屋を訪ねて、話を聞いた。その度に深堀さんや他の被爆者が「本当は被爆体験を語りたくない」と言っていたのを思い出し一瞬尻込みするのだが、深堀さんは何度行っても笑顔で、しかもお菓子付きで迎えてくれたので、すごく嬉しかった。話は被爆体験ばかりではなく、自分の家族や仕事のこと、これからの平和についてなど、いろんな話をしていたので、時間はいつの間にか1時間、2時間と経っていることも少なくなかった。でも、このような言わばお祖父ちゃんと孫のような関係になっていたからこそ、この人が体験したことをもっと聞きたい、共有したいという思いが強くなったのだと思う。僕達がどこまで深堀さんの話を心で受け止め、それを表現出来たのかは分からないが、紙芝居が出来上がってそれを見せた時に深堀さんが「ありがとう」と言ってくれた時には、やって良かったと思った。確かに、僕たちは被爆者でもないし、戦争も体験していない。だけど、それを伝えることは出来るし、して良いのだと思った。今回、実際にこの企画に参加したメンバーは全部で25人程。そのほとんどが今まで原爆という言葉に無関心だった人たちばかりだ。しかし、一人一人が、被爆者と何度も話し、自分が伝える側になったことで、明らかに変化した。僕と一緒に深堀さんの紙芝居を作ったメンバーの一人が言っていた「深堀さんの話を聞いて、自分がどれだけ平和ボケしていたかが分かった。関わって本当に良かった。日本に帰ったら、絶対紙芝居をやりたい。」実際彼は地元名古屋に戻り、ピースボートセンターで紙芝居を披露した。僕も船を降りてから、どうしても広島に行きたくて、平和記念公園を訪れた。

8月には広島や長崎で一緒に乗った被爆者と紙芝居チームで同窓会もやる予定だ。しかし関わったメンバーだけではない、企画を聞いていた同世代の若者たちの多くが、絶対広島に行くと話した。確実に被爆者の思いは僕らの「こころ」に届いのだ。僕はこれからも、未来のために被爆者の話を聞いていきたい。そして、自分に出来ることをやっていきたい。僕も友達と同じように、船に乗って被爆者と関われて本当に良かった。

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現在、彼は母校やカフェなどで報告会をしようと頑張っています。報告会が行われる際には、またお知らせします。

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