みなさん、こんにちは。
第10回「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」も、出航して一ヶ月が経過しました。
先日、ギリシャに寄港し、いよいよヨーロッパにさしかかったところです。
本船から届いたレポートをお送りします。
なお、現地での活動はメディアでも取り上げられました。
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みなさん、こんにちは。おりづるユースの遠藤愛弓です。
第10回おりづるプロジェクト、証言する機会のある寄港地としては3つめの寄港地となる、ギリシャ・ピレウスでの活動の様子をお伝えします。
今回はおりづるプロジェクトを代表して、田中稔子さんと私、遠藤愛弓で活動してきました。
ピースボートはピレウスに数多く寄港しており、度々、現地市民団体のPADOP主催で、オープニングセレモニーを開いてくださいます。
オープニングセレモニーでは、カラカス市民オーケストラの方々数人によるオーケストラの演奏がありました。
その後、PADOPの代表者PANOS TRIGAZISさんによる、ピースボートを歓迎する旨のスピーチを聞きました。
ピレウスインターナショナルスクールの小学生16名も来ており、数人の生徒からウェルカムメッセージと平和な世界に向けてのメッセージがありました。また、ギリシャの伝統音楽とともに暖かく迎えてくださいました。
約1時間ほどのオープニングセレモニーを終えた後、バスに乗って、会場であるピレウス市役所に向かいました。
今回のピレウスでの活動は、国連「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成目標14「海の豊かさを守ろう」と「地中海行動計画」をテーマにしたシンポジウムへの参加でした。SDGsとは、2030年を期限に設定された国際的な目標で、17の目標と169のターゲットから成り立っています。今回の海洋保護(目標14)に関するシンポジウムがPADOPという現地の市民団体とギリシャ政府(海運・島興政策省)、そしてピースボートの共催のもとで行われ、おりづるプロジェクトもこれに参加してきました。
シンポジウムでは主に、地中海における持続可能な開発について話し合いました。
ギリシャの運輸のことを主に取り扱う省庁(Minister of Shipping and Maririme Affairs)の大臣、ピレウス市の副市長さんなどから、「持続可能な未来を子どもたちに残すために、私たちは今、手を取り合って協力していくことの重要性」について述べられ、またピースボートが海洋を守るために行っている活動について応援の言葉をいただきました。
戦時中は広島・長崎で原爆が投下された一方で、1945年に初めての核実験が行われて以降、冷戦期にはアメリカ合衆国・ソビエト連邦を中心に約2,000回の核実験が太平洋沖の島国にて行われました。
そんななか、被爆者の田中稔子さんが実体験とともに、核兵器がいかに非人道的か、そして福島での原発災害が日本の人々に与えた影響などについても触れました。
田中さんのスピーチに続いて、私遠藤からは核被害について述べた後に、持続可能な社会を目指すために、原発を含むあらゆる核からの脱却が必要であるとスピーチしました。
スピーチのあとには質疑応答があり、シンポジウムに参加していたピレウスインターナショナルスクールの子どもたちから、「知人などに亡くなった人はいるのか」「いつから証言活動をしているのか」と質問がありました。これに対して、田中さんは「自分は原爆投下の6日前に引っ越したため奇跡的に助かったが、爆心地付近に住んでいた同級生は全員亡くなった。その原爆の悲惨さを伝える責任を感じ、70歳を過ぎた時から証言活動を始めるようになった。」と答えました。
また、「私たちが学校に帰ってからできることは何か」の質問に対しては、「世界中に友達を作ってください。いろんな国に友達を作ると世界が広がって、平和への第一歩になります。」と子どもたちに笑顔で答えました。
短い時間ではありましたが、様々な立場の方からお話を聞くことができ、充実した時間を過ごすことができました。
これから約1ヶ月間、ヨーロッパにおける多くの活動が始まります。各寄港地の証言会に向けて、しっかり準備して、活動していきたいと思います。
遠藤愛弓
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