こんにちは。
おりづるピースガイドの北出麦人です。
12月10日はノーベル平和賞の授賞式が行われ、そのパブリックビューイングがピースボートセンターとうきょうで行われたので、その模様を紹介したいと思います。
ピースボートセンターには夜の9時にもかかわらず、たくさんの方に来ていただきました。
被爆者の方や、メディア関係の方、Facebookを見て来ていただいた方など総勢100人近くにも上り、会場は立ち見の方までいらっしゃるほどでした。
会場には、ピースボートおりづるプロジェクト参加者であり広島で被爆された三宅信雄さんと、同じく広島で被爆された土田和美さん、長野で被爆された浅野 雅彦さん、ヒバクシャ国際署名キャンペーンリーダーの林田光弘さんが登壇しました。
※左から三宅さん・土田さん・浅野さん・林田さん
スクリーンに注目する中、授賞式が始まりました。ICANの受賞理由を紹介するのはノーベル委員長のライスアンデシェンさん。核なき世界の実現への運動に向けて新たな方向性と活力を与えたとたたえました。
※ノーベル委員長のライスアンデシェンさん
ICANのベアトリス・フィン事務局長は核を持つ9カ国とその他の核の傘に入る国々に核廃絶を呼びかけました。また核兵器が偶発的に使われる可能性の問題点も取り上げました。サイバーテロが危険視される昨今ではありえなくもないといいます。
最後には「私たちは核兵器の終わりか人類の終わり、どちらかを選ばなければならない」と力強くスピーチを締めくくりました。
※ベアトリス・フィン事務局長
第1回おりづるプロジェクトの参加者でもあるサーロー節子さんは、核兵器はいつ何時も私たちを危険に晒します、と強調した。また、アメリカなどでは広島や長崎に原爆を落としたことは、戦争を終わらせるためには仕方なかったという議論に対して、サーローさんは「核兵器は絶対悪。必要悪なんかじゃない」と言及しました。
演説の中で私が印象に残った部分は「人類は核兵器と共存できない」という言葉です。ヒバクシャとしての強烈な経験から絞り出される言葉は心に響きました。
中継の最中に、我らが川崎哲がちらちらと画面に映るたびに会場から歓声が上がります。登壇者は感激のあまり涙をすすられていました。
ベアトリスフィン事務局長とサーロー節子さんがメダルと賞状を受け取り、一通り授賞式が落ち着いたところで、会場の登壇者の方々から率直な感想をお一言ずつ頂きました。
三宅さんは「これがスタートラインだ。これからも粘り強く続けていく必要がある」と力強い語気でおっしゃいました。
土田さんは「一人ひとりの意識が変わっていかないことには世界は変わらない。わたし自身このノーベル平和賞を追い風にして、変わっていきたい」と話されました。
浅野さんは「若い人の努力がとても大きく、このノーベル平和賞に繋がった。これからも若い方には力を合わせて頑張って頂きたい」と未来への希望を語られました。
被爆2世でもある林田さんは「正直心の底からは喜べない。これまで多くのヒバクシャの方に話を聞いてきたが、今日という日を迎えずに亡くなっていった方も大勢いる。その方たちの想いを思うと無念だ。その想いを背負って核廃絶の道を歩んでいく」と涙ながらに語ります。
最後は次は核兵器廃絶だね、と会場全体で共有しとても盛り上がりを見せたパブリックビューイングは閉幕しました。
追記
このノーベル平和賞受賞はわたしも少なからず関わっていると思うと本当に嬉しい限りです。それとともに、これからは核保有国にどういう話の進め方をしていくかというステップになると思います。そのプロセスでもヒバクシャの存在は大きくなってくると思います。
今回、ピースボートは世界一周の旅にヒバクシャの方を乗せていっていましたが、やはり原点に帰るという意味も含め、日本各地で証言会を行うことになりました。その資金をクラウドファンディングで集めているので、サイトも見ていただければと思います。シェアしていただけるととても嬉しいです。
それに合わせて、各新聞社も会場の様子をレポートしているので、ぜひそちらもどうぞ。
おちづるプロジェクトクラウドファンディング https://readyfor.jp/projects/pbhibakushaorizuruproject
朝日新聞 https://www.asahi.com/articles/ASKDC02NCKDBPTIL00G.html
日経新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2446938010122017CC1000/