1.ヒバクシャ証言の航海

2018年1月、オーストラリア特別編 出航!

先日1月8日(月)、第96回ピースボート「オセアニア一周クルーズ」が、横浜港を出航しました。 今回、ピースボートの船体にはICANの大きなロゴがペイントされ、新たな気持ちでの船出となりました。

【出航】船体にICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)ロゴを掲げ、第96回ピースボートが出航しました!

船体に描かれたICANのロゴを前に   今回のクルーズでは、ICANが誕生したオーストラリアで多数の寄港地をめぐります。ICANオーストラリアと連携して、5都市(パース、アデレード、メルボルン、ホバート、シドニー)で、「おりづるプロジェクト オーストラリア特別編」(1月24日から2月6日)として、核の非人道性と核兵器禁止条約の重要性を訴えるイベント、政治家への面会、記者会見を実施します。   西オーストラリア州や南オーストラリア州の先住民の土地では核実験やウラン採掘で核サイクルの影響が続いています。しかしながら、日本政府同様、アメリカの「核の傘」に守られていると主張して、オーストラリア政府は核兵器禁止条約に署名していません。   今回は、広島・長崎の被爆者だけでなく、 オーストラリアの核実験被害者、 福島の原発事故の被災者、 元オーストラリア上院議員、 ICANオーストラリアスタッフ も参加し、船内や寄港地で議論や交流を深めていきます。

出航記者会見では、ICAN国際運営委員を務める川崎哲は、今年はICANの受賞を生かして核兵器禁止条約という歴史的条約を発効させることが重要だと話しました。 ピースボートはこれまでも世界各地で働きかけをしてきましたが、今年はさらに力を入れて多くの国が署名をして、批准するように動きを進めていきたいと思います、とも。  

【出航】船体にICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)ロゴを掲げ、第96回ピースボートが出航しました!

川崎哲   日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)代表委員で長崎被爆者の田中熙巳(たなか・てるみ)さんは今回オーストラリアの区間に乗船します。 昨年7月の条約採択、12月のICANノーベル平和賞受賞式参列の直後のピースボートおりづるプロジェクトに参加できることは嬉しくも緊張します、と述べました。   また、いつも草の根の活動が大切だと認識しているので、今回ICANオーストラリアの方々との面会が楽しみだと笑顔を見せました。  

【出航】船体にICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)ロゴを掲げ、第96回ピースボートが出航しました!

田中熙巳さん   今回は一般参加者として乗船されるものの、おりづる経験者としてこのオーストラリア特別編にも協力いただく三宅信雄さん、平田道正さん、杉田信子さんからも一言ずつ頂きました。   広島で1.8kmのところで被爆した三宅さんは、「亡くなった方への追悼と思って被爆の実相を語ってきたが、ようやく昨年、核兵器禁止条約ができました。この核兵器禁止条約が実際に実現するにはずいぶん長い時間がかかるはずです。しかしICANのメンバーは若い方々が多い。運動を続けて核兵器がなくなるまで実現してもらいたいと思っています。」   平田さんは、「今回帰港するオーストラリアも日本と同様に核の傘の下にいますが、そのあとに訪れるニュージーランドは核兵器も原発もない非核国です。なぜこれが実現できたのか、そのあたりを勉強してきたいと思います。」そしてその学びは必ずや日本政府に核政策の変更を迫る時に役立つはず、とも。   杉野さんは、2014年におりづるプロジェクトに参加したことで1歳で被爆した自分にも母の話を話すことで被爆の実相を伝えることができると自信をもちました、今回のICANノーベル平和賞受賞で自分にも出来ることがあるはずと思いを新たにしました、と。    最後に吉岡共同代表から「今、東アジアは危機に面しています。政治家の発言にはリアリティーが欠けています。広島と長崎での体験を広めていくことは日本人の責任です。核の悲惨さを世界に伝えていきたい」とまとめました。   今回のオーストラリアでの活動の様子は、引き続きこのブログでも紹介していきます。お楽しみに。    

【出航】船体にICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)ロゴを掲げ、第96回ピースボートが出航しました!

(左から)吉岡達也ピースボート共同代表、杉野信子さん、田中熙巳さん、川崎哲ICAN国際運営委員/ピースボート共同代表、三宅信雄さん、平田道正さん、伊藤ロウズ雅恵ピースボートスタッフ    第96回ピースボートクルーズに乗船して、おりづるプロジェクトに関わる方々:

・田中熙巳さん/日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)代表委員 長崎被爆者
・三宅信雄さん/広島被爆者
・平田道正さん/広島被爆者
・杉野信子さん/広島被爆者
・長谷川健一さん/飯舘村前田行政区長
・長谷川花子さん/伊達市伊達東仮設住宅管理人
・カリナ・レスターさん/アデレード大学先住民族言語専門家、父はオーストラリアにおける核実験被害者ヤミ・レスター
・ジェム・ロムルドさん/ICANオーストラリア広報担当
・スコット・ラドラムさん/元オーストラリア上院議員
・高瀬毅さん/ジャーナリスト、ノンフィクション作家
・豊田直巳さん/フォトジャーナリスト
・安藤真子さん/神戸大学大学院、おりづるユース特使

※ICANとピースボートとの関係性についてはこちら:「ICANとは?ノーベル平和賞受賞の背景を解説します」掲載メディア: ■2018年1月8日 NHKニュース7 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180108/k10011281851000.html

■2018年1月9日 神奈川新聞 核なき世界へ船出 ピースボート、被爆者乗せ http://www.kanaloco.jp/article/302674
https://kawasakiakira.files.wordpress.com/2018/01/20180109_kanagawa2.jpg

■2018年1月8日 被爆者ら乗せピースボート出航 横浜から核廃絶訴える旅へ http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/279519 ピースボート 渡辺里香

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