皆さん、こんにちは。
ピースボートの野口香澄です。
6月26日はスウェーデンのストックホルムに寄港しています。
現在、北欧は貴重な夏休み期間。その中でも被爆者が来るということでICANサポーターの団体の方々が会いに来てくれました。
まず、はじめにストックホルムと言えば、ノーベル賞!ということで、ノーベル博物館に行きました。今回は、特別に中を案内してくれました。
ICANが受賞したのは、ノーベル平和賞。発表・受賞はオスロで行っています。
なので、今回のノーベル博物館はノーベル平和賞に特化したものではありませんが、ノーベル平和賞を受賞したICANの被爆者ということで特別に案内をしていただきました。
そこでアルフレッド・ノーベルさんがどのような人物像なのかということを知ることが出来ました。
ノーベルさんの遺言のレプリカも見ることができました。
その遺言の中に平和賞への記載がなければ、今回のICANを始め、多くの平和賞を受賞した方々の功績をたたえることができないと思うと今回の受賞がなおさら特別なものに感じます。
もちろん!2017年はICANがノーベル平和賞を受賞したということでおなじみのロゴマークもありました。
ここには、ノーベル平和賞の授賞式の時にピースボートや広島のサーロー節子さんが通っていた中学の学生たちが折った折り鶴の一部が飾られていました。
一通り見学をした後、ランチ会場へ向かいました。
前回もストックホルムに寄港した際におりづるプロジェクトを受け入れてくれたSLMK(IPPNW核戦争防止国際医師会議)スウェーデン支部のClare Levinさんです。
また、クララさんをはじめとした平和団体の皆さんが5名ほど来ていただきました。
その参加していた方々が皆さん女性たち。そして、お子さんがいるお母さんたちでした。
ランチと食べながらというカジュアルな会だったので、リラックスした状態で意見交換が出来ました。
スウェーデンは福祉が発展しており、平和の先進国と言われている国です。核兵器禁止条約にも交渉会議の際には賛成票を投じています。NATOにも加盟していないということでヨーロッパの中でも早い段階で核兵器禁止条約に署名・批准してもおかしくはない状態の国ですが、未だに署名も批准もしていません。
なぜなのか、市民団体の目線で意見交換ができたらいいなと思います。
まず、1人1人の自己紹介をした後に「平和団体として活動していくいためにはどうしていくべきなのか、そのためにはどういうアプローチをしていくべきなのか」と質問を受けました。
それに対して上田さんからは「被爆の実相を伝えていくことが大切である」と話をしてくれました。
また、おりづるプロジェクト側からは「なぜ、スウェーデンは平和の先進国と言われている中で核兵器禁止条約に署名・批准はしないのか」と質問をしてみました。
答えとしては「そもそもスウェーデンに住んでいる人間としては平和の先進国とは思わない。また核兵器禁止条約に対してはNATOに加盟したい動きもあり、それに伴い米国への懸念がある。」と言います。
米国とスウェーデン間での貿易があるので条約に署名をすることで米国からの圧力がかかるとも話してくれていました。
そうした上でリアリティーが必要で、核兵器が落とされた時にどういうことが起きるのかというのを伝えるリアリティーが必要であると話してくれました。
核兵器禁止条約に対しての市民の反応としては86%の市民が署名すべきと判断しています。
その一方で反対している政府としては核兵器禁止条約に署名・批准することが危険に繋がるという考えがあるようです。
NATOに入ることで平和が保てる。だからNATOに入りたいし条約に署名はしないといいます。
参加した女性達は口をそろえて言っていたことがあります。
「自分の子どもが生まれた時に核兵器の恐怖にさらされない為に何が何でも核廃絶はしていきたい。」と話してくれました。
「核兵器は男性が作ったもの。それを止める為に女性たちが立ち上がる。」
女性達の優しく力強い言葉たちに私自身今後の活動をするに辺り励みになりました。
ピースボート 野口香澄